「ドル円2週間ぶりに107円を割り込む」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続落し、一時は約2週間ぶりとなる107円台を割り込んだが、その後値を戻し107円20−30銭で引ける。
- ユーロドルは小幅に続伸。1.09台後半までユーロ高が進む。
- 株式市場は大幅に反発。ハイテク株を中心にダウは558ドル上昇。経済活動が早期に再開するとの期待から買われたが、JPモルガンなどの金融株は下落。
- 債券相場は小幅に上昇。長期金利は0.75%台に。
- 金は続伸し、1768ドル台に。一時は1788ドル台まで買われ、2012年10月以来となる高値を記録。
- 原油は反落。在庫が増えているとの観測から20ドルを割る場面も。
3月輸入物価指数 → −1.6%
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| ドル/円 | 106.99 〜 107.44 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0955 〜 1.0986 |
| ユーロ/円 | 117.30 〜 117.81 |
| NYダウ | +558.99 → 23,949.76ドル |
| GOLD | +7.50 → 1,768.90ドル |
| WTI | −2.30 → 20.11ドル |
| 米10年国債 | −0.019 → 0.752% |
本日の注目イベント
- 豪 豪4月ウエストパック消費者信頼感指数
- 米 3月小売売上高
- 米 4月NY連銀製造業景況指数
- 米 3月鉱工業生産
- 米 3月設備稼働率
- 米 4月NAHB住宅市場指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 米 米財務省、半年次為替報告書の議会への提出期限
- 米 企業決算 → シティー・グループ、ゴールドマン、バンク・オブ・アメリカ
- 加 カナダ中銀政策金利発表
NYでは、ドル円が4月1日以来となる107円割れまで売られました。ドルに対する調達懸念がほぼ解消されたことで、ドルに対して主要通貨が買い戻され、ドル円でも円を買う動きが強まった結果です。米国では新型コロナウイルスの感染拡大が続いているものの、新たな感染者の増加ペースが鈍化しており、トランプ大統領が、来月からの経済活動の再開を宣言するのではないかといった観測も出ています。しかし、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は、経済活動を5月1日に再開するという目標は国内の大半の地域にとって「やや楽観的過ぎる」との認識を示しています。同氏はAP通信とのインタビューで、「社会的距離のガイドラインを緩和するとすれば、時宜に応じて実施していく必要がある。一度に撤廃することはない」と言明し、さらに「9月から11月にかけて再び感染拡大の波が訪れても不思議はない」と述べつつ、「それは不回避ではない」と付け加えています。(ブルームバーグ)
IMFは14日、世界経済見通しを発表しました。新型コロナウイルスの影響から、成長見通しを大幅に下方修正しました。2020年世界全体の成長率を「−3.0%」とし、今年1月時点での予想から「6.3%」も下方修正しました。これは2009年のリーマンショック後に記録したマイナス成長を下回り、大恐慌以来の大幅な落ち込みになる可能性があります。国別でも、日本は「−5.2%」、米国は「−5.9%」、英国を「−6.5%」とし、ユーロ圏については「−7.5%」と、それぞれ大幅に下方修正しています。また2021年についても、日本は「+3.0%」とプラス成長を回復するものの、ユーロ圏の「+4.7%」、米国の「+4.7%」と比べ回復力が弱く、「V字回復」には微妙な成長と見られています。ただ2021年の世界成長は「+5.8%」としたものの、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらなければ、2年連続でマイナス成長を記録する可能性もあると警告しています。IMFのチーフエコノミストは、「今回の危機は他に類を見ない。戦争や政治危機のように、衝撃の持続期間や激しさを巡る不確実性が根強い」と分析し、「より悪い結果が生じるリスクが支配的だ」と指摘しています。
「オバマ前大統領ついに沈黙を破る」・・・このようなヘッドラインで、今朝のブルームバーグはオバマ氏のビデオメッセージの内容を伝えています。民主党の大統領候補指名確実のバイデン氏に対してトランプ氏は、「なぜジョー(バイデン)は、オバマ氏から支持を受けていない。なぜ?」と、バイデン氏を揶揄していましたが、オバマ氏はこれまで、民主党候補者が選出されるまで大統領選には関与しない姿勢を貫いていたと、ブルームバーグは報じています。オバマ氏は12分間のビデオメッセージで、バイデン氏を副大統領に選んだことは「人生で最善の決断の一つだった」と振り返り、同氏が「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」と述べました。またオバマ氏は、「腐敗や軽率、自己利権の優先、虚偽の情報、無知そして思いやりの欠如に象徴される政治に抵抗し、今こそ善良な米国民が明確に目を覚まし、団結する必要がある。これを変えるためにはあらゆる政治思想の国民が政治や市民生活に関わることが必要だ」と訴えています。11月の米大統領選では「トランプ氏とバイデン氏の一騎打ち」になる公算が高いと見られていますが、コロナウイルスの影響で集会を開けず、自身の公約を訴え支持を集める機会のないバイデン氏にとって、多くの米国民からいまだに人気の高いオバマ氏からの「支持表明」は、大きな力になるはずです。
ドル円は直近のレンジの下限を割り込んできました。ただ上述のIMFの見通しでも示されたように、今後の日本の景気回復力は欧米に比べ見劣りします。また、昨日発表された「人口推計」でも、日本の人口減少は止まりません。ざっと、90万人が生まれて140万人が亡くなっていく計算です。このままでは、今後さらにこの傾向が拡大していく可能性もあり、これらは将来の「円安要因」と考えられます。ドルの底値を探る流れが優勢ですが、105−110円の大枠レンジを大きく外れる可能性は、現時点では低いと予想しています。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 4/14 | オバマ・前大統領 | (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 | -------- |
| 4/12 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 | -------- |
| 4/7 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 | -------- |
| 3/31 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「クリーブランド連銀で予想する数字(失業率)は30%ではない。だが、10%を超えることは確かで、米経済の多くの部分が休業していることを踏まえれば、合理的だ」「1−3月期と4−6月期の米経済は極めて悪い数字になると予想する。どのような数字になるかはウイルス感染状況に左右されよう」 | -------- |
| 3/31 | トランプ大統領 | 「米国の金利はゼロであり、今こそ何十年もの長きにわたり待ち望まれているインフラ法案に取り掛かる時だ」 | -------- |
| 3/26 | パウエル・FRB議長 | 「今回の資金供給に関して、当局の弾薬が尽きるということはない。それは起こらない」 | -------- |
| 3/25 | ブラ−ド・セントルイス連銀 | 「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」「(失業率は)前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」 | -------- |
| 3/15 | パウエル・FRB議長 | 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 | -------- |
| 3/9 | テドロス・WHO事務局長 | 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 | -------- |
| 3/5 | ゲオルギエワ・IMF専務理事 | 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 | -------- |
| 3/3 | パウエル・FRB議長 | 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 | -------- |
| 3/2 | ラガルド・ECB総裁 | ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



