「NYダウ過去最大の上げ幅を記録」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間に108円台を回復したドル円は、NYでは朝方に売られ107円40銭まで押し戻される。その後は株価の上昇と主要7カ国(G7)電話会議の報道から108円台半ばまで上昇。
- ユーロドルも徐々に値を上げ、1.1185まで上昇。約2カ月ぶりのユーロ高水準まで買い戻しが進む。
- 株式市場は急反発。主要7カ国(G7)が3日にも電話会議を開催するとの報道や、アジアで株価が反発したことを手掛かりに、買い戻しが活発に。ダウは1293ドル上げ、引け際に一気に上昇幅を拡大。
- 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.15%近辺で推移。
- 金と原油も大幅に反発。
2月ISM製造業景況指数 → 50.1
2月マークイット製造業PMI → 50.7
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| ドル/円 | 107.40 〜 108.48 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1108 〜 1.1185 |
| ユーロ/円 | 119.57 〜 120.75 |
| NYダウ | +1,293.96 → 26,703.32ドル |
| GOLD | +28.10 → 1,594.80ドル |
| WTI | +1.99 → 46.75ドル |
| 米10年国債 | ±0 → 1.149% |
本日の注目イベント
- 日 2月マネタリーベース
- 豪 豪1月住宅建設許可件数
- 豪 豪10−12月期経常収支
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数
- 欧 ユーロ圏1月生産者物価指数
- 米 2月自動車販売台数
- 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 米大統領選スーパーチューズデー
これで「負の連鎖」が断ち切れるのか・・・・?米国株は急反発し、世界的な株価の下落にいったん歯止めがかかりました。NYダウの上昇は1000ドルを超え、1293ドル高で取引を終えました。急反発の直接のきっかけは、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁が3日に電話会談を開催し、世界経済に脅威を与えている新型コロナウイルスへの対応を協議するとの報道でした。日米英の中銀は必要に応じて景気刺激策を打ち出すことを表明しています。
昨日のNYダウの大幅上昇には伏線もありました。先週土曜日の「中国PMIショック」を受けて、昨日の朝、日経平均株価は300円程マイナスで始まり、ドル円もオセアニア市場では片足106円台に突っ込みました。その後黒田日銀総裁の談話が発表され、「潤沢な資金供給と市場の安定確保に努める」とのコメントを残したことで、ドル円は108円台を回復し、株価も200円を超えるプラスで引けました。東京市場が「ゲーム・チェンジャー」になることはそうはありませんが、NY市場にそれなりの好影響を与えたという意味では良い展開でした。問題は、これで株価が徐々に反転に向うのかどうかという点です。株価の動きが元の巡航速度に戻るようなら、ドル円も再び108−110円のレンジに戻ると思われますが、事態はそれほど簡単ではないと思われます。米長期金利と「VIX指数」の動きが、それを物語っています。
昨日はS&P500も大きく値を戻したこともあり、「VIX指数」も低下しましたが、現時点では「33.4」前後にあります。まだ危険水域と言われている「20」を大きく超えているのが実情です。また、米10年債利回りも前日からそれほど上昇してはいません。まだ安全資産の債券を手放す動きにはなっていないことを表しています。ドル円も同じように、米国株の大幅反発の割には上値が限定的でした。結局、先物主導で大きく売り込まれた米国株が、ショートカバーで買い戻されたに過ぎないということと思われます。米国を始め、主要中銀は政策金利を引き下げると思いますが、それと新型コロナウイルスの感染拡大とは別の話だということです。米国では昨日、ワシントン州で新たに4人が死亡しており、これで米国内では計6人の死者が出ています。米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長はNBCニュースのインタビューで、「新型コロナウイルスの脅威が今や流行の規模に達し、恐らくパンデミック規模になっている」との見解を示しました。(ブルームバーグ)
本日は米国株の大幅上昇を受けて、日本株がどこまで上値を伸ばせるのかが注目されます。日経平均株価が1000円を超えれば、ドル円も109円に迫る場面もあるかもしれませんが、そこまでの反発は期待薄かと思います。米国では大統領選の序盤のヤマ場である「スーパー・チューズデー」です。昨日民主党の大統領候補の一人であるブティジェッジ氏が撤退を決めました。これで同党の候補者は3人に絞られたようです。トップを走るサンダース氏を、出遅れたバイデン氏が猛追しているようですが、今日は14州で予備選が行われ、その中にはカリフォルニア州など「大票田」が含まれており、今日だけで代議員の3分の1が決まります。「スーパー・チューズデー」から参戦する戦略をとったブルームバーグ前NY市長も登場することから、非常に注目されます。本日の結果が民主党の候補者選びだけではなく、今後の大統領選に大きな影響を与えることになります。本日のドル円は107円80銭〜108円90銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 2/24 | メスター・クリーブランド連銀 | 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 | -------- |
| 2/22 | G20(リヤド、サウジアラビア) | 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 | -------- |
| 2/19 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 | -------- |
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
| 1/23 | ラガルド・ECB総裁 | 「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」 | -------- |
| 1/17 | トランプ大統領 | 「イランのいわゆる『最高指導』は最近あまり最高ではなく、米国と欧州に関して幾つかの不快な発意をした。イランの経済は崩壊しつつあり、国民は苦しんでいる」、「彼は、言葉に十分気を付けるべきだ」 | -------- |
| 1/15 | トランプ大統領 | (署名を終え)「非常に重要で特別な機会だ。これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」 | -------- |
| 1/13 | ローゼングレン:ボストン連銀総裁 | 「インフレ高進と金融不安定化のリスクに注視するが、これらのリスクが抑制され続ければ、今年も良好な経済的成果が得られるというのが、私の見方だ」 | -------- |
| 1/13 | ボステック:アトランタ連銀総裁 | 「景気を刺激したり減速させたりする必要はあまりない。私見では、経済の成り行きを静観し、いずれかの方向への次の動きに備える」 | -------- |
| 1/8 | ザリフ・イラン外相 | 「国連憲法51条の下で自衛のための相応の対応を実行、完遂した。われわれはエスカレートや戦争を求めていないが、いかなる武力攻撃に対しても自衛する。」イラクの米軍駐留基地を攻撃後に。 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



