今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油6月限一時6ドル台に」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は107円台で堅調に推移。資源価格の下落からカナダ・ドルやノルウェー・クローネなどが対ドルで売られたことがドル円にも波及。107円89銭までドルが買われる場面も。
  • ユーロドルは先週後半から続いている、1.08台でのもみ合いが続く。
  • 株式市場は大幅に続落。原油価格の下落が止まらず、ダウは631ドル安。一時は2万3000ドルの大台を割り込む。
  • 債券相場は続伸。長期金利は2週間ぶりに0.6%台を割り込む。
  • 金は反落。原油は中心取引の6月限が大幅に下落。前日マイナスに沈んだ5月限は反発して取引を終える。
ドル/円 107.37 〜 107.89
ユーロ/ドル 1.0816 〜 1.0881
ユーロ/円 116.30 〜 117.16
NYダウ −631.56 → 23,018.88ドル
GOLD −23.40 → 1,687.80ドル
WTI −8.86 → 11.57ドル
米10年国債 −0.036 → 0.569%

本日の注目イベント

  • トルコ トルコ中銀政策金利発表
  • 欧   ユーロ圏4月消費者信頼感指数(速報値)
  • 英   英3月消費者物価指数
  • 米   2月FHFA住宅価格指数
  • 米   企業決算 → AT&T、アルコア
  • 加   カナダ3月消費者物価指数

原油価格の混乱が新たな金融市場のリスクになってきました。前日、WTI原油先物市場で5月限が、最終取引日が迫ってきたことで大きく売られ、一時はマイナス40ドル台まで下落し、引け値でも初のマイナス価格になりました。さすがに取引最終日にあたる昨日は買い戻されプラスで終わりましたが、取引の中心である6月限は一時68%も下げる場面があり、売買停止措置が3回も発動されています。引け値では11ドル57セントです。このため、昨日のNY株式市場では株価が大きく下げ、長期金利も低下してきました。ドル円は107円台後半までドル高が進みましたが、これは、産油国通貨であるカナダ・ドルやノルウェー・クローネが対ドルで売られたことで、円も対ドルで連れ安したものです。ただ原油価格の下げは、米国のシェールオイル企業の経営を圧迫し、必ずしもドル高要因と見ることはできません。トランプ大統領は米国の石油・ガス産業を「落胆させることは決してしない」とツイッターで宣言し、資金面で支援する計画を策定するよう関係閣僚に指示したことを明らかにしています。(ブルームバーグ)

フロリダ州やテキサス州など、一部の州での経済活動を段階的に再開した米国では、昨日は再び感染者が増加し、今月10日以来の大幅増になったようです。また、かつては感染の封じ込めに成功した代表国と伝えられたシンガポールでは、2日連続で1日当たりの新規感染者が1000人を超えています。同国は部分的なロックダウンをさらに4週間延長し、6月1日までとしたようです。日本でも「非常事態宣言」が発令されて2週間が過ぎましたが、感染者数が目に見えて減少したとは言えません。感染者数増加の中心である東京都ではやや減少しているようには見えますが、それでも連日100人を超えています。地方に至っては明らかに増加している状況です。1週間後にはGWに突入し、「非常事態宣言」の期限である5月6日もすぐです。巷では、期限が再度延長されるのかどうかが話題になってきました。政府は、「専門家と協議して判断する」としていますが、このままでは延長されるのは避けられないと考えるのは筆者だけではないと思います。やはり、コロナとの闘いは長期戦になると腹をくくっておくべきでしょう。

連日コロナ関連のニュース一色でしたが、昨日は北朝鮮の金正恩委員長の健康に関するニュースが飛び込んできました。金委員長が心臓血管の外科手術を先週受け、その後危険な状態に陥ったという報道が流れました。その後の詳しい情報は入っていませんが、金氏の父であるキム・ジョンイル氏も70歳で亡くなっており、体形もよく似ていることを考えると、心臓に相当負担がかかっていると思われます。まだ若いということもあり、大事には至らないと思いますが、こちらの情報にも耳を傾ける必要がありそうです。万が一「重篤」との報が流れるようだと、市場は「ポスト・金正恩」を模索始めることになります。ドル円は107円台でのもみ合いが続いていますが、金融市場全体では上記原油価格の急落に伴い、再び暗雲が立ち込め始めています。日米とも株価が安定してきたことで、「VIX指数」もかなり落ち着きを見せていましたが、再び株価の下落がリスクオフ・モードを増幅しそうな気配です。リスクオフが再び強まれば、円が買われる可能性もありますが、それでも「リスクオフ=円買い」といった構図は、やや後退してきたかと思われます。「円も買われるけど、基軸通貨のドルも買われる」といったことも考えられます。日経平均のボラティリティーも上昇してきました。引き続き慎重に対応する必要があります。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
3/31 メスター・クリーブランド連銀総裁 「クリーブランド連銀で予想する数字(失業率)は30%ではない。だが、10%を超えることは確かで、米経済の多くの部分が休業していることを踏まえれば、合理的だ」「1−3月期と4−6月期の米経済は極めて悪い数字になると予想する。どのような数字になるかはウイルス感染状況に左右されよう」 --------
3/31 トランプ大統領 「米国の金利はゼロであり、今こそ何十年もの長きにわたり待ち望まれているインフラ法案に取り掛かる時だ」 --------
3/26 パウエル・FRB議長 「今回の資金供給に関して、当局の弾薬が尽きるということはない。それは起こらない」 --------
3/25 ブラ−ド・セントルイス連銀 「甚大な被害を与えるのは4−6月期となる可能性が高いが、景気は年末までに持ち直すはずだ」「(失業率は)前代未聞の数字となるだろうが、希望を失ってはいけない」 --------
3/15 パウエル・FRB議長 「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」・・・・緊急追加利下げを決めた後の会見で。 --------
3/9 テドロス・WHO事務局長 「パンデミックの脅威は非常に現実的になった」 --------
3/5 ゲオルギエワ・IMF専務理事 「新型コロナウイルスは感染が気づかれないうちに拡大しており、世界経済の見通しはより暗いシナリオに移行した」 --------
3/3 パウエル・FRB議長 「経済見通しに対する新たなリスクを前に、米経済の力強さを維持できるよう、この措置を講じた」「米金融当局に全ての解決策があるわけではなく、人的・経済的ダメージの抑制には政府や医療専門家、中銀など多方面からの対応が必要となる」 --------
3/2 ラガルド・ECB総裁 ECBは状況の進展と景気及び中期的なインフレ、金融政策効果の波及にそれが及ぼす影響を注意深く見守っているところだ。われわれは、必要かつ潜在的なリスクに見合う形で、適切で的を絞った対応策をとる用意がある」 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和