「NYダウ2月以降で初の続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は111円台で堅調に推移。日米の株価が続伸し、債券市場も落ち着いていたことで、111円台前半から半ばで推移。
- ユーロドルはやや水準を切り上げたものの、前日とほぼ同水準でもみ合う。
- 株式市場は大規模な景気対策案が合意されるとの見方から続伸。ダウは一時1300ドルを超える上昇を見せ、2万2000ドル台に乗せたが、引けにかけてだれる。結局、前日比495ドル上げ、ナスダックは33ポイントの下げ。
- 債券相場は続落。長期金利は小幅に上昇し、0.86%台に。
- 金は利益確定の売りに押され反落。原油は3日続伸。
2月耐久財受注 → 1.2%
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| ドル/円 | 111.09 〜 111.67 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0785 〜 1.0894 |
| ユーロ/円 | 120.22 〜 121.15 |
| NYダウ | +495.64 → 21,200.55ドル |
| GOLD | −27.90 → 1,632.30ドル |
| WTI | +0.48 → 24.49ドル |
| 米10年国債 | +0.021 → 0.862% |
本日の注目イベント
- 独 独4月GFK消費者信頼感
- 英 英2月小売売上高
- 英 BOE金融政策発表
- 英 BOE総裁会見
- 英 BOE議事録
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10−12月GDP(確定値)
連日大きく下げた日米の株価が大幅に上昇に転じ、ドル円も111円台半ばから後半を伺う展開になってきました。市場の不確実性は依然として強いものの、日米では中銀による大規模な金融政策と量的緩和に加えて、ようやく財政の出動も決まりそうなことが、市場安定に寄与しているようです。米国では2兆ドル(約220兆円)という、過去最大規模の景気対策案が早ければ本日にも議会で可決する見通しで、この案には、中間・低所得層には大人1200ドル、子供500ドルを直接支給するという政策も含まれています。
ただ大統領選で、民主党候補の一人であるサンダース議員は、この法案を採決に持ち込むことを阻止する意向をツイッターで表明しています。昨日のNY株式市場で、景気対策の合意観測からダウは一時1300ドル程上昇しましたが、このサンダース議員のツイートを受け、大きく上げ幅を縮小したようです。日本の景気対策も5月をめどに、50兆円を超える見通しで、この規模はリーマンショック時のそれを超える規模になっています。しかしながらそれでも市場への影響は未知数で、まだ規模が足りないとする見方もあるようです。「金融や財政ではコロナウイルスの感染は止められない」と、当初から言われてきました。今朝の時点では、新型コロナウイルスの感染例は世界で45.1万人に迫り、死者の数は2万5000人に接近していると報告されています。東京都も昨日は小池都知事が夜8時から会見を行い、「東京都は感染爆発の重大局面にある」ことを訴えていました。昨日1日だけで感染者が41人も増え、イタリアやスペインと同じ道をたどるのでは、との危機感があるようです。まさに爆発的に感染者が増加するのか、それを食い止められるのかの「分岐点」に差しかかっていると言える状況です。
セントルイス連銀のブラード総裁はCNBCに出演し、新型コロナウイルスの感染拡大が米経済に甚大な被害を与える可能性があり、そのピークは4−6月期との認識を示しました。総裁は、「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」と述べ、「前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」と、4−6月期に失業率が30%に到達する可能性があるとした、先の発言を和らげました。(ブルームバーグ)その意味では、今夜発表される「新規失業保険申請件数」が注目されます。毎週発表されるこの指標は、長い間20〜22万件で安定的に推移してきました。リーマンショック後には、一時40万件に迫る水準にまで急増したこともありましたが、今週のそれは「桁外れの急増になる」と、ブラード総裁は語っていました。S&Pグローバル・レーティングスによると、今夜発表の数字は最大で300万件と、1982年に記録した過去最多水準の4倍になる可能性もあるとしています。(ブルームバーグ)すでに発表されたマークイットのサービス業PMIでも、市場予想を大きく下回る結果が出ています。今後発表される3、4月の経済データは、予想よりも大きく悪化したものが多く出てきそうです。そのたびに、市場はドル売りで反応する可能性もあります。ただ、ブラード総裁も述べているように、この状況は短期的に終わる可能性が高く、そのための景気対策を現在行っているところです。
ドル円は相変わらず、東京時間で売られてもNYでは反発する傾向が続いています。111円50−70銭近辺が「壁」になっている印象ですが、これは、今年のドルの最高値に接近していることと、「月足の雲」に抑えられていることが原因と考えられます。米国での新型コロナウイルスの感染がどこまで続くのかにもよりますが、個人的には112円23銭という今年のドル最高値を抜けない限り、ドル円は再び107円方向の可能性が高いと予想していますが、どうでしょう・・・・。もうしばらく相場の動きを注意深く見る必要があります。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/25 | ブラ−ド・セントルイス連銀 | 「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」「(失業率は)前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」 | -------- |
| 3/15 | パウエル・FRB議長 | 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 | -------- |
| 3/9 | テドロス・WHO事務局長 | 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 | -------- |
| 3/5 | ゲオルギエワ・IMF専務理事 | 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 | -------- |
| 3/3 | パウエル・FRB議長 | 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 | -------- |
| 3/2 | ラガルド・ECB総裁 | ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 | -------- |
| 2/24 | メスター・クリーブランド連銀 | 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 | -------- |
| 2/22 | G20(リヤド、サウジアラビア) | 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 | -------- |
| 2/19 | クラリダ・FRB副議長 | 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 | -------- |
| 2/16 | 劉・中国財務相 | 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 | -------- |
| 2/11 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) | -------- |
| 2/7 | FRB金融政策報告書 | 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 | -------- |
| 2/5 | デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 | (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 | -------- |
| 2/2 | ゲオルギエバ・IMF専務理事 | 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



