今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米中関係の悪化懸念強まる」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米中関係の悪化を織り込む形でドル円は小幅に下落。107円55銭まで売られたが、経済活動の早期再開に向う米国への期待もあり、ドル売りも勢いがなく107円台で推移。
  • ユーロドルは続伸。朝方には3週間ぶりとなる1.10台まで上昇。
  • 株式市場は反落。ダウは101ドル下げ、他の主要指数も揃って反落。「1歩後退・2歩前進」の流れが続く。
  • 債券は小幅に上昇。長期金利は0.67%台でほぼ変わらず。
  • 金は大きく売られ、原油は続伸。
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新規失業保険申請件数 → 243.8万件
5月フィラデルフィア連銀景況指数 → −43.1
5月マークイット製造業PMI → 39.8
5月マークイットサービス業PMI → 36.9
4月中古住宅販売件数 → 433万件
4月景気先行指標総合指数 → −4.4%
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ドル/円 107.55 〜 107.83
ユーロ/ドル 1.0937 〜 1.1008
ユーロ/円 117.73 〜 118.52
NYダウ −101.78 → 24,474.12ドル
GOLD −30.20 → 1,721.90ドル
WTI +0.43 → 33.92ドル
米10年国債 −0.008 → 0.672%

本日の注目イベント

  • 日 日銀臨時金融政策決定会合
  • 日 4月消費者物価指数
  • 中 中国全人代開幕
  • 欧 ECB議事要旨
  • 英 英4月小売売上高
  • 米 債券市場短縮取引
  • 加 カナダ3月小売売上高

本日のコメント

米中関係がさらに悪化しそうな気配です。全人代の開幕を本日に控えた中国の報道官は、一部の米議員による賠償を求める動きについて、「中国はコロナの感染拡大に関する訴訟の乱用や不当な賠償請求は一切受け入れない」と発言し、自国の主権と安全保障、国益を守るとし、対抗措置を取る可能性を示唆しています。

香港のテレビ局によると、全人代では、議題に香港法制度の整備および改善、さらに安全保障を確保するための執行制度が盛り込まれるようで、28日には国家安全法の採決が行われる見通しのようです。成立すれば、香港での反発を抑制する中国政府の取り組みが大幅に強化されることになります。トランプ大統領が、米国は「実行されれば、われわれはこの問題に非常に強力に対処するだろう」と中国をけん制しています。また、米上院の民主党および共和党の2議員は、香港での新たな国家安全法導入に関わる中国の当局者や企業などに制裁を科す法案を提出する計画だと、ダウ・ジョーンズ通信は伝えています。(ブルームバーグ)

昨日は、失業保険申請件数を含む多くの経済指標が発表されましたが、いずれも市場予想通り、大きく悪化していました。4月の中古住宅販売件数は、年換算で433万件と約8年ぶりの低水準でした。注目の新規失業保険申請件数も着実に減少傾向は示しているものの、243.8万件と、依然として高水準でした。トランプ政権はさらになる追加対策の検討を行っており、この日バーチャルイベントに参加したNY連銀のウィリアムズ総裁は「景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」と述べ、一部で議論されているマイナス金利導入については「マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」と、導入には否定的な考えを示しています。また、クラリダ・FRB副議長も全米企業エコノミスト協会NY支部のオンライン会合で講演を行い、「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」と語っており、ムニューシン財務長官も「追加の経済対策が必要になる公算が極めて大きい」との認識を示しています。

ジョーンズ・ホプキンス大学の集計データによると、新型コロナウイルスの世界の感染者はついに500万人に達しています。その3分に1を米国が占め、2番目に多いロシアの5倍に上っています。世界の死者数も32万8000人を上回っており、トランプ大統領は、中国の「米国と欧州に対するプロパガンダ攻撃と偽情報」の背景に習近平主席の存在があると示唆に、中国に対する過激な言葉使いをエスカレートさせています。(ブルームバーグ)もっとも、この動きはトランプ大統領だけではなく、民主党も含めた超党派の動きとなっており、昨日米上院議会では、米国に上場する外国企業に、外国政府の支配下にないことを証明することを義務付けたり、米規制当局による会計監査状況の検査を義務付け、3年間検査を拒否した場合、上場廃止となることなどを織り込んだ、「外国企業説明責任法」を可決しました。ナスダック取引所でも中国企業の新規上場を事実上規制するルールを採用するなど、米国では中国企業を意識した監視体制の強化が進められています。

これらの一連の動きにも、金融市場ではそれほどリスク回避の流れに傾いていません。ドル円は現時点では108円台が重そうには見えますが、かといってリスク回避の円買いが急速に進む状況でもありません。従って、今のところ106−108円のレンジを意識しながらのトレードにならざるを得ません。本日は臨時の日銀政策決定会合が行われますが、中小企業などに対する新たな資金繰り支援制度などが議論される見通しで、マイナス金利の深堀などといった、金融政策変更の公算は低いと見られます。従って材料にはならないと見ています。

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国内の新型コロナの感染も一服といった状況で、昨日は関西3府県の「非常事態宣言」が解除され、このまま感染者の減少傾向が続けば、関東圏と北海道の「非常事態宣言」解除もそう遠くはないと思われます。暗いニュースが多い中、やや笑えるコラムを見つけたので一つ・・・。日経新聞「あすへの話題」にJR九州会長の唐池恒二氏がコラムに、「18歳と81歳の違い」をテーマに面白い文章を綴っていました。
曰く、
・道路を暴走するのが18歳、逆走するのが81歳
・心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳
・恋に溺れるのが18歳、風呂で溺れるのが81歳
・東京オリンピックに出たいと思うのが18歳、東京オリンピックまで生きたいと思うのが81歳
・社会に旅立つのが18歳、あの世に旅立つのが81歳
などなど、「ドキッ」とするものもありますが、まだ笑えるものが沢山ありました。それにしても、よく言い得ています。良い週末を・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/21 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 --------
5/21 ウィリアムズ・NY連銀総裁 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 --------
5/18 パウエル:FRB議長 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 --------
5/18 トランプ大統領 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 --------
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和