今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ1190ドル下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は米長期金利の低下を材料に109円55銭まで下落。円を買う動きは鈍いものの、リスク回避の流れが一段と加速し、ドル円を押し下げた。
  • ユーロドルでもドル安が進み、3週間ぶりに1.10台を回復。
  • 株式市場は下げ止まらず、ダウは1100ドルを超える下げを記録。カリフォルニア州知事が、アジアを訪問した8400人を監視中だと発表したことで引け際に下げ幅を拡大。
  • 債券はこの日も買われ、長期金利は連日で過去最低を更新。1.26%台まで下げて取引を終える。
  • 金は小幅に続落。原油価格も下げ止まらず、前日比1ドル64セント下げ、47ドル台に。
*********************
新規失業保険申請件数 → 21.9万件
1月耐久財受注 → −0.2%
10−12月GDP(改定値) → 2.1%
1月中古住宅販売件数成約指数 → 5.2%
*********************
ドル/円 109.55 〜 110.34
ユーロ/ドル 1.0959 〜 1.1006
ユーロ/円 120.34 〜 120.92
NYダウ −1190.95 → 25,766.64ドル
GOLD −0.61 → 1,642.50ドル
WTI −1.64 → 47.09ドル
米10年国債 −0.068 → 1.269%

本日の注目イベント

  • 日 2月東京都区部消費者物価指数
  • 日 1月失業率
  • 日 1月鉱工業生産
  • 独 独2月失業率
  • 独 独2月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
  • 米 1月個人所得
  • 米 1月個人支出
  • 米 1月PCEコアデフレータ
  • 米 2月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
  • 加 カナダ2月GDP

米国株が下げ止まりません。特に昨日の動きは日中に大きく下げたものの、その後下げ幅を縮小しましたが、最後の大引けにかけて急落し、結局、前日比1190ドルの大幅下落で取引を終えました。カリフォルニア州知事が、アジアを訪問し新型コロナウイルスにさらされた可能性のある8400人を監視中だと発表したことが株価を押し下げました。昨日ホワイトハウスでトランプ大統領が「どのような事態にも完璧に準備ができている」と述べ、「米国民へのリスクは依然非常に低い」と発言したその日に、西海岸で行われた州知事の発表は驚きだったようです。サンフランシスコ市は「非常事態宣言」を出しています。

また新型コロナウイルスを巡り、米疾病対策センター(CDC)は27日、検査対象を大幅に拡大する「新たな指針」を発表しています。ブルームバーグによると、中国、イラン、イタリア、日本、韓国に過去14日以内に滞在し、呼吸器に異常がある人を検査するとしています。また、原因不明で、深刻な症状がある人も対象になるようです。対象国には「日本」も入っています。新型コロナウイルスの感染が中国以外で拡大しており、中国以外で新たに確認された新型コロナウイルス感染者数が中国国内を2日連続で上回っています。

金融市場の混乱は日増しに拡大してきました。投資家がリスク回避の姿勢をさらに強め、リスク資産の売却を加速させています。安全資産の代表格である米国債は昨日も買われ、長期金利は連日で過去最低を更新し、昨日は1.26%台まで低下しています。金利先物市場でも、来月18日に開催されるFOMCでの「利下げ」を織り込む動きが強まり、足元の利下げ確率は90%を超えてきました。個人的には3月の利下げはないと予想していましたが、株式市場の想定外の混乱で、FRBは動かざるを得ない状況に追い込まれた格好です。

金利低下に呼応する形でドル円もじわじわと下げ、今朝方には109円33銭前後までドル安が進みました。この水準は、日足でも週足でも「雲の上限」にあたり、現時点では下げ止まっています。この水準を下抜けするようだと、これまでの上昇局面が終わった可能性が高く、ドル円は再び昨年秋口から長い間続いた108−110円のレンジに戻ると予想されます。先週、一時は1.07台半ばまで売られたユーロドルもこのドル安局面から、昨日は1.1台を回復してきました。中国での感染拡大ペースがやや鈍化してきた一方、世界規模で感染が拡大しており、まだまだ予断を許しません。本日も日本株がどこまで下げるのかが焦点ですが、ドル円のレンジは109円〜110円といったところでしょうか。

=========

新型コロナウイルスの影響で世界の金融市場が混乱しています。米株式市場ではダウ平均株価が6日続落し、直近高値からの下落幅は3785ドルに達しました。通常、直近高値から10%下落すると「調整入りした」と言われますが、ダウは高値から12.8%下げました。ナスダック指数も高値から12.7%、S&P500も12.0%下げて、いずれも「調整局面」に入ったと考えられます。ナスダックとS&P500が最後に史上最高値を更新したのは今月19日のことで、わずか9日前です。ここ9日間で市場のセンチメントは大きく変わったことになります。NY証券取引所の場立ちからは、「天国から地獄だ」といった言葉も聞かれました。米国株は、「ブラック・マンデー」「9.11」「リーマン・ショック」「チャイナ・ショック」など、数々の試練を乗超えて来た歴史があります。そのため、「大きく下げたら絶好の買い場」という歴史の教訓が今でも生きています。今回の「新型コロナウイルス・ショック」も、のちのち「絶好の買い場だった」ということになるのでしょうか・・・・? 良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/24 メスター・クリーブランド連銀 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 --------
2/22 G20(リヤド、サウジアラビア) 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 --------
2/19 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 --------
2/16 劉・中国財務相 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 --------
2/11 パウエル・FRB議長 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) --------
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
1/23 ラガルド・ECB総裁 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 --------
1/17 トランプ大統領 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 --------
1/15 トランプ大統領 (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 --------
1/13 ローゼングレン:ボストン連銀総裁 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 --------
1/13 ボステック:アトランタ連銀総裁 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 --------
1/8 ザリフ・イラン外相 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和