「ユーロドル1.10台から反落」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は前日と変わらず横ばい。107円台での推移が続き、米中関係の悪化などが意識されながらも107円50銭を中心に底堅い動きに。
- ユーロドルは前日の1.10台から値を下げる。1.0886近辺まで売られ、当面の上値を確認した格好に。
- 株式市場はまちまち。ダウは小幅に下げたものの、ナスダックとS&P500は続伸。新型コロナに対するワクチン開発への期待が株価の支えに。
- 債券相場は続伸。長期金利は0.65%台へと低下。
- 金は反発し。原油は反落。
| ドル/円 | 107.45 〜 107.65 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0886 〜 1.0908 |
| ユーロ/円 | 116.99 〜 117.33 |
| NYダウ | −8.96 → 24,465.16ドル |
| GOLD | +13.60 → 1,735.50ドル |
| WTI | −0.67 → 33.25ドル |
| 米10年国債 | −0.013 → 0.659% |
本日の注目イベント
- 日 3月景気一致指数
- 独 独1−3月期GDP(改定値)
- 独 独5月ifo景況感指数
- 英 LDN休場(バンクホリデー)
- 米 NY休場(メモリアルデー)
本日のコメント
中国では先週22日より「全人代」が開幕し、新たな経済成長率目標を掲げなかったことが注目されていますが、香港の反政府活動や民主化運動の取り締まりを強化する計画の行方にも大きな関心が集まり、トランプ大統領は「実行されれば非常に強く対処する」と改めて警告しています。ポンペオ国務長官も、「香港に対し、一方的かつ、しい的に国家安全法を押し付ける中国の提案を米国は非難する」との声明を発表し、米商務省も、中国の政府機関・企業を禁輸措置の対象に追加することを発表するなど、米中関係の一段の悪化が「新冷戦」と評される状況になってきました。
これに対して中国でも王毅外相が24日の記者会見で、中国を変えようという「希望的観測」を捨てるよう警告しました。王外相は北京で開催中の全人代に合わせて開かれた会見で、「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」と述べました。さらに同外相が、「米国の一部政治勢力は米中関係を人質にとり、新冷戦の瀬戸際へと向かわせようとしている」と主張し、台湾についても、「中国と台湾の再統一は歴史の必然的な流れであり、誰も、いかなる勢力もそれを止めることはできない」と、内政干渉をやめるよう警告しています。(ブルームバーグ)
加えて、米中関係は新型コロナウイルスを巡る問題でも火花を散らしています。ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、24日午後4時現在での感染者数は、世界で531万人を超え、米国では162万人となり、米国での死者数も9万7000人と、10万人に迫る勢いです。今後賠償問題にも発展していくものと見られますが、市場では思ったほどリスク回避の流れは強まって来ません。その理由の一つに、米株式市場が景気の急激な悪化を示す経済指標が多く発表される中でも、堅調に推移していることが挙げられると考えます。FRBによる積極的かつ大量の資金供給が、株価の安定を支えている構図です。ただ、それでも米中関係がさらに悪化するようだと、リスク回避の円買いが急速に進む可能性は残っていると思われます。株式市場では再び「株を持たないリスク」といった声も出始めており、楽観論が広がって来ました。新型コロナに打ち勝って、経済活動も徐々に再開されている状況です。ここは、もう一度気を引き締めるタイミングかもしれません。
本日は主要な海外市場が休みです。107円台で膠着状態のドル円は、より動きにくいと予想されます。政府が本日、緊急事態宣言を全面解除する可能性が高まっており、その期待から日経平均株価が上昇することも考えられ、株価の上昇がドル円をやや押し上げることも予想されます。大きな期待はできませんが、108円に迫る動きが見られるかもしれません。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 5/24 | 王毅・中国外相 | 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 | -------- |
| 5/21 | クラリダ・FRB副議長 | 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 | -------- |
| 5/21 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 | -------- |
| 5/18 | パウエル:FRB議長 | 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 | -------- |
| 5/18 | トランプ大統領 | 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 | -------- |
| 5/15 | パウエル・FRB議長 | 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 | -------- |
| 5/15 | ナバロ・米大統領補佐官 | 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 | -------- |
| 5/14 | トランプ大領 | 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 | -------- |
| 5/13 | パウエル・FRB議長 | 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 | -------- |
| 5/12 | ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 | (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 | -------- |
| 5/12 | トランプ大統領 | 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 | -------- |
| 5/10 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 | -------- |
| 5/7 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 | -------- |
| 5/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 | -------- |
| 5/7 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 | -------- |
| 4/17 | トランプ大統領 | 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 | -------- |
| 4/16 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 | -------- |
| 4/16 | ダラス連銀・カプラン総裁 | 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 | -------- |
| 4/14 | オバマ・前大統領 | (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 | -------- |
| 4/12 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 | -------- |
| 4/7 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



