「EU首脳会議、復興基金で合意できず」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円はこの日発表された経済指標が全て予想を下回り、コロナ感染への影響からドル売りが優勢に。一時は106円94銭まで売られたが、動意は乏しい。
- ユーロドルは小幅に反発。ドル売りの流れから、1.1443までユーロが買われる。
- 株式市場はまちまち。ダウは続落したものの、ナスダックは反発。
- 債券相場は小幅に反落。長期金利は0.62%台へとやや上昇。
- 金は反発し、原油は売られる。
6月住宅着工件数 → 118.6万件
6月建設許可件数 → 124.1万件
7月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 73.2
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| ドル/円 | 106.94 〜 107.28 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1417 〜 1.1443 |
| ユーロ/円 | 122.14 〜 122.57 |
| NYダウ | −62.76 → 26,671.95ドル |
| GOLD | +9.70 → 1,810.00ドル |
| WTI | −0.16 → 40.59ドル |
| 米10年国債 | +0.010 → 0.627% |
本日の注目イベント
- 日 6月貿易収支
- 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(6月15、16日分)
- 独 独6月生産者物価指数
- 欧 ユーロ圏5月経常収支
本日のコメント
注目のEU首脳会議で復興基金創設の議論が続き、会期を延長したものの、合意には至っていません。焦点は、7500億ユーロ(約91兆8000億円)の復興基金案の、返済義務のない補助金と融資の比率です。当初は、補助金5000億ユーロに対して融資2500億ユーロを示しましたが折り合わず、ミシェルEU大統領が補助金4500億ユーロと融資3000億ユーロの案を再提案した模様ですが、それでも合意に至っていません。財政に余裕のあるオランダ、オーストリア、デンマークと、スウェーデンが反対しており、財政難のスペインやイタリアを支援する側面が強いと反対しています。今朝の情報では、オランダなどが基金の総額を7000億ユーロに減額し、補助金と融資の割合いを半々にする対案を提示しているようですが、これに、ドイツやフランスが、最低でも4000億ユーロを補助金とする必要があると主張しており、今朝の時点でも依然として合意に至っていません。もっとも、ユーロドルは今朝も1.14台前半から半ばで推移しており、約4カ月ぶりのユーロ高圏です。相場水準を見る限り、市場は合意を巡っては楽観的なのかもしれません。
米国では引き続き南部フロリダ州と西部のカリフォルニア州やアリゾナ州でのコロナ感染が広がっています。昨日米国全体では、死者数が943人増え、14万369人と、14万人を突破しています。特にフロリダ州では19日、新規感染者数が1万2478人と、5日連続で1万人を上回っており、(ジョーンズホプキンス大学調べ)同州選出の議員は「州のコロナ感染拡大は全く手に負えない状況になっている」と、ABCテレビの番組で話しているそうです。前米食品医薬品局(FDA)のゴットリーブ長官は、フロリダ、アリゾナ、カリフォルニア州が注目されているが、ジョージア、テネシー、ミズーリ、ケンタッキーの各州も今後、新たな震源地になる可能性があるとの見方を示しています。(ブルームバーグ)
この様な状況の中、米議会共和党が新たな追加経済対策として250億ドル(約2兆6800億円)規模の予算案を検討しているようですが、これに対してトランプ政権は難色を示しているようです。この案は共和党上院トップのマコネル院内総務が今週発表する予定ですが、難色を示したトランプ大統領とホワイトハウスで話し合う予定です。今朝の報道でも、大統領選でのバイデン氏への支持率はトランプ氏を15ポイントリードしていると、ABCニュースとワシントン・ポスト紙の最新世論調査が発表されていますが、バイデン氏に支持率の差を広げられている原因の一つが、コロナ対策への遅れと言われています。トランプ氏としても、ここで挽回しておかないと、バイデン氏との差が「決定的」になる可能性があります。
ドル円は106円台半ば〜107円台半ばのレンジが固定化されてきた印象ですが、今週は上述のユーロ圏の復興基金の行方に注目です。復興基金で合意するようだと、ユーロドルが1.15を目指す可能性があります。チャートでも、多くのテクニカルがユーロ高を示唆しており、もしユーロドルが1.15台に乗せるようなら、ドル円も106円台半ばを割り込んでいる可能性があります。それでもドル円が107円近辺で推移しているようなら、ユーロ円が123円を超えていることになります。本日のドル円は106円70銭〜107円40銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/16 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 | -------- |
| 7/16 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 | -------- |
| 7/16 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 | -------- |
| 7/16 | ラガルド・ECB総裁 | 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 | -------- |
| 7/16 | バー・司法長官 | 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 | -------- |
| 7/14 | ブレイナード・FRB理事 | 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 | -------- |
| 7/13 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 | -------- |
| 7/13 | ポンペオ・国務長官 | 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 | -------- |
| 7/8 | ポンペオ・国務長官 | 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 | -------- |
| 7/1 | FOMC議事録 | 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 | -------- |
| 7/1 | ジョンソン・英首相 | 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 | -------- |
| 6/30 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 | 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 | -------- |
| 6/30 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 | -------- |
| 6/24 | IMF | 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 | -------- |
| 6/24 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 | -------- |
| 6/23 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 | -------- |
| 6/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 | -------- |
| 6/11 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 | -------- |
| 6/11 | ムニューシン・米財務長官 | 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 | -------- |
| 6/11 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 | 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 | -------- |
| 6/11 | パウエル・FRB議長 | 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 | -------- |
| 6/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) | 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。 |
| 6/3 | エスパー・国防長官 | 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



