「米6月雇用統計予想を上回る」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は雇用統計の結果を好感し上昇したものの、107円72銭止まり。コロナ感染が拡大していることもあり、ドルの上値は限られた。
- ユーロドルは上昇。1.1297までユーロ高が進んだが、この日も1.13台には届かず。
- 株式市場は予想を上回る雇用統計を好感し3指数とも揃って上昇。ナスダックは連日で最高値を更新。
- 債券相場はほぼ横ばい。長期金利は0.67%前後で推移。
- 金と原油は揃って上昇。
6月失業率 → 11.1%
6月非農業部門雇用者数 → 480万人
6月平均時給 (前月比) → −1.2%
6月平均時給 (前年比) → 5.0%
6月労働参加率 → 61.5%
新規失業保険申請件数 → 142.7万件
5月貿易収支 → −54.6b
5月製造業受注 → 8.0%
********************
| ドル/円 | 107.41 〜 107.72 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1224 〜 1.1297 |
| ユーロ/円 | 120.76 〜 121.43 |
| NYダウ | +92.39 → 25,827.36ドル |
| GOLD | +10.10 → 1,790.00ドル |
| WTI | +0.83 → 40.65ドル |
| 米10年国債 | −0.007 → 0.669% |
本日の注目イベント
- 豪 豪5月小売売上高
- 中 中国6月財新サービス業PMI
- 中 中国6月財新コンポジットPMI
- 欧 ユーロ圏6月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏6月サービス業PMI(改定値)
- 米 休場(独立記念日の振り替え休日)
本日のコメント
6月の雇用統計は労働市場がコロナの影響により極めて流動的であるため、事前予想通りには収まらないと思っていましたが、結果は市場予想を大きく上回っていました。失業率は予想の「12.5%」に対して「11.1%」と改善。非農業部門雇用者数は「323万人」に対して、「480万人」と大幅に増えています。多くの従業員解雇はコロナによる一時的な離職だったことで、経済活動の再開に伴い従業員も再雇用された結果です。ドル円はこの内容を受けてドル買いが先行しましたが、この日はフロリダ州では1日の感染者数及び入院者数が過去最多の増加となるなど、米国内での感染拡大が続いていることがドルの上値を抑え、結局前日とほぼ同水準で戻って来ました。
雇用統計の結果を受け、ドランプ大統領は臨時の記者会見を開き、「今日の発表は米国経済が強力に盛り返していることを証明した」と主張し、「これは他の大統領だったら出来なかった」と誇らしげに語り、「偶然ではなく、政策の結果だ」と、大統領選を意識した発言を行っています。また、ムニューシン財務長官も「追加で直接の現金支給が必要かどうか、政府は真剣に検討する」と語っています。
世界の感染者は1070万人、死者の数も51万7000人と、感染拡大が依然として続いている中、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はオンラインイベントでの発言で、「新型コロナウイルスが変異の兆候を見せており、感染拡大がより容易になっている可能性がある」と指摘しました。ファウチ氏は、特定のアミノ酸に影響を与える単一突然変異が起き、ウイルスの複製が進み、ウイルス量を増加させ、伝染を容易にする可能性があることが、進行中の調査で示唆されていると述べています。ファウチ氏はまた、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発では英オックスフォード大学が先行していると指摘しつつ、パンデミックへの対処では2種類以上のワクチンが必要だと語っています。(ブルームバーグ)日本でも昨日東京都では、5月2日以来となる100人を超える感染が確認されており、第2波襲来の可能性が高まっています。
このような状況にも拘わらず米ナスダック市場では連日最高値の更新が続いています。ナスダック指数は4日続伸しましたが、けん引したのは電気自動車メーカーの「テスラ」でした。テスラ株は昨日1日だけで10%も上昇し、連日上場来高値を更新中です。すでに時価総額ではトヨタを抜き世界一です。日本では同社のEVを見ることはあまりありませんが、それでも時折街を走っているのを目にすることも増えてきたような気がします。
本日はNY市場が休みです。107円台のドル円は小動きで推移することが予想されます。レンジは107円20銭〜107円80銭程度といったところでしょうか。
==========
日本橋三越本店・・・。かつてはデパート業界の頂点に君臨し、最も権威のあるデパートの一つでした。帝国劇場のパンフレットにも「今日は帝劇、明日は三越」と謳われ、当時は流行語にもなったとか。その三越が株式市場の小売部門で、スーパーの「ヤオコー」に抜かれたという記事に少々驚きました。「ヤオコー」は埼玉県を中心に店舗展開しているスーパー大手ですが、元は埼玉県の奥深い小川町の八百屋さんがルーツです。その「ヤオコー」が時価総額で三越伊勢丹を抜いたという記事です。時価総額は、発行株数に株価をかけたもので、その会社の企業価値と言えます。三越本店や銀座店入り口には、りっぱなライオン像がお客を迎えるかのように鎮座していますが、心なしか、小さく見えるかもしれません。これも時代の流れでしょうか?・・・栄枯盛衰。
良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/1 | FOMC議事録 | 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 | -------- |
| 7/1 | ジョンソン・英首相 | 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 | -------- |
| 6/30 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 | 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 | -------- |
| 6/30 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 | -------- |
| 6/24 | IMF | 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 | -------- |
| 6/24 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 | -------- |
| 6/23 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 | -------- |
| 6/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 | -------- |
| 6/11 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 | -------- |
| 6/11 | ムニューシン・米財務長官 | 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 | -------- |
| 6/11 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 | 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 | -------- |
| 6/11 | パウエル・FRB議長 | 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 | -------- |
| 6/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) | 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。 |
| 6/3 | エスパー・国防長官 | 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



