今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利過去最低を更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • この日も金利は低下し、株価も大幅に下げたことで円への需要が高まり、ドル安円高が進む。一時は109円89銭までドルが売られたが、110円台に戻して取引きを終える。
  • ユーロドルは上昇したが、1.08台後半で上げ止まる。ユーロ円は119円台半ばまで下落。
  • 株式市場は大幅続落。米疾病対策センター(CDC)が国民に国内での感染拡大に備えるよう注意を促したこともあり、リスク回避の動きが強まった。ダウは879ドル安で、2万7000ドル割れ目前まで下落。
  • 債券相場は続伸。10年債利回りは一段と低下し、一時は1.30%台と、過去最低水準を更新。
  • 金は9日ぶりに反落。利益確定の売りが優勢に。原油は続落し50ドルを割り込む。
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12月ケース・シラ−住宅価格指数 → 2.9%
12月FHFA住宅価格指数 → 0.6%
2月消費者信頼感指数 → 130.7
2月リッチモンド連銀製造業指数 → −2
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ドル/円 109.89 〜 110.67
ユーロ/ドル 1.0832 〜 1.0890
ユーロ/円 119.41 〜 119.94
NYダウ −879.44 → 27,081.36ドル
GOLD −26.60 → 1,650.00ドル
WTI −1.53 → 49.90ドル
米10年国債 −0.022 → 1.349%

本日の注目イベント

  • 米 1月新築住宅販売件数

世界同時株安が止まりません。昨日のNY株式市場では、ダウが879ドル下げ、これで2日間で1900ドルを超える下げを見せ、今年に入って順調に上昇していたダウは、今年の上昇分を全て吐き出したことになります。また、一時は1万ポイントの大台も射程圏内にあったナスダックも、9000ポイントの大台を割り込んで来ました。これまで上昇分が大きかっただけに下げも大きくなっています。「山高ければ谷深し」という格言が思い起こされます。

昨日の大幅株安のきっかけは、米疾病対策センター(CDC)が国民に対して、「国内での新型コロナウイルス流行に備えるよう」注意喚起を促したことが挙げられます。アジア圏に留まっていた感染が、イタリアなどでも感染が拡大したことで、距離的に離れていることから米国は安全と見られていただけに、CDCによる注意喚起は投資家の新型コロナウイルスに対するリスクを意識させたようです。一方で、トランプ大統領は新型コロナウイルスの感染拡大について、「わが国では極めてうまく制御されている」と述べており、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、「CDCの警告は緊急時の計画に過ぎない。必ずしもそうなるわけではない」と、CDCの警告を和らげる発言をおこなっています。(ブルームバーグ)

投資家がリスクに対する構えを強めたことで、資金は株から債券に流れています。連日上昇している米債券は昨日も大きく買われ、10年債利回りは一時1.305%まで低下し、過去最低水準を更新しました。引け値では1.34%台まで戻していますが、長期金利の低下に伴ってドル円も再び大きく売られ、一時は110円を割り込んでいます。今回の混乱でもドル円のレンジは110−112円程度と予想していましたが、米長期金利同様、相場は常に「オーバーシュート」が付きもののようです。そして「買われすぎたものは下げる」のも、相場の常です。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大でも、WHO(世界保健機関)はまだ「パンデミック」という言葉を使ってはいません。対応が後手に回っているとの印象もありますが、発生源とみられる中国、武漢の封鎖を解除したと思ったら、すぐに再封鎖するなど、中国の対応も同じです。ポンペオ米国務長官は新型コロナウイルスに対する中国とイランの姿勢を批判し、「発生当初に情報拡散を抑制したことが、事態を悪化させた可能性がある」と指摘しています。

日本でも感染拡大が止まりません。この影響は企業業績だけではなく、昨日はJリーグが試合延期を決めるなど、スポーツ界にも波及して来ました。早朝のNYからの報告では、株価の下げもそろそろ終息に向うとの意見もありました。個人的にも同感ですが、まだ感染のピークは見えていません。引き続き慎重な投資姿勢を維持する必要があります。

ドル円は連日値幅も大きく、ボラティリティーも戻った感じがします。好調な米経済データにどのような変化が表れるのかに注視しています。米国では日本ほど外出を控えるような行動は見られないと思われますが、昨日の消費者マインドのように、株価の大幅下落は消費者心理を下押しすることになります。GDPの7割を個人消費が占める米国では、消費行動が極めて需要なファクターになります。本日のドル円は109円80銭〜110円80銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/24 メスター・クリーブランド連銀 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 --------
2/22 G20(リヤド、サウジアラビア) 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 --------
2/19 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 --------
2/16 劉・中国財務相 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 --------
2/11 パウエル・FRB議長 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) --------
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
1/23 ラガルド・ECB総裁 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 --------
1/17 トランプ大統領 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 --------
1/15 トランプ大統領 (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 --------
1/13 ローゼングレン:ボストン連銀総裁 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 --------
1/13 ボステック:アトランタ連銀総裁 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 --------
1/8 ザリフ・イラン外相 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和