「2月の米消費者マインド高水準」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は引き続き109円台後半で動意なく推移。109円70−90銭程度のレンジで取引され、連休前ということもあり取引は閑散。
- ユーロドルはドイツのGDPが予想を下回ったことで1.0828まで下落。
- 株式市場はまちまち。ナスダックとS&P500は連日で最高値を更新したが、ダウは25ドル安。
- 債券は続伸。長期金利は1.58%台へと低下。
- 金は3日続伸し、原油は4日続伸
1月小売売上高 → 0.3%
1月輸入物価指数 → 0.0%
1月鉱工業生産 → −0.3%
1月設備稼働率 → 78.6%
2月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 100.9
****************************
| ドル/円 | 109.70 〜 109.88 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0828 〜 1.0861 |
| ユーロ/円 | 118.80 〜 119.23 |
| NYダウ | −25.23 → 29,398.08ドル |
| GOLD | +7.60 → 1,586.40ドル |
| WTI | +0.63 → 52.05ドル |
| 米10年国債 | −0.032 → 1.585% |
本日の注目イベント
- 日 10−12月GDP(速報値)
- 日 12月鉱工業生産
- 米 株式、債券市場休場(プレジデンツデー)
新型コロナウイルスの余波が広がっています。今朝の経済紙は一面トップで、「世界の企業、景気回復急減速」と題して、世界の企業業績は新型コロナウイルスによる肺炎の拡大から、1−3月期は5%減速する見通しであることを報じています。また香港では、「津波のような」衝撃に直面しており、来年度の財政赤字が過去最大に膨らむ恐れがあると、香港の陳財務官は指摘していました。中国国家衛生健康委員会が17日に発表した情報によれば、新型コロナウイルの感染症例が5万8182件に増え、死者は1696人になったようです。米国は「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客を帰国させるため、チャーター機2機を用意し、カナダと香港もチャーター機を用意することを表明しています。
このような状況の中、中国の劉財務相は追加の景気刺激策を実施する方針を示しました。財務相は、「企業支援に向けて的を絞った、段階的な税、費用の削減措置を継続していく」と説明し、その上で、「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」と述べ、一部の地域で経済分野の成長が新型コロナウイルスの影響を受けていることに対処する考えを示しました。(ブルームバーグ)中国では自動車メーカーの業績への影響が特に厳しく、1月の中国での新車販売は前年同月比18%減少したとの報告もあります。
先週末に発表された米経済指標は強弱まちまちでしたが、2月のミシガン大学消費者マインドは、ほぼ2年ぶりの高水準でした。市場予想の「99.5」に対して「100.9」と予想を上回り、特に期待指数は「92.6」と足元の景気拡大局面では2番目の高さとなっています。ブルームバーグではその背景を、「記録的な低失業率と着実な賃金増を背景に、消費者マインドが改善。家計の財務動向と経済の見通しに対する見方が明るくなったことが影響している」と分析しています。米国ではボーイング737MAXの生産停止や新型肺炎の流行という逆風の中でも、経済成長は続くという見方が優勢のようです。
ユーロドルは域内の景気減速を織り込む格好でじりじりと値を下げており、先週末のNY市場では、1.0828までユーロ安が進ましたが、ドル円は、ユーロドルでのドル高の影響から大きく円高は進まないものの、110円手前での足踏み状態が続いています。ユーロドルは下げ、ドル円が上昇しないことで、ユーロ円は118円台後半と、昨年10月以来となるユーロ安を記録しています。新型コロナウイルスの感染が広がって来た日本では景気への影響も懸念され始め、東京を「日本の武漢」と呼ぶような動きもあるようです。新型コロナウイルスの感染拡大が日本でさらに広まれば、「リスク回避の円買い」が進む可能性がありますが、感染拡大は日本の景気の足を引っ張ることにもなり、GDPの下押し要因にもなります。果たして素直に円を買うことが正しいのかどうかという見方もできます。本日のドル円は109円50銭〜110円程度を予想しますが、本日は米国が祝日ということもあり、中国からコロナウイルスの感染に関する特別な情報でもない限り、引き続き緩やかな動きが予想されます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



