今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円107円台に急落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米国でコロナウイルスの感染が拡大していることや、経済データが景気のさらなる悪化を示したことでドル円は107円75銭まで売られる。米長期金利の急低下もドル売りに拍車をかける。
  • ドル安の流れが強まり、ユーロドルも10日ぶりに1.11台半ばまで買われる。
  • 株式市場は大幅反落。このところの上昇ペースが速かったことや、コロナウイルスの感染拡大が続いていることが株価の大幅下落につながった。ダウは4日ぶりに下落し、他の主要指数も揃って反落。
  • 債券相場は大きく買われ、長期金利は2週間ぶりとなる0.67%台まで低下。
  • 金は反落。原油は続落し21ドル台に。
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2月個人所得 → 0.6%
2月個人支出 → 0.2%
2月PCEコアデフレータ → 1.8%
3月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 89.1
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ドル/円 107.75 〜 108.90
ユーロ/ドル 1.0954 〜 1.1148
ユーロ/円 118.80 〜 120.33
NYダウ −915.39 → 21,636.78ドル
GOLD −6.20 → 1,664.10ドル
WTI −0.76 → 21.84ドル
米10年国債 −0.170 → 0.675%

本日の注目イベント

  • 独 独3月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月景況感指数
  • 欧 ユーロ圏3月消費者信頼感指数(確報値)
  • 英 英2月消費者信用残
  • 米 3月ダラス連銀製造業景況指数

米国での新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることで、先週末のNY市場では株価が再び大きく下げ、長期金利が急低下したことでドル円も大幅に売られました。それまでは、110円台半ばから111円台半ばでのもみ合いが続いていましたが、107円台までドル安が進んだことで105−110円のレンジに戻った可能性が高く、今年のドルの最高値である112円23銭を更新する可能性はやや後退しています。市場は連日新型コロナウイルスの感染状況に目を向けてはいますが、2月の経済指標や、3月、4月の速報値が発表されてきたことで投資家は、新型コロナウイルス感染の影響がどこまで景気を悪化させているのかに注目し、その結果がドルの上げ下げにもつながってきました。

昨日までの発表によると、NY州での死者は965人と、依然として拡大傾向にあります。米国全体では感染者数が12万5千人に迫り、死者数は2000人を超えています。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長によると、新型コロナ感染症による米国の死者数は20万人に達する可能性があると指摘し、「ただ、それにとらわれる必要はない。対象が余りにも流動的なため、容易に間違いとなる可能性がある」と述べています。(ブルームバーグ)ただ、日本でも東京都を中心に感染者数の増加ペースが拡大しており、スペインでも1日あたりの死者数が3日連続で最多記録を更新しています。一方で、イタリアでは新たな死者数は2日連続で減少しており、感染拡大がいち早く止まった中国では、中国に生産拠点を持つ日本の大手企業の8割が平常稼働に戻った(日経新聞)との報道があります。このように日米欧で拡大中のコロナウイルスも、うまく感染拡大を封じこめれば、中国のように正常に近い状態に戻れることは明白です。特に日本では、ここ1−2週間が爆発的な感染拡大を防ぐことが出来るかどうかの「分水嶺」と認識されています。

コロナウイルスの感染拡大により大きく冷え込んだ景気を刺激する対策案が、各国で講じられています。日本では、現金給付と追加経済対策を中心とする20年度補正予算案の編成が、今後10日程で取りまとめられ、国会に提出されるようです。規模は「リーマンショック時の経済対策を上回る」と、安倍首相は強調していましたが、米国の規模はリーマンショック時約3倍です。これまでの経済対策を合わせると2兆8000億ドル(約302兆円)と、2019年の米国GDPの約13%にあたります。米国の経済対策法案は上下院で可決し、トランプ大統領が署名を終えました。ムニューシン財務長官は、小企業向けの融資プログラムが今週中に開始されると述べ、景気対策により労働者は約3週間以内に銀行振り込みか小切手の形で支援を受けることが期待できると語っています。

ドル円は、早朝には107円台半ばまで円高が進みました。本日はNY株の大幅安と円高の影響から日本株も500−1000円程度の下げが見込まれます。新型コロナウイルスの感染拡大に、どれだけ迅速に効果的な対策を立てられるかが重要で、その結果でドル円の値位置も決まってきそうです。また上で述べたように、今後は経済データにも注目が集まります。今週末には3月の雇用統計が発表されますが、久しぶりに注目度も高く、結果次第では、かつてのそれのように大相場になる可能性があります。既に予想では、失業率が「3.8%」まで悪化すると出ており、非農業部門雇用者数に至っては、「10万人の減少」と予想されています。個人的にはさらに減少している可能性があるのではと見ていますが、因みに2月分は「27.3万人」の増加でした。予想を下回るようだと、ドルの下押し要因になる可能性がありそうです。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/26 パウエル・FRB議長 「今回の資金供給に関して、当局の弾薬が尽きるということはない。それは起こらない」 --------
3/25 ブラ−ド・セントルイス連銀 「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」「(失業率は)前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」 --------
3/15 パウエル・FRB議長 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 --------
3/9 テドロス・WHO事務局長 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 --------
3/5 ゲオルギエワ・IMF専務理事 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 --------
3/3 パウエル・FRB議長 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 --------
3/2 ラガルド・ECB総裁 ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 --------
2/24 メスター・クリーブランド連銀 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 --------
2/22 G20(リヤド、サウジアラビア) 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 --------
2/19 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 --------
2/16 劉・中国財務相 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 --------
2/11 パウエル・FRB議長 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) --------
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和