「FRB社債買い入れを発表」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間に、日経平均株価の大幅な下げに連動する形で107円を割り込む場面もあったが、NYでは107円台前半から半ばで推移。前日とほぼ同水準で取引を終える。
- ユーロドルは横ばい。1.13台に乗せたものの、上値は重く1.12台半ばまで押し戻される。
- 株式市場は東京での大幅下落を受け朝方は大きく売られる。午後にはFRBが社債買い入れを発表したことなどで反発。ダウは157ドル高で取引を終える。
- 債券相場は小幅に続落。長期金利は0.72%台へと上昇。
- 金は続落し、原油は続伸。
6月NY連銀製造業景況指数 → −0.2
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| ドル/円 | 107.21 〜 107.49 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1244 〜 1.1332 |
| ユーロ/円 | 120.74 〜 121.63 |
| NYダウ | +157.62 → 25,763.16ドル |
| GOLD | −10.10 → 1,727.20ドル |
| WTI | +0.86 → 37.12ドル |
| 米10年国債 | +0.018 → 0.722% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 日 日銀金融政策決定会合
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 独 独5月消費者物価指数(改定値)
- 独 独6月ZEW景気期待指数
- 欧 国際エネルギー機関(IEA)月報
- 英 英5月失業率
- 英 英ILO失業率(2月−4月)
- 米 5月小売売上高
- 米 5月鉱工業生産
- 米 5月設備稼働率
- 米 6月NAHB住宅市場指数
- 米 パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
本日のコメント
昨日の東京時間午後2時過ぎから、日経平均株価が一段と下げ足を速めたため、ドル円も107円を割込み、106円98銭まで売られました。新型コロナウイルスの感染第2波に対する懸念から、市場のセンチメントが悪化したことで売りが優勢になったようです。「東京アラート」を解除した途端、タイミング悪く、東京都の新たな感染者が増加し、昨日も48人の感染者が出ています。
NY市場ではこの流れを受け、朝方から株価は軟調となりダウは一時700ドルを超える下げを見せていましたが、午後にはFRBの発表がこの流れを一変させました。FRBは緊急融資プログラムの1つである「セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(SMCCF)」の下で米企業の社債買い入れを開始することを発表しました。FRBは声明で、「この指数は、米企業が発行した流通市場の社債で、SMCCFが定める最低格付け条件や最大償還期限といった基準を満たすもの全てで構成されている」と説明し、「この指数に基づくアプローチにより、現在実施中のETF購入が補完される」と加えています。(ブルームバーグ)また米金融当局は、中小企業向け融資を支援する「メインストリート貸し付けプログラム(MSLP)」の受付を開始し、融資を即時始めるよう金融機関に通知したことも発表しています。
米国ではフロリダ州など多くの州でコロナによる新たな感染者が増加しており、クオモNY州知事が「企業が現行の規制を守らず、市民が社会的距離を取らなければ、経済再開を見直して再び制限措置を命じるだろう」と述べるなど、感染の第2波に対する懸念が強まっていました。先の会見では、「できることは何でもやる」と明言していたパウエル議長でしたが、FRBはその言葉通り行動を起こした格好です。コロナ感染第2波への懸念は米国だけではありません。日本や中国でもそのリスクが高まっており、特に南米での感染拡大はさらに勢いを増しているようです。ブラジルを筆頭に、国別感染者数の上位15位には、ペルー、チリ、メキシコが入っており、今後はさらに増加していくと見られます。(6月15日午後4時現在、ジョーンズ・ホプキンス大学調査)株価を動かす大きな材料の一つがコロナ感染の拡大状況です。その株価の動きが「リスクオン」を強めたり、後退させたりすることでドル円を動かします。引き続き、コロナの感染状況を把握することは必要です。
本日のNYでは、経済活動や個人の消費に関するデータが発表され、パウエル議長の議会証言が予定されています。また日銀決定会合でも政策変更はないと見られ、いずれも中銀トップの発言内容が注目されますが、大きな相場変動にはつながらないと思われます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 6/11 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 | -------- |
| 6/11 | ムニューシン・米財務長官 | 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 | -------- |
| 6/11 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 | 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 | -------- |
| 6/11 | パウエル・FRB議長 | 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 | -------- |
| 6/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) | 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。 |
| 6/3 | エスパー・国防長官 | 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 | -------- |
| 5/29 | トランプ大統領 | 「中国は香港を一国二制度から一国一制度に置き換えた」、「WHOが実行・関与しなければならない改革について、われわれは詳細を示してきたが、WHOは行動を拒んでいる。きょう、WHOとの関係を打ち切る」 | -------- |
| 5/28 | クドロー・米国家経済会議(NEC)委員長 | 「要するに、中国は香港から自由を奪った」、「米国として見過ごすことはできない。この件に関して中国は責任を問われることになる。必要とあれば、香港に対して今後は中国と同様の扱いをする必要が出て来る可能性がある」 | -------- |
| 5/24 | 王毅・中国外相 | 「中国には米国を変えようという意図はないし、米国に取って代わろうという意志もない。同時に、米国が中国を変えようと考えても、それは希望的観測だ」 | -------- |
| 5/21 | クラリダ・FRB副議長 | 「新型コロナウイルスを巡る今後の状況や、それに伴う景気低迷の深刻さや期間により、金融と財政両方の政策による追加支援が必要となる可能性がある」 | -------- |
| 5/21 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 景気の推移や回復具合次第で、追加の財政・金融支援が必要かどうか、経済を力強く持続的な軌道に乗せるために具体的などういった設計の支援とするかを判断しなくてはならない」マイナス金利の利用は現時点において、また現在置かれている状況下で適切な手段ではない」 | -------- |
| 5/18 | パウエル:FRB議長 | 「この困難な時期に経済を支援するためあらゆる手段をわれわれは講じることにコミットする。ただ、こうした行動はより広範な公的部門の対応の一部にすぎないとわれわれは認識している」 | -------- |
| 5/18 | トランプ大統領 | 「WHOは中国から独立すべきだ」「WHOが30日以内に大幅な実質的改善を公約しなければ。私は米国のWHOへの資金拠出の一部凍結を恒久化するほか、米国のWHO加盟を再考するつもりだ」 | -------- |
| 5/15 | パウエル・FRB議長 | 米経済の完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」、「ただ、回復するにも、かなりの時間がかかるかもしれない。来年末まで長引くことも考えられる。本当にわらない」 | -------- |
| 5/15 | ナバロ・米大統領補佐官 | 「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」、「中国はWHOという盾に守られて2カ月の間、ウイルスを世界から隠ぺいし、数十万という中国人をミラノやNYなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」 | -------- |
| 5/14 | トランプ大領 | 中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか思案している」習近平主席とは「今は話したくない」 | -------- |
| 5/13 | パウエル・FRB議長 | 失業率は「5月ごろがピークでその後は持ち直すが、生産や所得の完全復元には時間がかかる」(マイナス金利について)「現時点で魅力的な政策手段とは考えていない」 | -------- |
| 5/12 | ファウチ・米アレルギー感染症研究所所長 | (設定されたガイドラインを達成しないまま州や市が経済活動を再開させた場合)「私の感触ではそのようなことが起これば、それが引き金となって、制御できないような爆発的な感染拡大が起こる現実的なリスクがある」 | -------- |
| 5/12 | トランプ大統領 | 「他国がマイナス金利というベネフィットを享受している以上、米国もマイナス金利という贈り物を受け取るべきだ」 | -------- |
| 5/10 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 残念ながら雇用面の最悪期はこれからだ」、「現在、職に就いていない人の割合は実際には23−24%前後だ。私が考えているように回復が緩やかなものになるなら、こうした人々に一層の支援が必要となるだろう」 | -------- |
| 5/7 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | (マイナス金利について)「よそで試されたと思うが、この国で試す価値があると私に思わせる理由は、個人的には見当たらない」 | -------- |
| 5/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「恐らく16%か17%といったところだろう」と述べ、「実質的な数字は23−24%程度と考える。悲惨な水準だ」 | -------- |
| 5/7 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「現在、恐怖シナリオは確率が低くなったと思う」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



