今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ナスダック今月7回目の最高値更新」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は107円台で緩やかに上昇。目立った動意のない中、107円台前半でもみ合いながら方向感が見えない展開。
  • ユーロドルはEU首脳会議での合意が見られないものの堅調に推移し、1.1450まで上昇。
  • 株式市場はIT株を中心に上昇。ナスダックは263ポイント上昇し、今月に入って7回目となる最高値更新。
  • 債券は続伸。長期金利は0.61%台まで低下。
  • 金と原油は上昇。
ドル/円 107.04 〜 107.33
ユーロ/ドル 1.1403 〜 1.1450
ユーロ/円 122.25 〜 122.80
NYダウ +8.92 → 26,680.87ドル
GOLD +7.40 → 1,817.40ドル
WTI +0.22 → 40.81ドル
米10年国債 −0.016 → 0.610%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
  • 日 6月消費者物価指数
  • 米 企業決算 → コカコーラ、ロッキード
  • 加 カナダ5月小売売上高

本日のコメント

4日目を迎えたEU首脳会議では、新型コロナウイルスで打撃をこうむった国々を支援する総額7500億ユーロ(約92兆円)の「復興基金」創設を巡り、オランダなどが返済義務のない補助金の額で強い抵抗を見せているため、今朝の時点でも合意に至っていません。そんな中、何とか妥協点を見出そうと、ミシェル・EU大統領が20日、新提案を提示していると伝えられています。新提案は、基金の総額のうち返済が不要な補助金を3900億ユーロとし、当初案の5000億ユーロから大きく減額するとういうものです。これにより、低金利の融資金額が3600億ユーロ、補助金額が3900億ユーロとなりますが、この新提案が全ての当事者から受け入れられるかどうかは依然不明です。ブルームバーグによると、オランダは復興基金が目的通りに各国経済を向上させるプロジェクトに使われるよう保証する仕組みを求めているようですが、一方でそのような仕組みを導入すれば、資金の提供が遅れると懸念する国もあり、妥協案はこれらの主張のバランスを取ることも目指しているとしています。会議は異例ともいえる4日目に突入し、合意に至らない可能性もある中、市場では楽観的な見方が優勢となっており、ユーロドルはこの日も1.1450まで買われる場面があり、ユーロは対円でも6月8日以来、1カ月半ぶりとなる122円台後半まで上昇しています。

米ナスダック指数は昨日2%を超える上昇を見せ、これで今月だけで7度目となる最高値更新です。ダウやS&P500と比較しても際立った上昇ぶりですが、この勢いをけん引しているのがアマゾンやマイクロソフトといったIT株です。因みに昨年末のナスダック指数は「8,733.07」ポイントで、昨日の引け値が「10,767.09」ポイントです。この間の上昇率は23.3%程になり、昨年末の水準を大きく下回っているダウと比べてもその上昇率は顕著です。3月から続く新型コロナの感染拡大に加え、米中間の緊張の高まりなどがある環境の中、驚くべき上昇率と言えます。もっとも、上昇しているのはナスダックだけではありません。金は言うに及ばす、一時史上初めてマイナスにまで沈んだWTI原油価格も上昇し、FRBによる緩和政策による部分が大きいとは言え、米国債も大幅に買われ、金利は急低下しています。結局根底にあるのは、行き場のない大量の資金が各市場で跋扈(ばっこ)しているということでしょうか。「上がり続ける相場はない」ということを、いま一度頭の片隅にでも入れおくべきでしょう。

本日もEU首脳会議の行方を除いては、これといった材料はありません。ドル円も引きつづき107円台前半から中半ばで推移すると思われますが、予想レンジは106円90銭〜107円60銭程度といったところでしょうか。ユーロドルが1.1450を超えて1.15に迫るのかどうかに注目です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/16 エバンス・シカゴ連銀総裁 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 --------
7/16 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 --------
7/16 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 --------
7/16 ラガルド・ECB総裁 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 --------
7/16 バー・司法長官 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 --------
7/14 ブレイナード・FRB理事 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 --------
7/13 カプラン・ダラス連銀総裁 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 --------
7/13 ポンペオ・国務長官 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 --------
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
6/30 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 --------
6/30 パウエル・FRB議長 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 --------
6/24 IMF 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 --------
6/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 --------
6/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 --------
6/16 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 --------
6/11 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 --------
6/11 ムニューシン・米財務長官 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 --------
6/11 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 --------
6/11 パウエル・FRB議長 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 --------
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和