今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「NYダウ2万ドル割れ後急反発」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は、トランプ政権が景気対策を検討しているとの報道に長期金利が上昇したことで反発。107円86銭までドルの買い戻しが進む。
  • ユーロドルはやや水準を切り下げ、1.0950まで下落。
  • 株式市場は朝方には売られ、ダウは一時2万ドルの大台を割り込む。その後は大規模な景気刺激策の検討が伝えられ上昇に。ダウは1000ドルを超える上昇で、主要指数も揃って大幅に反発。
  • 債券相場は大幅に反落。長期金利は大きく上昇し、1.07%台で取り引きを終える。
  • 金は大幅に反発。原油価格は5日続落し、約4年ぶりとなる26ドル台に。
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2月小売売上高 → −0.5%
2月鉱工業生産 → 0.6%
2月設備稼働率 → 77.0%
3月NAHB住宅市場指数 → 72
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ドル/円 106.71 〜 107.86
ユーロ/ドル 1.0950 〜 1.1020
ユーロ/円 117.30 〜 118.66
NYダウ +1,048.86 → 21,237.38,ドル
GOLD +39.30 → 1,525.80ドル
WTI −1.75 → 26.95ドル
米10年国債 +0.360 → 1.078%

本日の注目イベント

  • 日 2月貿易収支
  • 欧 ユーロ圏1月貿易収支
  • 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
  • 米 2月住宅着工件数
  • 米 2月建設許可件数
  • 米 パウエル議長記者会見
  • 加 カナダ2月消費者物価指数

連日1000ドルを大きく超える値動きが続くNYダウですが、こう大きな値動きが続くと、多少の値動きでは驚かなくなり、慣れてきます。昨日もダウは朝方には売られ、一時は2万ドルの大台を割り込みました。その後トランプ政権が最大1兆2000億ドル(約129兆円)規模の景気刺激策を検討したとの報道が流れ、ダウは一気に上昇し、引け値では前日比1048ドルの上昇でした。

この動きに連動する形でドル円も動いており、先週後半からのドル円は、ほぼNYダウの動きで説明できます。株価の値動きが大きいため、ドル円の値動きも大きくなっています。売り買い、どちらにエントリーするにしても水準を間違えるとすぐに損が膨らみ、ストップを入れると、すぐに執行されてしまうリスクがあります。反対に、レンジの中程であれば、売り買いどちらも遠からず戻って来るため、こまめに利益を確定すこともできそうです。いずれにしても、慎重にポジション・メイクをする必要があります。

FRBが緊急利下げを行い、ゼロ金利政策に舵を切っても株式市場の動揺が収まらず、前日は3000ドルに迫る「暴落」を見せたことで、トランプ政権は財政出動を決めたものと思います。財政規模も1兆ドルから1兆2000億ドルと、大規模な予算を計画しており、今後まだ続くと思われる新型コロナウイルスの感染による景気の底割れを防ごうというものです。ムニューシン財務長官も、国民に総額2500億ドル(約26兆8700億円)の支援金を4月に支給し、景気がなお低迷していれば5月に同額を第2弾として支給したいと考えているようです。(ブルームバーグ)米国の対応は相変わらず素早く、具体的です。

WTI原油価格の下落が止まりません。昨日も一時は26ドル79セントまで売られ、約4年1カ月ぶりの低水準です。NYダウが最高値を記録した2月12日の原油価格の引け値を見ると、51ドル17セントでした。そこから24ドル38セント下げたことになります。率にして47.6%売られたことになり、NYダウの比ではありません。OPECとロシアなど非OPECが減産合意で決裂したことに加え、サウジが過去最大の増産を表明し、「価格競争」に打って出たことが下落に拍車をかけました。

サウジのエネルギー省は17日、「サウジアラビアは原油輸出を今後数カ月間は、日量1000万バレル超に引き上げることが可能だ」と述べています。さらに価格下落に追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルスの感染感拡大です。世界で企業の生産活動が抑制され、世界景気がリセッション入りする可能性も出てきました。今後石油の使用量が減少することは目に見えており、これが投機的な動きを加速させていると見られます。すでに原油生産コストの高い米シェールオイル企業は、生産がおぼつかないとも言われています。一気に市場シェアを確保したいとするサウジの思惑通りに、原油価格がさらに下がるのか、こちらにも注目したいと思います。

ドル円は105−110円のレンジを形成しているように見えます。先週末には108円50銭まで上昇した後、103円台半ばまで5円下げて再び上昇に転じています。ちょうど真ん中が106円前後ということになり、今後もコロナ次第ということになりますが、「日足」のMACDではすでに「ゴールデン・クロス」を示しています。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/15 パウエル・FRB議長 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 --------
3/9 テドロス・WHO事務局長 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 --------
3/5 ゲオルギエワ・IMF専務理事 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 --------
3/3 パウエル・FRB議長 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 --------
3/2 ラガルド・ECB総裁 ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 --------
2/24 メスター・クリーブランド連銀 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 --------
2/22 G20(リヤド、サウジアラビア) 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 --------
2/19 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 --------
2/16 劉・中国財務相 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 --------
2/11 パウエル・FRB議長 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) --------
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和