今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米抗議デモ拡大」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は動かず先週末の水準と変わらず。この日の値幅も僅か20銭強と、一段と膠着感を強める。
  • ユーロドルも1.11台で、こちらも前日とほぼ同水準で推移。
  • 株式市場は上昇。ダウは反発し91ドル高。ナスダックは続伸し、9500ポイントの大台を回復。
  • 債券相場は横ばい。長期金利はやや上昇し、0.66%近辺に。
  • 金と原油は小幅に下落。
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5月ISM製造業景況指数 → 43.1
5月マークイット製造業PMI(改定値) → 39.8
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ドル/円 107.53 〜 107.75
ユーロ/ドル 1.1101 〜 1.1140
ユーロ/円 119.55 〜 119.90
NYダウ +91.91 → 25,475.02ドル
GOLD −1.40 → 1,750.30ドル
WTI −0.05 → 35.44ドル
米10年国債 +0.007 → 0.659%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1−3月期経常収支
  • 豪 RBA、キャッシュターゲット
  • 欧 ユーロ圏5月製造業PMI
  • 英 英4月消費者信用残高
  • 米 5月自動車販売

本日のコメント

昨日のニュースでは、ワシントンにあるホワイトハウスが煙に包まれている映像が流れ、これが世界の政治の中心地ワシントンとは思えぬ光景でした。5月25日に発生した白人警察官による黒人暴行死事件に対する抗議デモはさらにエスカレートし、メディアは「デモは、60年代の公民権運動並み」だと報じていました。

デモが暴動化したことで、トランプ大統領が一時地下豪に避難したようですが、暴動に対す威圧的なツイートは今後も議論が呼びそうです。トランプ氏は、全米に拡大したデモを厳しく取り締まるよう州当局に促し、州知事や法執行当局者とのビデオ会議で、「あなた方は威圧しなければならない」と述べ、「力を見せつけてこうした者たちを逮捕し、法の裁きを受けさせる必要がある」とし、「あなた方の大半は弱腰だ」と述べたようです。この発言はCBSのニュースが報道し、ブルームバーグニュースはこの発言の音声記録を入手したことを伝えています。先週、中国が香港の民主化運動の監視を強化する「国家安全法」を制定したことを厳しく非難したトランプ氏でしたが、自国のデモに対しては高圧的な姿勢を見せており、「手遅れになる前に州兵を動員すべきだ」とのツイートを投稿しています。

この動きに対して中国政府関係者や国営メディアはトランプ政権を痛烈に皮肉っています。「トランプ大統領は香港情勢を『極めて問題だ』と表現していたが、それから間もなく香港で起きているのと似た光景を米国内で目にすることになった。米国は国内と香港のデモへの対処で『二重基準』を用いている」と非難しています。今回の騒動は、米国内に残る根強い人種対立が影響していると思われますが、トランプ大統領のこれまで見せてきた「白人主義」、「白人尊重主義」が積み重なってきた面もあり、今後の大統領選にも影響してくると思われます。トランプ氏にとっては11月の大統領選で再選することが全てですが、コロナに次ぐ「予期せぬ難題」への対処方を一つ間違えると、再選も夢に終わる危険性もあります。

それでも金融市場では「リスクオフ」の流れが強まる気配はありません。NY株式市場ではナスダックが9500ポイント台まで上昇し、これで3月23日の安値からは40%程上昇したことになります。米長期金利はFRBによる大量の資産購入により、0.6%台で低位安定しており動意は見られません。このためドル円はここ2週間、107円台を上へも下へも抜け切れない異例の展開になっています。一方、動かないドル円をしり目に、ユーロドルなどでは「ドル安」が鮮明となり、特に豪ドルの上昇が目につきます。これは底堅い商品相場を背景に、ショートカバーが豪ドルを押し上げ、さらにテクニカル的にもロングが有利になってきたことで買いが集まったと考えられます。コロナ禍は下火にはなってきましたが、依然注意が必要で、加えて米中関係や米国内でのデモの動き、あるいはその先にある米大統領選などが相場を動かす材料として挙げられます。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/29 トランプ大統領 「中国は香港を一国二制度から一国一制度に置き換えた」、「WHOが実行・関与しなければならない改革について、われわれは詳細を示してきたが、WHOは行動を拒んでいる。きょう、WHOとの関係を打ち切る」 --------
5/28 クドロー・米国家経済会議(NEC)委員長 「要するに、中国は香港から自由を奪った」、「米国として見過ごすことはできない。この件に関して中国は責任を問われることになる。必要とあれば、香港に対して今後は中国と同様の扱いをする必要が出て来る可能性がある」 --------
5/24 王毅・中国外相 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 --------
5/21 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 --------
5/21 ウィリアムズ・NY連銀総裁 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 --------
5/18 パウエル:FRB議長 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 --------
5/18 トランプ大統領 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 --------
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
4/17 トランプ大統領 「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」 --------
4/16 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」 --------
4/16 ダラス連銀・カプラン総裁 「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」 --------
4/14 オバマ・前大統領 (バイデン氏を副大統領に選んだことは)「人生で最善の決断の一つだった」(バイデン氏が)「今の大統領に必要な資質を兼ね備える人物だと確信する」 --------
4/12 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「世界の状況を観察している。経済活動のコントロールを緩めるのに伴い、ウイルス感染は急に再拡大する」、「実際に治療法あるいはワクチンが得られるまで、そうした悪化とコントロールの波が繰り返し押し寄せる可能性がある。われわれの医療制度および経済に関して、18カ月戦略に誰もが重点を置くべきだ」 --------
4/7 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「今後4週間から8週間で、経済活動を再開できるようになるかもしれないと政府は見積もっている」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和