今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル1.10台から反落」

新型コロナウイルス感染拡大防止のため「アナリストレポート」はしばらくの間、週3回(月、水、金)とさせて頂きます。皆様にはご迷惑をお掛けしますがご理解の程お願い申し上げます。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米株価の上昇と長期金利の上昇にもドル円は反応せず、107円台での膠着が続く。ユーロドルでユーロ高が若干進んだこともあり、円が強含む場面もあり、107円41銭まで下落。
  • ユーロドルは買い戻しが入り、1.0996まで上昇。ドイツの経済指標に底入れ感が出るなど、景気回復への期待感がユーロショートの買い戻しにつながる。
  • 株式市場は大幅に続伸。ワクチン開発への期待もあり、ダウは一時2万5000ドルの大台を回復し、S&P500も3000の大台に乗せる場面も。
  • リスクオンがやや強まり、債券相場は下落。長期金利は0.69%台へ上昇。
  • 金は大きく売られ、原油価格は上昇。
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3月ケース・シラ−住宅価格指数 → 0.47%
3月FHFA住宅価格指数 → 0.1%
4月新築住宅販売件数 → 62.3万件
5月消費者信頼感指数 →  86.6
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ドル/円 107.41 〜 107.69
ユーロ/ドル 1.0963 〜 1.0996
ユーロ/円 117.84 〜 118.33
NYダウ +529.95 → 24,995.11ドル
GOLD −29.90 → 1,705.60ドル
WTI +1.10 → 34.35ドル
米10年国債 +0.037 → 0.697%

本日の注目イベント

  • 中 中国4月工業生産
  • 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
  • 米 5月リッチモンド連銀製造景況業指数
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、バーチャル会議に参加

本日のコメント

出遅れ感が強かった日経平均株価もようやく力強い上昇を見せました。前日、「非常事態宣言」が全面的に解除されたことを好感し、昨日の日経平均株価は前日比529円上昇し、前日分と合わせ2日で850円程上昇し、引け値では2万1200円台を回復しました。さらに上昇しているのが米株式市場です。ダウは昨日のザラ場では一時「2万5000ドル」の大台を回復し、S&P500も「3000」ポイントに乗せる場面がありました。いずれも、新型コロナウイルスに打ち勝って経済活動が再開することへの期待感が相場を押し上げた結果です。

一方ドル円は完全に「蚊帳の外」といった具合です。5月は初旬に106円台を若干割り込む場面もありましたが、ほぼ106円〜108円のレンジ内で推移し、ここ10日間ほどは107円台でのもみ合いが続いており、値幅は1円もありません。香港を巡る米中関係も依然予断を許さない状況にあり、値動きも煮詰まってきていると考えれば、動き出すのも近いのではないかと思いますが、これは希望的観測も含めてのことです。米長期金利の動きが鈍いことが最も大きな要因になっていると思われます。

北京で開催中の「全人代」では、香港での反政府活動を禁止し、民主化運動を厳しく監視するための「香港国家安全法」の制定方針が明日にも採択される見込みとなっています。同法案は、国家の分裂や政権転覆、組織的なテロ活動、外部勢力による内政干渉を禁止することを含んでおり、トランプ大統領は中国の当局者・企業・金融機関への様々な制裁措置を検討しているようです。マクナニー大統領報道官は26日、「トランプ大統領は不快感を示しており、中国が取って代われば、香港が金融ハブの地位を維持するのは困難に見える」と語っています。トランプ大統領が具体的にどのような制裁措置を考えているのかは明らかになっていませんが、FOXニュースは、「トランプ氏は、中国の学生と研究者の米国留学を制限することをポンペオ国務長官と議論した」と伝えています。(ブルームバーグ)

ハーバードなど、米有名大学ではMBAを取るため多くの中国人学生が学んでいます。昨年耳にした中国人の知人の話では、西海岸のカリフォルニア大学バークレー校の卒業式に出席した際、米国人以外の卒業生はほぼ中国人が独占し、日本の学生は一人もいなかったそうです。彼の息子はコンピューター・サイエンスを専攻し、就職先もグーグルなど引く手あまたでしたが、結局ベンチャー企業に就職したと話していました。いずれにしても法案が制定されれば米国としても中国に対して何らかの制裁を加えることは確かで、中国側も対抗措置を講じる可能性があります。ただ香港は中国本土の企業にとっても非常に重要な「資本市場」であって、ここで多くの中国企業が資金調達や運用を通じて米国との接点を持っています。常識的に考えれば、中国が香港での関与をさらに強め、米国との断交を行うことは考えにくいことです。

新型コロナウイルスの感染拡大が和らいできたことで、市場ではややリスクオンの流れが勢いを増して来ました。感染拡大による影響は確かに峠を越えたものと思われますが、今後二次、三次の感染拡大も懸念され、世界の主要国で経済・社会活動が正常に戻るのは、早くても来年春ごろではないかと思っています。その頃にはコロナに対するワクチンも開発され、人々が安心して経済活動に専念できるようになっているのではないでしょうか。まだまだ安心しきるわけにはいきません。

株価が大幅に上昇し、リスクオンが進んでもドル円の上値は重い印象です。多くの投資家が米中関係の悪化を懸念していることが背景かと思われます。明確な方向性が出るまではまだ辛抱が必要ですが、市場のエネルギーもかなり溜まってきていると思います。油断をしないよう、市場と向き合っていきましょう。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/24 王毅・中国外相 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 --------
5/21 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 --------
5/21 ウィリアムズ・NY連銀総裁 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 --------
5/18 パウエル:FRB議長 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 --------
5/18 トランプ大統領 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 --------
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和