今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円108円台前半に反落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は大幅に反落し、一時は108円24銭まで下落。長期金利もやや低下し、利益確定のドル売りが相場を押し下げた模様。
  • ユーロドルも上値を切り下げてきたものの、水準は前日と変わらず。
  • 株式市場は大幅に続伸。ダウは6日続伸し、2万7500ドル台に。ナスダックは最高値を更新。
  • 債券は続落して始まったが、その後切り返し上昇。長期金利はやや低下し、0.87%台に。
  • 金は反発し1700ドル台を回復。原油は6日ぶりに反落。
ドル/円 108.24 〜 109.41
ユーロ/ドル 1.1276 〜 1.1318
ユーロ/円 122.22 〜 123.52
NYダウ +461.46  → 27,572.44ドル
GOLD +22.10 → 1,705.10ドル
WTI −1.36 → 38.19ドル
米10年国債 −0.020 → 0.875%

本日の注目イベント

  • 豪 豪5月NAB企業景況感指数
  • 独 独4月貿易収支
  • 独 独4経常収支
  • 欧 ユーロ圏1−3月期GDP(改定値)
  • 欧 OPEC総会
  • 米 FOMC(10日まで)

本日のコメント

多くの専門家が、足元の株価の急上昇は実体経済から乖離していると指摘する中、日米ともに株価の上昇が止まりません。もっとも、日本の株価の上昇は米国株の上昇に引っ張られていると思いますが、米国株は昨日も大きく買われ、ダウはこの日も461ドル上昇し、コロナショックで失った下げ幅をほぼ解消。ナスダックは最高値を更新するなど、説明が付かないほどの上昇を見せています。4月に入ってから上昇を見せた株式市場は当初、ショート筋の買い戻しということで説明できましたが、その後の上昇は、しびれを切らした新規の資金が流入したようです。今朝の経済紙には「日本株、持たざるリスク」といった言葉が紙面を飾っていました。

そんな中、ドル円は大きく反落しています。NY市場では1円を超える下げ幅となり、108円24銭までドル安が進んでいます。これといって、ドルが大きく売られる理由はなかったと思われますが、クロス円全体も売られていることから「利益確定のドル売り」が円買いを促したといった状況です。リスクオンが急速に高まったにも拘わらず、節目の110円を抜け切れなかったことも、一旦ドルを手放す理由になった理由として挙げられそうです。今のところ、105−110円のレンジは機能しているようです。

世銀は8日、世界経済の見通しを発表し、新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年の世界経済の成長率がマイナス5.2%に減速するとの見方を発表しました。コロナの感染状況によっては今後さらに落ち込む可能性があることも指摘しています。日本の成長率はマイナス6.1%と、世界全体よりも落ち込みが大きく、2021年には世界全体がプラス4.2%と予測される中、日本は2.5%のプラスに留まると見られています。

これに先だち、景気循環を判定する全米経済研究所(NBER)は、過去最長となった米国の景気拡大局面が今年2月に終了したと判断し、新型コロナに端を発したリセッション(景気後退)入りを正式に発表しました。今回の景気拡大は2009年7月から始まり、10年8カ月をもって終了したことになります。ブルームバーグは「It’s Over」といった見出しでこの内容を伝えています。ミネソタ州で起きた黒人傷害死事件に対する抗議デモは全米から世界各地に広がりを見せており、今後対応を誤ると、コロナに次ぐ第2の惨事になる可能性もあります。そのミネソタ州では市議会が警察の解体プロセスに着手するようです。現在の警察に取って代わるプランは現時点ではないものの、新しい治安体系について地域社会と協議する方針だと、ミネアポリス市議会議員らは述べていると報じられ、白人警察官が行う、黒人に対する業務執行上の暴力でも、ほとんど罪にならない現行の警察制度を大きく変えることになるかもしれません。

ドル円は110円を目前にしてUターンしてきましたが、株価が堅調なうちは大きな下げにはつながらないと思われます。1時間足では10日ぶりに「雲を下抜け」して短期的な調整を示唆していますが、2時間足の雲が下落を支えている格好になっています。本日はドルの目先の底値を探る展開を予想しますが、水準が水準だけに、昨日のドル円と同じ様にいつ株式市場が利益確定の売りに見舞われるかもしれません。株価の動きには注意したいと思います。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
5/29 トランプ大統領 「中国は香港を一国二制度から一国一制度に置き換えた」、「WHOが実行・関与しなければならない改革について、われわれは詳細を示してきたが、WHOは行動を拒んでいる。きょう、WHOとの関係を打ち切る」 --------
5/28 クドロー・米国家経済会議(NEC)委員長 「要するに、中国は香港から自由を奪った」、「米国として見過ごすことはできない。この件に関して中国は責任を問われることになる。必要とあれば、香港に対して今後は中国と同様の扱いをする必要が出て来る可能性がある」 --------
5/24 王毅・中国外相 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 --------
5/21 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 --------
5/21 ウィリアムズ・NY連銀総裁 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 --------
5/18 パウエル:FRB議長 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 --------
5/18 トランプ大統領 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 --------
5/15 パウエル・FRB議長 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 --------
5/15 ナバロ・米大統領補佐官 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 --------
5/14 トランプ大領 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 --------
5/13 パウエル・FRB議長 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 --------
5/12 ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 --------
5/12 トランプ大統領 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 --------
5/10 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 --------
5/7 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 --------
5/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 --------
5/7 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和