今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米財政赤字、6月は過去最大」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は107円台を回復し、NYでは107円32銭まで上昇。日本株の大幅高やNY株の朝方の大幅高に沿った格好でドル高が進む。
  • ユーロドルも上昇。一時は1.1374まで買われ、1カ月ぶりのユーロ高に。ユーロは対円でも122円に迫る。
  • 株式市場はまちまち。朝方はコロナワクチンに関する情報から大幅高で推移したものの、午後にはカリフォルニア州の店内飲食禁止などの規制が発表され失速。ナスダックは226ポイントの下落。
  • 債券は反発。長期金利は0.61%台に低下。
  • 金は反発し、原油は反落。
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6月財政収支 → −8641億ドル
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ドル/円 107.10 〜 107.32
ユーロ/ドル 1.1325 〜 1.1374
ユーロ/円 121.38 〜 121.96
NYダウ +10.50 → 26,085.80ドル
GOLD +12.20 → 1,814.10ドル
WTI −0.45 → 40.10ドル
米10年国債 −0.026 → 0.618%

本日の注目イベント

  • 豪 豪6月NAB企業景況感指数
  • 日 5月鉱工業生産
  • 中 中国 6月貿易収支
  • 独 独6月消費者物価指数(改定値)
  • 独 独7月ZEW景気期待指数
  • 欧 ユーロ圏5月鉱工業生産
  • 欧 OPECプラス会合(15日まで)
  • 欧 OPEC月報
  • 英 英5月鉱工業生産
  • 英 英月5貿易収支
  • 米 6月消費者物価指数
  • 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンライン討論に参加
  • 米 ブレイナード・FRB理事、オンラインセミナーで講演
  • 米 企業決算 → シティグループ、JPモルガン、ウェルズファ−ゴ

本日のコメント

ドル円は1日で107円台を回復してきました。先週末は特段目立った理由がない中、106円64銭まで売られたドル円でしたが、反対に昨日はドルが買われる理由がない中、107円32銭まで反発しています。米長期金利は低下し、株式市場でもナスダックが久しぶりに大きく売られ、コロナ感染も高止まりで推移しています。

また、昨日発表された月次の財政収支では、6月は8641億ドル(約92兆7000億円)の赤字で、過去最大を記録していました。経営が悪化した中小企業への資金支援として、コロナウイルス対策に6月には4800億ドルの財政支出を決めるなど、経済対策費が巨額に上ったことが主因で、ある程度予想されていたことですが、これもドル安要因と見られます。今年度は4兆ドルに上ると見られている財政赤字は、今後のコロナの感染拡大次第では、さらに増える可能性もあります。財政赤字4兆ドルは前年度の4倍にあたり、GDP比で25%前後となり、水準は財政赤字のピークだった第2次世界大戦中に並ぶとの指摘もあります。

トランプ政権は南シナ海における中国の権利主張を公式に非難し、これまで同海域の領有権問題には関与しない方針を大きく変更しました。これにより、さらに米中関係に新たな緊張が高まる可能性が出てきたと言えます。ポンペオ国務長官は13日、「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」との声明を発表しました。ブルームバーグは、海洋覇権争いの激化は、貿易や技術、サイバーセキュリティなどの問題や新型コロナウイルスがパンデミックとなった責任は中国にあるとトランプ大統領が主張していることを巡る米中対立を、さらに悪化させる可能性があると指摘しています。中国はこれに対して今のところ反応を示していませんが、先週米国が新疆ウイグル自治区を巡り中国当局者を制裁対象としたことへの報復として13日、米国のルビオ上院議員やクルーズ上院議員を含む4人の当局者に制裁を科すという報復措置を発表しています。

ダラス連銀のカプラン総裁は13日、経済関連の討論会にビデオ経由で参加し、7−9月の米GDP回復について「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」と述べ、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」と語っています。地区連銀総裁が、経済成長の加速にマスク着用が不可欠であるといった言葉を使うのは、筆者が知っている限り初めてのことで、「経済第一主義」を主張するトランプ大統領に伝わればいいと思わずにはいられません。

107円台に戻ったドル円ですが、ここからさらに上昇する可能性は低いと思われます。引き続き一進一退の動きになると予想していますが、短期的な動きを示す「1時間足」では上昇傾向を示していますが、107円50銭を超えることが出来るかどうかに注目しています。本日は106円80銭〜107円60銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/13 カプラン・ダラス連銀総裁 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 --------
7/13 ポンペオ・国務長官 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 --------
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
6/30 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 --------
6/30 パウエル・FRB議長 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 --------
6/24 IMF 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 --------
6/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 --------
6/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 --------
6/16 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 --------
6/11 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 --------
6/11 ムニューシン・米財務長官 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 --------
6/11 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 --------
6/11 パウエル・FRB議長 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 --------
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和