「金、史上最高値を更新」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続落し、一時は105円12銭までドル安が進む。米株は反発し、長期金利も上昇したがユーロ高に引っ張られる形で円が買われた。
- ユーロドルは一段と上昇し、1.1781までユーロ高が進む。Ifo経済研究所が発表した7月の期待指数が「97」と、2018年後半以来の高水準だったことが材料に。
- 株式市場は3指数とも反発。与党共和党が発表する経済対策への期待からダウは114ドル高。
- 債券相場は続落。長期金利は0.61%台へと小幅に上昇
- 金は大幅に続伸し、2011年9月に記録した最高値を更新。ドルが売られたことで、一時は1941ドル台まで買われ、2000ドルを目指すとの声が優勢に。原油は小幅に続伸。
6月耐久財受注 → 7.3%
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| ドル/円 | 105.12 〜 105.47 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1728 〜 1.1781 |
| ユーロ/円 | 123.63 〜 123.91 |
| NYダウ | +114.88 → 26,584.77ドル |
| GOLD | +33.50 → 1,931.00ドル |
| WTI | +0.31 → 41.60ドル |
| 米10年国債 | +0.026 → 0.615% |
本日の注目イベント
- 米 5月ケース・シラ−住宅価格指数
- 米 7月消費者信頼感指数
- 米 7月リッチモンド連銀製造景況業指数
- 米 企業決算 → ファイザー、スターバックス、3M、VISA、マクドナルド
本日のコメント
ドル円は105円を目指す展開となり、NY市場では105円12銭まで売られました。昨日の東京時間でもドルの上値は重く、日経平均株価が朝方の300円を超える下げから徐々に下げ幅を縮小したにも拘わらず、106円前後からじり安が続きました。NY市場でも、株価は上昇し長期金利も上昇する中、ドル安が進行し、株価や金利との相関が崩れています。
足元の為替市場ではユーロの動きが方向性を決めています。先週20日(月)のEU首脳会議で、返済不要の補助金の割合を巡り難航していた「復興基金」が合意に達し、ユーロドルは1年半ぶりに1.15台に乗せました。その前日には1.14前後を付けていたユーロドルは、「復興基金」創設を好感して上昇し、わずか1週間で380ポイント程上昇しました。やや上昇スピードが速すぎる印象はありますが、ユーロを取り巻く実態経済にも「復活」の兆しが見え、ユーロ高を後押ししています。昨日発表された7月のドイツifo企業景況感指数は「97」と、前月の「91.6」から大きく伸び、2018年後半以来となる高水準を記録しています。「不透明感は依然として残るものの、今年後半の景気回復をけん引する」といった楽観的な見方も出て来ました。ただ個人的にはここから1.2台に乗せるのは、そう簡単ではないと見ています。チャートでは昨日の上昇も、最も長い「月足」の「雲の入り口」でしっかりと抑えられました。ここからの雲は厚みも相当あり、上昇が簡単ではないことを示唆しています。また、ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大が再燃し、第2波に直面する可能性も出てきました。バイエルン州の農園でウイルス検査を受けた約500人の労働者のうち、170人余りが陽性であったことが判明しています。ゼーダー州首相は27日、「第2波が忍び寄っている」と警告を発し、市民に衛生と社会的距離の規則を守り続けるよう訴えています。(ブルームバーグ)
米国への対抗措置として中国政府より閉鎖を求められた四川省成都にある米総領事館では27日、米国旗が降ろされ、米中関係の悪化を象徴する歴史的な節目になりました。多くの専門家の話では米中の「新冷戦」は今後もエスカレートし、どこまで行くのかは予想できないと語っています。トランプ政権はこれまでの中国に対する柔軟な姿勢を一転して強硬姿勢に舵を切りました。ファーウェイの排除に続き、中国政府幹部の資金凍結、中国からの留学生の実質的な締め出し、さらには今回の総領事館閉鎖と、中国に対し矢継ぎ早に制裁を強めています。中国側もこれに対し対抗措置を行っており、米中関係は「新たな段階」に入ったとする見方が支配的です。
日本が4連休だったタイミングでドル円は107円を割り込み、昨日は105円割れを伺う展開にまでドル安が進んできました。米国では、FRBが政策金利をゼロに誘導しているため、インフレ率を考慮した「実質金利」ではマイナスが続いています。実質金利のマイナスは、現金を持っていたら目減りすることを意味します。そのため、多くの銘柄で配当利回りが2%を超える株式市場へ資金が向かうのは、当然の成り行きです。しかもうまくいけば「キャピタルゲイン」も狙える可能性があり、昨日のNYで金がついに1900ドル台まで買われたのも、その動きの一環として見ることができます。世界で最も新型コロナウイルスの感染が広がり、昨日の時点で約423万人の感染者数を出している米国の株価が上昇するのも、この辺りが要因の一つと見られます。ただここでも個人的には、米株式市場はバブルにまみれていると思われ、大きく調整するリスクがあるとする考えは捨て切れません。
ドル円は緩やかに円高が進みそうです。今年3月のコロナ感染の急拡大に伴う乱高下を例外とすれば、ドル円は104台半ばから105円前後では何度も下げ止まっており、ドルの底値圏を形成しています。今回、この先もしばらく円高が続くとすれば、この水準を抜けるのかどうかも注目点の一つです。本日のドル円は104円80銭〜105円70銭程度予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 7/23 | ポンペオ:国務長官 | 「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」 | 株式が売られ、ドル円も円高方向に。 |
| 7/16 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 | -------- |
| 7/16 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 | -------- |
| 7/16 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 | -------- |
| 7/16 | ラガルド・ECB総裁 | 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 | -------- |
| 7/16 | バー・司法長官 | 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 | -------- |
| 7/14 | ブレイナード・FRB理事 | 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 | -------- |
| 7/13 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 | -------- |
| 7/13 | ポンペオ・国務長官 | 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 | -------- |
| 7/8 | ポンペオ・国務長官 | 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 | -------- |
| 7/1 | FOMC議事録 | 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 | -------- |
| 7/1 | ジョンソン・英首相 | 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 | -------- |
| 6/30 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 | 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 | -------- |
| 6/30 | パウエル・FRB議長 | 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 | -------- |
| 6/24 | IMF | 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 | -------- |
| 6/24 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 | -------- |
| 6/23 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 | -------- |
| 6/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 | -------- |
| 6/16 | クラリダ・FRB副議長 | 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 | -------- |
| 6/16 | パウエル・FRB議長 | 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 | -------- |
| 6/11 | クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 | 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 | -------- |
| 6/11 | ムニューシン・米財務長官 | 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 | -------- |
| 6/11 | ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 | 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 | -------- |
| 6/11 | パウエル・FRB議長 | 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 | -------- |
| 6/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) | 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。 |
| 6/3 | エスパー・国防長官 | 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



