今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ADP雇用者数減少に転じる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米国でのコロナによる感染拡大が続いていることや、軟調な経済データを受けドル円は続落。一時は約2週間ぶりとなる106円93銭まで円高が進む。
  • ユーロドルは反落。1.0903までユーロ売りが進み、対円でも116円台後半まで下落。
  • 株式市場は大幅に続落。新型コロナによる影響から、経済活動停止が長期化するとの懸念からダウは973ドル安。
  • 債券相場は続伸。長期金利はさらに低下して0.58%台に。
  • 金は4日続落。原油も下落して20ドルを割り込む場面も。
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3月自動車販売台数 → 1137万台
3月ADP雇用者数 → −2万7000人
3月ISM製造業景況指数 → 49.1
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ドル/円 106.93 〜 107.61
ユーロ/ドル 1.0903 〜 1.0970
ユーロ/円 116.94 〜 117.67
NYダウ −973.65 → 20,943.51ドル
GOLD −5.20 → 1,591.40ドル
WTI −0.17 → 20.31ドル
米10年国債 −0.086 → 0.583%

本日の注目イベント

  • 日 3月マネタリーベース
  • 欧 ユーロ圏2月生産者物価指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 2月貿易収支
  • 米 2月製造業受注
  • 加 カナダ2月貿易収支

ドル円は先月18日以来となる107円割れの水準まで下落しています。一時持ち直した日米の株式市場が再び下落傾向を強め、「二番底」を探る展開になってきたことと、ドル資金に対する調達懸念が徐々に低下したことで、「とにかく今はドルを確保」するという動きが収まったことで、元のセンチメントに戻ったようです。加えて、米国での新型コロナウイルスの感染が依然として拡大しており、外出制限令リストに新たにフロリダ州とペンシルベニア州が加わりました。またNY州では、市の衛生局がコロナ感染者の約20%が44歳以下であり、世界と比べて比較的若い層が多いことのデータを発表しています。同州の死者数は2000人となり、トランプ大統領は米国内での死者数は「10万〜24万人に達する」との厳しい見方を発表し、「苦しい2週間になる」といった言葉を残しています。また米情報当局は、中国はこれまで、新型コロナウイルスの感染例、および同ウイルス感染症による死亡者数をいずれも過小報告し、流行の広がり度合いを隠ぺいしていたと結論付け、ホワイトハウスに機密報告を提出しました。(ブルームバーグ)

昨日のNYでは重要な経済指標が2つ発表され、いずれもコロナ感染の影響を受け軟調でした。3月のADP雇用者数では、民間の雇用者数が「マイナス2万7000人」と、2017年以降で初めて減少に転じました。この数字は3月の前半のみを反映しており、同月後半に見られた、より大きな人員削減の動きは含んでいません。従って予想(マイナス15万人)ほど悪化はしてはいませんでしたが、4月のそれはもろに影響を受けると予想されます。因みに、2月の同指標は「プラス18万3000人」でしたが、こちらも下方修正されています。本日は新規失業保険申請件数が発表されます。同指数は先週「328万件」と桁違いの数字が発表され、市場に衝撃を与えましたが、本日の数字も「370万件」と、さらに増加していると予想されています。今後発表される雇用統計の内容が恐ろしい気がします。

もうひとつの指標は先行指標であるISM製造業景況感指数です。同指数は「49.1」と、全体としては市場予想よりも小幅な低下でしたが、新規受注指数は「42.2」と、活動の拡大と縮小の境を示す「50.0」を大きく下回り、2009年3月以来の低水準です。また雇用指数も「43.8」と、こちらも「50.0」を大きく下回り、やはり2009年5月以来の低水準でした。非製造業景況感指数は明日(3日)発表されます。1−3月の全米での自動車販売台数も発表されましたが、各メーカーは軒並み販売台数を減らしていましたが、特に日本のメーカーの落ち込みが際立っていました。GMなど米国勢は7−10%の減少でしたが、マツダや独フォルクスワーゲン、韓国のヒュンダイなどは40%を超える減少を記録しています。三菱自動車は50%を超えています。

連日この欄で述べているように、新型コロナウイルスの感染度合いと、その経済的影響度で為替の水準が決定されています。その中でも、ドルが基軸通貨であることから、より米国の経済データの方が影響度が大きいのが実情です。日本でも感染拡大は続いており、米国の軌跡を辿っているとの指摘もあります。昨日は218人(1日午後9時時点)の新たな感染者が確認されており、日増しに増えているのが実情です。昨日の専門家会議の記者会見でも切迫感が伝わってきました。政府も「非常事態宣言」を発動するかどうかの瀬戸際に立っているようです。昨年の「貿易戦争」に続き、今度は目に見えない敵と戦っている「コロナ戦争」は非常に手ごわく、世界景気に与える影響は「貿易戦争」の比ではありません。本日は107円前後で下落が止まるかどうかです。日本株の下げにドルがどこまで売られるのかに注目していますが、引き続き慎重なトレードが求められます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/31 メスター・クリーブランド連銀総裁 「クリーブランド連銀で予想する数字(失業率)は30%ではない。だが、10%を超えることは確かで、米経済の多くの部分が休業していることを踏まえれば、合理的だ」「1−3月期と4−6月期の米経済は極めて悪い数字になると予想する。どのような数字になるかはウイルス感染状況に左右されよう」 --------
3/31 トランプ大統領 「米国の金利はゼロであり、今こそ何十年もの長きにわたり待ち望まれているインフラ法案に取り掛かる時だ」 --------
3/26 パウエル・FRB議長 「今回の資金供給に関して、当局の弾薬が尽きるということはない。それは起こらない」 --------
3/25 ブラ−ド・セントルイス連銀 「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」「(失業率は)前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」 --------
3/15 パウエル・FRB議長 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 --------
3/9 テドロス・WHO事務局長 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 --------
3/5 ゲオルギエワ・IMF専務理事 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 --------
3/3 パウエル・FRB議長 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 --------
3/2 ラガルド・ECB総裁 ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 --------
2/24 メスター・クリーブランド連銀 「現時点での経済的影響の規模を評価することは難しい」「現在の政策スタンスは適切というのが私の見解だ」 --------
2/22 G20(リヤド、サウジアラビア) 「新型コロナウイルスの最近の流行を含め、世界経済のリスク監視を強化する」「各国は政策を総動員する」 --------
2/19 クラリダ・FRB副議長 「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」 --------
2/16 劉・中国財務相 「大規模な減税や歳出削減といった措置により短期的に厳しさが増す可能性はあるが、国として中期的な視点を持ち断固たる姿勢でそうした措置を講じる必要がある」 --------
2/11 パウエル・FRB議長 「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」(議会証言で) --------
2/7 FRB金融政策報告書 「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」 --------
2/5 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁 (新型コロナウイルスについて)「当局は注視しているが、今のところ、米経済に何か重大な影響は見当たらない」「過去のウイルスや自然災害について振り返れば、一時的な影響はあろう。しかし、ウイルスの問題が克服されれば、物事は正常に戻るため、回復が見られる」 --------
2/2 ゲオルギエバ・IMF専務理事 「不確実性が多く、リスクは下向きに傾いている。中銀に2020年も金融緩和を維持するよう強く求める」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和