今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米経済指標軒並み悪化」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 106円台後半で取引が始まったドル円は直ぐに107円台を回復。107円37銭まで買われたものの、その後は再び下落。 
  • ユーロドルは1.08台半ばまで上昇。1.07台後半から1.08台後半でのレンジが続く。
  • 株式市場は続伸。経済活動再開への期待からダウは60ドル上昇し、主要株価指数も揃って続伸。
  • 債券相場は反落。長期金利は0.64%台へと上昇。
  • 金は続伸。原油も続伸し、30ドル台が視野に。
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5月NY連銀製造業景況指数 → −48.5
4月小売売上高 → −16.4%
4月鉱工業生産 → −11.2%
4月設備稼働率 → 64.9
5月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 73.7
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ドル/円 106.86 〜 107.37
ユーロ/ドル 1.0789 〜 1.0851
ユーロ/円 115.47 〜 116.19
NYダウ +60.08 → 23,685.42ドル
GOLD +15.40 → 1,756.30ドル
WTI +2.09 → 29.65ドル
米10年国債 +0.021 → 0.643%

本日の注目イベント

  • 日 1−3月GDP(速報値)
  • 米 5月NAHB住宅市場指数

本日のコメント

新型コロナの感染拡大により、米中関係がさらに悪化してきました。中国との断交を示唆し、習近平主席とも「今は話ししたくない」と述べたトランプ大統領は、中国の通信大手ファーウェイへの禁輸措置を強化することを発表しました。ファーウェイが海外で半導体を製造・設計するため米国の技術とソフトウエアを利用することを制限するものです。これに対して中国は直ちに抗議を行い、米企業を標的とした一連の対抗措置を講じる用意があると人民日報系の新聞、環球時報が報じています。

またナバロ米大統領補佐官はABCの番組で、「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」と発言し、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」と語っています。ナバロ氏はさらにABCに対して「武漢にウイルスをとどめておくこともできた」と指摘し、「なのにパンデミックになってしまった。米国人に向けた中国の行為であり、責任は中国にあると私が主張するのはこのためだ」と話しており、トランプ政権で続いている中国非難の口調を一段と強めています。(ブルームバーグ)

しかし、これら一連の措置や発言は今のところ市場への影響は限定的なようです。ドル円は106円台後半から107円台半ばで推移し、上へも下へも動きにくい展開が続いており、連日上昇下落を繰り返している株式市場もこの日は続伸しており、経済活動再開への期待感が優勢な展開でした。ただトランプ政権は今後も中国に対する第2、第3の制裁を考えているようで、米中関係の一段の悪化は避けられない模様です。ジョンズ・ホプキンス大学が発表したデータによると、5月17日午後4時現在での米国の新型コロナ感染者数は146万7000人を超え、死者数も8万8000人を超えています。

パウエルFRB議長は米CBSとのインタビューで、米経済は新型コロナウイルスのパンデミックから回復するが、その過程は2021年の終わりまで長引く可能性があるほか、ワクチンの有無に左右されるとの見方を示しました。議長は、「米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」とし、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない」と指摘し、「来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」と語っています。米国では高級百貨店の「ニーマン・マーカス」に続いて、大手百貨店の「J・Cペニー」が経営破綻し、新型コロナウイルス感染の影響は大きくなっています。米下院では15日、民主党が主導する3兆ドル(約320兆円)の追加対策が可決されました。上院での可決が必要なため、このまま実施されるかどうかはまだ不明ですが、対応の早さは評価されます。今後これらの対策が実行に移され、それでも景気回復が進まないようだと、「マイナス金利の導入」というカンフル剤を打つことになるかもしれません。

ドル円はもみ合いが続いています。先週末には多くの経済指標が発表され、そのほとんどが過去に例を見ないほどの悪化でした。それでもドルの下落は限定的です。上値が重いのは多くの投資家の共通した認識と思われますが、同時に「経済データが悪い」という認識も共有されているようです。上述ように、米中関係のさらなる悪化がどこまで為替相場に影響を与えるのかという点には注意が必要ですが、これも時間がかかるかもしれません。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和