今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米4月失業率は14.7%」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 4月の雇用統計発表後、ドル円は106円25銭前後から106円75銭まで上昇。指標の悪化は織り込まれていたため、予想ほどではない結果にドル買いが優勢に。
  • ユーロドルもやや軟調に推移したものの、1.08台は維持。1.0815近辺がこの日の安値に。
  • 株式市場は雇用統計の内容にも関わらず大きく続伸。ナスダックは節目の9000台を回復し、ダウは455ドル高。
  • 債券相場は下落。長期金利は0.68%台まで上昇。
  • 金は反落し、原油は反発。
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8月失業率 → 14.7%
8月非農業部門雇用者数 → −2050万人
8月平均時給 (前月比) → 4.7%
8月平均時給 (前年比) → 7.9%
8月労働参加率 → 60.2%
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ドル/円 106.25 〜 106.75
ユーロ/ドル 1.0815 〜 1.0876
ユーロ/円 115.38 〜 115.74
NYダウ +455.43 → 24,331.32ドル
GOLD −11.90 → 1,713.90ドル
WTI +1.19 → 24.74ドル
米10年国債 +0.042 → 0.683%

本日の注目イベント

  • 中 中国4月マネーサプライ

4月の雇用統計はやはり悲惨な結果でしたが、事前に予想されていたほど悪くはなく、発表直後からドルは買われ、ドル円は106円75銭まで上昇しています。結果次第では、ドル円も大きく動くのではとの期待もありましたが、結局106円台で小動きでした。

株式市場の反応は「予想よりも悪くはなかった」ことで一段と上昇し、ダウは前日に211ドル上昇していたにも関わらず、この日も455ドル高で引けています。また、ナスダック指数は5連騰で節目の9000ポイント台を回復し、9121ポイントで取り引きを終えており、3月の安値からは2260ポイント以上、率にして約33%もの上昇です。特に「GAFA」と称されるアマゾンなど、ハイテク株の上昇が顕著で、これが株式市場全体のセンチメントを好転させているようです。もともと株式市場には「先行性」があると言われていますが、米株式市場ではすでに「ポストコロナ」を先取りした形になっていると言えそうです。景気が悪化する中での株高にいびつな感じもしますが、FRBが無制限で市場に資金を供給していることが、その一因であることは明らかです。調べてみると引け値ベースでは3月17日を最後に、ダウが1000ドルを超える下げに見舞われたことは一度もありません。

今回の雇用統計では、失業率は「16%」、非農業部門雇用者数は「2200万人の減少」と予想されていました。結果は上記の通りですが、今回の雇用統計では「理由不明の休職者」を失業者から除外しており、米労働省は「この人口を加算すると、失業率はさらに5%上昇する」と注記しています。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁もABCの番組で、「残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」と述べ、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)ただ一方で、失業者のうち恒久的な解雇(臨時雇用の期間終了を含む)は11%にすぎず、78%は「一時的な解雇」のため、コロナが収束し、企業などが通常の経済活動に戻れば早期に元の職場に戻される可能性があるようです。(日経新聞)いずれしても、2月に記録した半世紀ぶりとなる低水準の失業率「3.5%」に戻るには、年単位の時間が必要かと思います。

新型コロナウイルスの感染者数は世界で400万人を超えたようです。欧米での感染拡大はピークを過ぎたようで、封鎖解除を段階的に行っています。特徴的なのが、先進国で感染拡大が緩やかになる一方、新興国や途上国での感染が急拡大している点です。典型的なのがロシアです。1週間前の5月3日では「12万4千人」だった感染者数は10日には、「19万8千人」に急拡大しています。南米ブラジルでも同じような傾向が見られます。先進国と異なり、医療体制や設備が十分ではないだけに、今後急速に感染拡大が起こることが懸念されます。今朝の情報では、米国のペンス副大統領の報道官がコロナに感染した模様で、安全のためにペンス氏自身が自主隔離しているとの内容です。テレビでよく報道されるホワイトハウスでの会見を見ていると、トランプ大統領を始めほぼ全員がマスクをしていません。PCR検査を行って、すでにその結果を踏まえてのことだとは思いますが、感染者数が世界で最も多い米国です。危険であることに変わりはありません。

106円割れから反発しているドル円ですが、チャートでは「4時間足」より長いものでは、まだ雲に抑えられている展開が続いています。短期的な「1時間足」などでは雲を上抜けしていますが、「日足」で雲抜けするには108円台に乗せる必要があります。大きな動きにはなっていませんが、依然としてドルの戻りを売るスタンスが有効かと思われます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和