「コロナウイルス感染中南米へも広がる」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は110円台で推移し、110円70銭まで上昇したがブラジルでもコロナウイルスの感染が確認されたとの報道に、110円17銭まで下落する場面も。
- ユーロドルは小幅に続伸。1.0900までユーロの買い戻しが進んだが小幅な値動きに。
- 朝方はプラスで始まった株式市場は、南米ブラジルでの感染が確認されたことで下落。ナスダックはプラスで取引きを終えたものの、ダウは123ドル安と5日続落。
- 債券相場はこの日も堅調に推移。引け値では最低水準を更新する1.33%台に。
- 金は利益確定の売りに押され続落。原油も大幅に続落し、約1年ぶりの安値となる48ドル台に。
1月新築住宅販売件数 → 76.4万件
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| ドル/円 | 110.17 〜 110.70 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0855 〜 1.0900 |
| ユーロ/円 | 119.93 〜 120.15 |
| NYダウ | −123.77 → 26,957.59ドル |
| GOLD | −6.90 → 1,643.10ドル |
| WTI | −1.17 → 48.73ドル |
| 米10年国債 | −0.015 → 1.337% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏1月マネーサプライ
- 欧 ユーロ圏2月景況感指数
- 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感指数(速報値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月耐久財受注
- 米 10−12月GDP(改定値)
- 米 1月中古住宅販売件数成約指数
トランプ大統領は本日日本時間8時半からホワイトハウスで、新型コロナウイルスに関するコメントを行うようです。事前の予想では、報道機関は新型コロナウイルスを「できるだけ悪いもの」に見せるため「可能な限りのことをしている」と自身のツイートで指摘していることから、報道機関への不満を述べるとともに、新型コロナウイルスへの対策を発表するのではないかと見られています。
前日109円89銭まで売られたドル円は、昨日の朝方、日本株の大幅続落にも堅調に推移し、おおむね110円台半ばでの取引に終始しました。その後の海外市場でも110円70銭までドル高に振れる場面もあり、南中米で初の新型コロナウイルスの感染が確認されたとの報道にドルが売られる場面がありましたが、110円台は維持しています。やはり日本での感染拡大や、その対応について海外の投資家が懐疑的な見方をしていることから、安全通貨の円の「神通力」も弱まっているものと見られます。今朝のブルームバーグ・ニュースでも、バンク・オブ・NY・メロンの為替担当者の意見として、「短期的にはドルと円が最大の避難先としての立場を競って譲らない状態にあるが、新型ウイルスが日本経済を脅かすことを踏まえれば、逃避先としての円の妙味は限定される可能性もある。日本は貿易業や観光を通じてウイルスの影響を受けやすい。東京五輪の開催に支障が出れば、円の上値は抑えられ、少なくとも逃避先通貨としてのドルの魅力は維持されるだろう」との見方を紹介しています。
一方で米国でも感染がじわじわと広がっており、FDA(米食品医薬品局)の高官はインタビューで、「どう見てもパンデミックの瀬戸際にあると言っていいだろう」と発言し、「それが間違いなく起きるかと言えばノーだが、重大な懸念がある」と述べています。昨日は、新たにパキスタンやブラジルでも新型コロナウイルスの感染が確認され、中南米での感染確認は初めてのことになります。またイタリアやイランでも感染者が増えており、韓国では、中国以外では初となる感染者数が1000人を超えています。日本でも北海道で感染者数が増加し、死者の数も7人に達しています。また当社のある東京丸の内でもすぐそばの「新丸ビル」で感染が確認されました。いたずらに怯える必要はありませんが、自分の身は自分で守るしかありません。一つの「朗報」になるのかどうか分かりませんが、昨日の中国では湖北省以外での死者はゼロで、これは感染が拡大して以来、初めてのことのようです。
やや先の話ですが、来月には日米欧で金融政策会合があります。今回の新型コロナウイルスの影響で、米国でもアップルやマイクロソフトなどが業績見通しを引き下げています。米企業への影響が避けられないとすれば、次回FOMCでの利下げもないと言えません。少なくとも、当局者は利下げに前向きなスタンスに姿勢を変更してくる可能性は高いと思われます。また、日銀にはさらに緩和姿勢を強めるプレッシャーがかかります。今週で2月も終わりますが、今がピークであることを願いたいと思います。
本日はほぼ新型コロナウイルスに関するコメントに終始してしまいましたが、一番混乱している株式市場が落ち着くことが重要です。恐怖指数の「VIX指数」も、危険水域の「20」を超え、2018年12月以来となる「28」に近づいています。本日のドル円レンジは110円〜111円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/24 | メスター・クリーブランド連銀 | 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 | -------- |
| 2/22 | G20(リヤド、サウジアラビア) | 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 | -------- |
| 2/19 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 | -------- |
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



