「英財務相辞任でポンド上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は新型コロナウイルスの感染拡大が止まっていないとの観測から小幅に下落。109円65銭まで売られたが、下値も限定的。
- ユーロドルは小幅ながら続落し、1.0834までユーロ安が進む。ユーロは対円でも売られ、昨年10月以来となる118円台後半まで下落。
- ジャビド財務相が辞任したことでポンドが買われる。財政支出拡大への期待感がポンド買いにつながった。
- 株式市場は反落。中国が発表する新型コロナウイルスに関する報道への不信感が重石に。ダウは128ドル下げ、他の主要指数も下落。
- 債券相場反発。長期金利はやや低下し、1.61%台に。
- 金と原油はともに続伸。
新規失業保険申請件数 → 20.5万件
1月消費者物価指数 → 0.1%
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| ドル/円 | 109.65 〜 109.86 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0834 〜 1.0869 |
| ユーロ/円 | 118.87 〜 119.26 |
| NYダウ | −128.11 → 29,423.31ドル |
| GOLD | +7.20 → 1,578.80ドル |
| WTI | +0.25 → 51.42ドル |
| 米10年国債 | −0.012 → 1.617% |
本日の注目イベント
- 独 独10−12月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(速報値)
- 欧 ユーロ圏12月貿易収支
- 米 1月小売売上高
- 米 1月輸入物価指数
- 米 1月鉱工業生産
- 米 1月設備稼働率
- 米 2月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
昨日の早朝、ドル円は110円台前半でNYでの取引を終え、久しぶりに110円台で戻ってきましたが、8時頃に伝えられた「新型ウイルス感染症例が1日で1万4840件増えた」との報道に、ドル円は109円80銭前後まで押し戻され、結局今回も110円台を維持することはできませんでした。前日のNYでは新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化したという報道にリスクオンが強まり、ドル高、株高が進んだだけに、1日で1万4840件の感染症例の増加はややサプライズで、市場はこれに反応した恰好でした。大幅に上昇すると見られていた日経平均株価もマイナスで取引が始まり、市場は新型コロナウイルスの情報に振らされる展開が続いています。もっとも、これは中国湖北省の衛生健康委員会の感染症例に関する基準が変わったことによるもので、これまでの方法である核酸の検査キットとともに、画像スキャンで確認された症例も加えたものを発表することにしたものです。昨日のこの欄でも述べましたが、ここ2週間ほどで感染拡大が止まるのかどうかが、今後「パンデミック」に(世界的な大流行)になるかどうかの「ヤマ場」と言われています。感染者の伸びが鈍化するのかどうか、注視したいと思います。
トランプ大統領がFRBの理事候補に指名したシェルトン氏が昨日、米上院銀行住宅委員会の公聴会で発言しました。同氏は「FRBの独立性は、その公的な信頼性において極めて重要な側面だと信じている」と述べる一方、トランプ大統領に多くの権限があるとも述べています。ブルームバーグは、同氏は前回の大統領選でトランプ氏の経済アドバイザーを務めたことを紹介し、11月の大統領選でトランプ氏が再選され、かつシェルトン氏がFRB理事に就任した場合、同氏は2022年にパウエル議長の後任に指名される可能性があると伝えています。しかし昨日の公聴会では、民主・共和の両党からその適正に問題があると指摘されていました。
昨日イギリスのジャビド財務相が突然辞任しました。ジョンソン首相との対立が解消できず、首相は同氏を含む5人の解雇を迫っていましたが、ジャビド財務相は首相の要求を拒否し、辞任した模様です。ブルームバーグは、何の前触れもなく財務相が去ったイギリスの経済政策は先の読めない局面に入り、ジョンソン首相にとっては大きな痛手となったと評しています。このニュースでイギリスが財政支出の拡大に動くとの期待が高まり、ポンドは上昇しています。ポンド円は142円台半ばから143円台前半まで買われ、対ドルでも60ポイント程買われています。
ドル円は109円台半ばから110円台前半で膠着状態です。「MACD」でも、ゼロの軸を中心に小動きとなっており、方向感が出ていません。日米の株式市場では連日大きな値動きが見られますが、ドル円と米債券市場では膠着感が強まっています。日本の機関投資家が、高利回りに加え、流動性や安全性を求めて米国債に投資をおこなっているとの報道もあり、継続的な米国債の購入が米長期金利を低く抑えている一方、その購入資金である円を売ってドルを買う行動が、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない割には円高が進まない一因にもなっているようです。米大統領選も相場の方向性を決定する大きな材料ですが、決定的な影響を与えるのはまだ先の話です。やはり目先の材料である、新型コロナウイルスの感染がどのように推移するのかといった報道に振り回される展開になりそうです。本日のドル円は109円40銭〜110円程度と予想します。
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半期に一度行われるFRB議長の議会証言も終わりましたが、今回の証言の中で、パウエル議長は議員の質問に答えを窮する場面がありました。ブルームバーグによると、ケイティ・ポーター議員(カリフォルニア州)は、アマゾンの創業者ベゾス氏の2300万ドル(約25億円)の豪邸でのぜいたくなパーティーに出席したことを問いただし、「あなたが実際に外圧の影響を免れないという印象を国民に与えかねない状況が想像できるか」と同議員は尋ねました。パウエル氏は「そうでなければいいが」と回答。 パーティーの出席者にはベゾス氏のほか、トランプ大統領の長女イバンカ氏と、トランプ大統領補佐官と娘婿のクシュナー大統領上級顧問、JPモルガン・チェースのダイモンCEOらが含まれていたそうです。パウエル議長との個人的な会話で金融政策の議論に加わる機会を得たことで、これらの出席者が金銭的な恩恵を受ける立場になかったのか、ポータ議員が厳しく問いただしたのに対して、首を傾げながら答えに詰まっていたパウエル議長でした。このような光景、どこかの国の国会でよく見かける光景では・・・・。良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



