「日本の4QGDPマイナス成長に」
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場- NY市場が休場のため、ドル円は動きが少なかったが小幅に上昇。109円96銭までドルが買われた。
- ユーロドルは小幅に反発。1.08台半ばまでユーロの買い戻しが進む。ユーロ円も終始119円台で推移。
| ドル/円 | 109.82 〜 109.96 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0829 〜 1.0851 |
| ユーロ/円 | 119.01 〜 119.19 |
| NYダウ | ------- → 29,398.08ドル |
| GOLD | ------- → 1,586.40ドル |
| WTI | ------- → 52.05ドル |
| 米10年国債 | ------- → 1.585% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
- 独 独2月ZEW景気期待指数
- 英 英1月失業率
- 米 2月NAHB住宅市場指数
- 米 2月NY連銀製造業景況指数
消費税引き上げに台風、さらには暖冬と、これらの影響をもろに受け、昨日発表された日本の10−12月期GDPは年換算でマイナス6.3%と、市場予想よりもマイナス幅を拡大させていました。マイナス成長は予想されていましたが、今回の大幅なマイナス成長は昨年10月からの消費税増税の影響が大きかったとは言えません。政府は、軽減税率の導入やキャッシュレス還元など、消費税増税後の反動を想定した施策を実施しており、個人消費のマイナス幅は前回の消費税増税時の「4.8%」に対して今回は「2.9%」と、小幅に留まっていました。上記施策は一定の効果をあげたと考えられます。
問題は、今年の1−3月期です。消費回復が見込まれていましたが、暖冬に加え、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく出てきそうです。一部にはすでに2期連続のマイナス成長を予想する向きもあるようですが、政府が「不要不急の外出を控えるように」と国民に訴えていることで、多くのイベントの中止を余儀なくされ、個人消費が抑制されそうです。昨日東京都は、3月1日に行われる「東京マラソン」の一般参加を中止するという「苦渋の決断」を発表しました。知人も楽しみにしていた東京ドームで毎年開催される「蘭展」をキャンセルしたとのメールをもらいました。「人が多く集まるところには極力行かない。」ということでしたが、このような行動が個人消費の下振れにつながることは間違いありません。野村証券でも、全国の本支店で開催予定だった「個人向けセミナー」の中止を決めています。新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで続くかにも大きく影響されますが、2期連続のマイナス成長もないとは言えません。
新型コロナウイルスは日本での感染拡大が目立ってきました。昨日の夜もこのニュース一色でした。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で、新たに99人の感染が確認され、同船で業務にあたっていた厚労省の職員の感染もありました。また感染経路を特定できない感染者も5人程いるようで、今後爆発的に感染者が増えることも否定できないとする専門家の声もあります。中国でも来月5日に予定されている「全人代」の延期を検討しているようで、もし延期されれば、数十年ぶりの延期ということになるようです。一方で、新たな感染例が12日連続で報告されていないマカオでは、政府が20日のカジノの営業再開を認めたとの報道もあります。また中国科学技術省生物センターは17日、北京での記者会見で、新型コロナウイルスに抗マラリア薬「リン酸クロロキン」が有効であるとの見解を明らかにした。(ブルームバーグ)との報道もあります。今しばらく拡大ペースの推移を見守るしかありません。
ドル円はNY市場が休みのため目立った動きはなかったものの、ジリ高の展開でした。109円96銭までドルが買われ、再び110円を試そうとしている動きのようにも見えます。もっとも、正念場はこの水準から110円30銭近辺までです。まだトレンドはニュートラルと見られますが、新型コロナウイルスの感染拡大や株安といった悪材料の割に健闘しているのも事実です。本日のドル円は109円60銭〜110円10銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



