今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米雇用統計良好にもドル円下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は110円にワンタッチ後反落。雇用統計は予想を上回る内容だったものの、株価の下落と長期金利の低下がドルを押し下げた。
  • ユーロドルでは緩やかにドル高ユーロ安が進む。ユーロは1.0942まで売られ、昨年10月以来4カ月ぶりの安値に。
  • 株式市場は大幅に反落。ダウはそれまで1000ドルを超える上昇を見せていたこともあり、利益確定の売りに押された格好。ダウは277ドル安で取引を終える。
  • 債券相場は上昇。長期金利は1.58%台へと低下。
  • 金は3日続伸。原油は反落。
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1月失業率 → 3.6%
1月非農業部門雇用者数 → 22.5万人
1月平均時給(前月比) → 0.2%
1月平均時給(前年比) → 3.1%
1月労働参加率 → 63.4%
12月消費者信用残高 → 22.055b
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ドル/円 109.53 〜 110.01
ユーロ/ドル 1.0942 〜 1.0976
ユーロ/円 120.03 〜 120.55
NYダウ −277.26 → 29,102.51ドル
GOLD +3.40 → 1,573.40ドル
WTI −0.63 → 50.32ドル
米10年国債 −0.059 → 1.583%

本日の注目イベント

  • 日 12月貿易収支
  • 日 12月国際収支
  • 日 1月景気ウオッチャー調査
  • 中 中国1月消費者物価指数
  • 中 中国1月生産者物価指数
  • 中 中国1月マネーサプライ
  • 米 米予算教書公表(予定)
  • 米 ボウマン・FRB理事講演
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 加 カナダ12月住宅着工件数
  • 加 カナダ12月建設許可件数

ドル円は110円に届いたもののその後はすぐに押し戻され、株価が大幅に下落し、長期金利が低下したことで109円台半ばまで売られています。先週のNY株式市場は、その前の週末にダウが600ドルを超える下げを見せたが、その後急速に切り返し、先週末前までは1000ドルを超える上昇を見せていたことから、休みを前に利益を確定する動きが先行したものと思われます。

米ファンダメンタルズは好調です。1月の雇用統計では失業率は3.6%と、予想よりやや悪化していたものの、非農業部門雇用者数は22.5万人と予想を大きく上回り、水曜日に発表されたADP雇用者数とともに米労働市場の好調さを示していました。先週はそれ以外にも、ISM製造業景況指数や、非製造業景況指数も予想を上回っており、「米経済は緩やかに拡大している」(NY連総裁)と、新型コロナウイルスの感染が拡大しているといったリスクがあるにもかかわらず、現時点での経済データに大きな変化はありません。ただ7日に公表された半期に1度議会に提出するFRBの金融政策報告書では、「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」と明記され、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」と指摘していました。(ブルームバーグ)明日、パウエルFRB議長は議会下院で証言を行いますが、新型コロナウイルスへのリスクについて言及があるものと思われます。

その新型コロナウイルスの感染拡大は依然として止まりません。今朝7時の時点では、死者の数は813人と報告され、感染者の数も3万7000人を超えているようです。中国の劉昆財政相は、中国は新型コロナウイルス対策にこれまで316億元(約5000億円)を投じてきたと述べ、李首相も新型コロナウイルスに有効なワクチンを開発する必要性を強調しています。また、トランプ大統領も「新型コロナウイルスへの対策を支援するため、米国は中国と緊密に協力している」とツイートしており、被害が拡大している国や地域に1億ドル(109億5000万円)を拠出することを表明しています。感染拡大はさらに続くものと思われますが、金融市場はまだ比較的冷静な反応を見せています。今後日本国内で感染者がさらに増え、例えば死亡者が出るような事態になると、リスクオフが急速に高まる可能性は残っていると考えます。

中国の経済活動はいよいよ今週から再開の予定です。日本企業の中国事業の全面再開は約4割程度と、日経新聞は調査結果を伝えていますが、米アップルや台湾の鴻海などは中国での事業再開見合わせを決めています。中国の生産活動がどの程度再開されるのかといったニュースのヘッドラインも、為替に影響を及ぼす可能性がありそうです。本日は日本株も下げそうですが、ドル円の動きはそれほど大きなものとならず、先週と同じように株価の動きに伴って狭い範囲で上下することになると見られます。予想レンジは109円20銭〜109円90銭程度といったところでしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
1/23 ラガルド・ECB総裁 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 --------
1/17 トランプ大統領 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 --------
1/15 トランプ大統領 (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 --------
1/13 ローゼングレン:ボストン連銀総裁 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 --------
1/13 ボステック:アトランタ連銀総裁 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 --------
1/8 ザリフ・イラン外相 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和