「NYダウ10%下げ、2万1000ドル台に」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は大きな値幅を伴い乱高下。ECBの理事会後、ユーロ安に引っ張られる格好で106円10銭まで上昇。
- ユーロドルはECBが債券購入と長期貸付けプログラムを決めたことでユーロ売りが広がり、1.1056まで下落。
- 株価は下げ止まらず、この日は最大級の下げに。ダウは2352ドル下げ、前日比ほぼ10%の暴落。他の主要指数も9〜10%下げる。
- 債券は利益確定の売りに押され反落。長期金利は0.80%台に。
- 金は50ドルを超える下げに。利益確定の換金売りに押される。原油は続落。
2月生産者物価指数 → −0.6%
新規失業保険申請件数 → 21.1万件
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| ドル/円 | 103.52 〜 106.10 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1056 〜 1.1302 |
| ユーロ/円 | 116.38 〜 118.33 |
| NYダウ | −2,352.60 → 21,200.62ドル |
| GOLD | −52.00 → 1,590.30ドル |
| WTI | −1.48 → 31.50ドル |
| 米10年国債 | −0.065 → 0.804% |
本日の注目イベント
- 独 独2月消費者物価指数(改定値)
- 米 2月輸入物価指数
- 米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
NYダウは前日の1400ドルを超える下げに続いて、昨日はその下げを上回る2352ドルも下げ、一気に2万1000ドル台まで売られました。NY株式市場では寄り付きから売りが殺到し、S&P500は今週2回目の「サーキットブレーカー」が発動されました。その後株価は、一旦下げ幅を縮小したようですが、引けにかけて再び下げ足を速め、結局前日比ほぼ10%下げ、下落幅は過去最大となりました。
為替市場も大荒れで、ECBが新型コロナウイルスの経済的影響を緩和するために金融政策パッケージを発表したことでユーロ売りが加速し、ユーロドルは1.10台半ばまで売られました。ドル円もその影響を受け、一時は106円台までドル買い・円売りが進みました。昨日の昼前には103円割れ目前の水準までドルが売られ、結局昨日1日だけでも3円を超える値動きになるなど、荒っぽい動きが続いています。ECBは昨日の理事会で、債券購入および銀行への長期貸し付けプログラムを拡大する一方、政策金利は据え置いています。ラガルドECB総裁は世界の成長見通しに対して「重大なショックが生じている」と述べ、流動性を確保するため「包括的なパッケージ」を打ち出したと説明しています。(ブルームバーグ)
筆者も長い間金融市場にかかわってきたため、為替だけではなく株式、債券にも目を凝らしてきました。今週の世界同時株安はすでに「リーマンショック」を超える動きになっています。金融市場の中でも特に株式市場の下げがきついことから、昨日は金も利益確定の換金売りに押され、50ドルを超える下げに見舞われています。株式の損を、利益が出ているもので埋めるといった行動です。ドル円が106円台まで買われたり、リスクオフの局面にも拘わらず、債券が売られたのも、その一環かもしれません。市場はパニック状態に陥っていると言えます。本日もNY株の暴落から日本株の大幅下落は避けられない状況です。日経平均先物は1万6800円台まで売られ、これは2016年11月以来の低水準です。このままだと、本日の日経平均株価は1500円から2000円も下げることになります。
市場に流動性を供給するだけではこの混乱は収まりそうもありません。今こそ政府は政治主導でリーダーシップを発揮し、市場にサプライズを与える政策を取るべきです。来週は日米で金融政策会合が開かれます。FRBは大幅な追加利下げに動くことはほぼ間違いないところでしょうが、焦点は日銀の次の一手です。マイナス金利の深堀りや量的緩和の拡大だけといった金融政策だけでは今回の混乱を止められないと思われ、まずは投資家に安心感を与える政策が必要です。今度の土日で、サプライズの対策が出て来ることを期待したいと思います。新型コロナウイルスの感染拡大により、人の動きが止まり、その上に急激な円高と株安が進行しています。「令和恐慌」だけは避けたいものです。ドル円は動きが荒っぽく、上も下も想定を超える水準まで動く可能性があります。ここは出来るだけリスクを取らずに、落ち着くのを待つしかありません。基本的にはドルの反発局面でのショートが有効かと思いますが、その水準を探すのが非常に困難な状況です。本日はレンジ予想も「なし」にしたいと思います。
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マスクにトイレットペーパー、ティッシュから缶詰、カップ麺にいたるまで、スーパーでは棚から物がどんどんなくなっています。心理学者によれば、物事をコントロールできると感じることは人間の基本的なニーズだそうです。感染性が高く、時には死に至る伝染病の流行は、コントロールという感覚を根本的に奪い、「人間の心理というのは、こうゆう状況に対処できるように出来ていない。その結果、多くの人が不安感という点で事態をもっと悪くしてしまいます」と、英オックスフォード大学の心理学の教授は語っているそうです。(ブルームバーグ)「なくなることはないはず・・」そう考えている人も、周りの多くの人が買っていると、「念のために買っておこうか・・」といった心理が働くようです。「合理的な行動をする人でも、パニック買いに走る」深層心理の一端です。良い週末を・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/9 | テドロス・WHO事務局長 | 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 | -------- |
| 3/5 | ゲオルギエワ・IMF専務理事 | 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 | -------- |
| 3/3 | パウエル・FRB議長 | 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 | -------- |
| 3/2 | ラガルド・ECB総裁 | ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 | -------- |
| 2/24 | メスター・クリーブランド連銀 | 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 | -------- |
| 2/22 | G20(リヤド、サウジアラビア) | 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 | -------- |
| 2/19 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 | -------- |
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



