今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円106円台半ばまで下落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は107円を割り込み、106円64銭まで下落。株価と米長期金利が上昇し、特段ドルを売る理由もない中、107円を割り込んだことでドル売りに拍車がかかった。
  • ユーロドルは引き続き1.13を挟む展開から抜け切れず、前日と同じ展開で推移。
  • 株式市場は大きく反発。ナスダックは3日続伸で最高値を更新。コロナワクチンに対する情報が株価を押し上げ、ダウは369ドル高。
  • 債券は反落。長期金利は0.64%台へと上昇。
  • 金は続落し、原油は反発。
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6月生産者物価指数 → −0.2%
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ドル/円 106.64 〜 106.95
ユーロ/ドル 1.1274 〜 1.1325
ユーロ/円 120.43 〜 120.88
NYダウ +369.21 → 26,075.30ドル
GOLD −1.90 → 1,801.90ドル
WTI +0.93 → 40.55ドル
米10年国債 +0.031 → 0.645%

本日の注目イベント

  • 米 6月財政収支
  • 英 BOE総裁とNY連銀総裁、オンラインセミナーで講演
  • 米 カプラン・ダラス連銀総裁、オンラインセミナーで講演

本日のコメント

ドル円は先週末、今月に入って初めて107円を割り込み、NYでは106円64銭までドル安が進みました。この欄でも何度か述べたように、明確な方向性が見えないドル円ですが、敢えて予想すれば円高方向のリスクの方が若干高いと見ていました。NYで106円64銭までドル売りが進んだことは、やや想定を超えたものでしたが、やはり、106円台半ばが今回もサポートになったと言っていいかもしれません。

米国の新型コロナウイルス感染者は昨日一日で、5万6000人増加しましたが、増加率は1.7%と、7日平均の1.9%を下回っています。それでもフロリダ州では新規感染者が1万5300人と、1州での過去最多を更新しています。昨日米国の新型コロナウイルスに関する報道を見ると、トランプ大統領が黒いマスクを付け、随行する人たちも全員マスクをしている、これまで目にしたことのない光景が映し出されていました。感染が拡大する中でも、政治集会やホワイトハウスでの記者会見でも一切マスクをしなかったトランプ氏をNY州知事のクオモ氏は「Just wear a Mask」(ただマスクをしてくれ)と会見で述べていましたが、トランプ氏もどうやら大統領選を意識しながら、しぶしぶマスクを着用したようです。日本でも昨日は東京都で新たな感染者が206人となり、初の4日連続200人超えとなっています。感染第2波は確実に押し寄せており、北海道大学の西浦教授は、現在のコロナの感染状況を、「野球に例えれば、2回表でコロナ側が攻撃の段階」と絶妙な言い回しで、長期戦になると警告していました。10日からイベントや集会などの規制を緩和した政府の西村経済再生担当大臣も、「非常に警戒すべき状況だ」とNHKの番組で述べています。政府は重症者の割合が少ないことや、感染者が若年層に集中していることを理由に、4月の状況とは違うとしていますが、果たしてそうでしょうか。コロナが若年層から高齢者にうつらないという保証はありません。京都大学の山中教授も「対策をしなければ、今からでも10万人死亡する可能性もある」との言葉を残しています。

引き続き米中関係は悪化の一途をたどっていますが、クドロー国家経済会議(NEC)委員長はFOXビジネス・ネットワークの番組で、投資家に対して「中国への投資は賢明ではない」と語り、「中国企業には現在、あまりにも多くの経済リスクがみられる。さらにその多くは国家安全保障を脅かしている」と警告しています。(ブルームバーグ)今後新型コロナウイルスの感染がある程度抑えられたとしても、米中関係の悪化は続きそうです。

今週は日欧で金融政策の発表があります。いずれも政策変更はないと予想され、フォワードガイダンスの強化等の変化があるかどうかが注目されています。また、今週から米企業の4−6月期決算発表があります。JPモルガンを皮切りに金融機関が決算発表を行いますが、見方は分かれているようです。景気回復を基に、予想を上回る決算を予測する専門家がいる一方、コロナの影響を引きずり、厳しい内容を予想する向きもいます。決算内容は株価の動きに大きな影響を及ぼし、その動きからドル円も影響を受ける可能性があります。ようやく動きが出てきた感のあるドル円ですが、今週はこれまでと比べ値幅も出るのではないでしょうか。本日の予想レンジは106円60銭〜107円30銭程度と予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
6/30 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 --------
6/30 パウエル・FRB議長 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 --------
6/24 IMF 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 --------
6/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 --------
6/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 --------
6/16 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 --------
6/11 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 --------
6/11 ムニューシン・米財務長官 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 --------
6/11 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 --------
6/11 パウエル・FRB議長 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 --------
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和