「ユーロドル約3年ぶりの安値に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間に109円65銭前後まで売られたが、NYでは109円94銭まで反発。ユーロドルでドル高が進んだ影響がドル円にも波及したと見られる。
- ユーロドルは続落。一時は1.0785までユーロ安が進み、2017年4月以来となる水準を記録。
- 株式市場は新型コロナウイルスの影響やアップルが売上高予想が達成できないと発表したことを受け下落。ダウは165ドル下落したが、ナスダックは小幅高。
- 債券相場は続伸。長期金利は1.55%台に低下。
- 金はリスク回避の流れから大幅に続伸し、引け値では2013年以来となる1600ドル台に。原油は変わらず。
2月NAHB住宅市場指数 → 74
2月NY連銀製造業景況指数 → 12.9
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| ドル/円 | 109.74 〜 109.94 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0785 〜 1.0826 |
| ユーロ/円 | 118.45 〜 118.80 |
| NYダウ | −165.89 → 29,232.19ドル |
| GOLD | 17.20 → 1,603.10ドル |
| WTI | ±0 → 52.05ドル |
| 米10年国債 | −0.027 → 1.558% |
本日の注目イベント
- 日 1月貿易収支
- トルコ トルコ中銀政策金利発表
- 英 英1月消費者物価指数
- 米 1月住宅着工件数
- 米 1月建設許可件数
- 米 1月生産者物価指数
- 米 FOMC議事録(1月28−29日分)
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- 加 カナダ1月消費者物価指数
中国発の新型コロナウイルスの感染拡大がグローバル企業の業績にも影響を与え始めてきました。昨日の朝方、米アップルが新型コロナウイルスの影響で、1−3月期の売上高が予想に届かないことを発表しました。中国での生産が落ち込むことに加え、中国での需要も減少し、「供給」と「需要」の両方で苦戦しているようです。この発表を受け、昨日の東京株式市場ではハイテク株を中心に日経平均株価は大きく売られ、一時は400円に近いマイナスに沈みました。アップルに部品を供給しているハイテク企業の売りが加速し、ドル円もその動きに連動して、109円65銭近辺まで売られました。ただドル円の下落は限定的で、その後の海外市場では109円後半まで値を戻しています。
2月のNY連銀製造業景況指数が好調でした。1月は「4.8」でしたが、今回は「12.9」と、2017年9月以来の高水準です。特に新規受注と出荷は高水準で、ISM製造業景況指数と比べるとやや傾向が異なります。ISM製造業景況指数の方も底入れ感を示し、1月は節目の「50」を超えては来ましたが、まだ拡大傾向に移行したとは判断できません。今後米国でも新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出て来る可能性はあると見られます。
昨日は米地区連銀総裁の講演が多くありましたが、ダラス連銀のカプラン総裁は、新型コロナウイルスのリスクがあるものの、金融政策はおおむね適切で、2020年末まで現行の政策金利が据え置かれる可能性が高いとの認識を示しました。同総裁は、「成長は引き続き低迷する可能性が高いが、貿易を巡る不確実性がある程度落ち着くため、安定化の兆しを示すだろう」と述べ、新型コロナウイルスの流行は、「中国の成長鈍化、および世界経済成長への下振れリスクを意味する可能性が高い」ものの、「ウイルスが世界の経済に及ぼす最終的な影響を自信をもって予測するのは時期尚早」と語っています。カプラン総裁は今年のFOMCでの投票権を有しています。(ブルームバーグ)
コロナウイルスの感染の広がりはいまだに阻止できない状態ですが、日本での拡大が世界から厳しい眼で見られています。すでに国内での感染症例は500を大きく超えています。感染者の感染経路を特定できないケースも増えており、人から人への感染が広がり、今後爆発的に感染者が増える恐れもあります。そのため、株式市場ではデパートや物量、交通など、コロナウイルスの感染によって影響が出るであろうセクターの株が大きく売られています。まさに「不要不急」の外出は避け、感染リスクから身を守る行動が求められます。「対岸の火事がいつの間にか、身近に迫って来ている」といった印象です。
本日のドル円は109円50銭〜110円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



