今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「金続伸し、一時2000ドル台に乗せる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はさらに下落し、NYでは105円台を割り込み、104円96銭まで売られる。リスク回避ムードが高まり、避難通貨のスイスフランが買われたことも影響。
  • ユーロドルは小幅に反落。このところの急上昇から利益確定の動きも出て、1.1704まで下落。
  • 株式市場は反落。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大と企業決算を手掛かりにダウは205ドル下落。
  • 債券相場は急反発。長期金利は0.57%台まで低下。
  • 金は続伸し一時は2000ドル台に乗せたが、引け値では1944ドル台と、値幅を伴い荒っぽい動きに。
  • 原油は小幅に反落。
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5月ケース・シラ−住宅価格指数 → 3.69%
7月消費者信頼感指数 → 92.6
7月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 10
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ドル/円 104.96 〜 105.35
ユーロ/ドル 1.1704 〜 1.1742
ユーロ/円 123.01 〜 123.44
NYダウ −205.49 → 26,379.28ドル
GOLD +13.60 → 1,944.60ドル
WTI −0.56 → 41.04ドル
米10年国債 −0.036 → 0.579%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第2四半期消費者物価指数
  • 独 独6月輸入物価指数
  • 英 英6月消費者信用残高
  • 米 FOMC 政策金利発表
  • 米 パウエル議長記者会見
  • 米 6月中古住宅販売成約件数

本日のコメント

昨日の東京時間では底堅い動きを見せ、105円台半ば超えまで反発したドル円でしたが、「主戦場」であるNY市場では再び下げに転じ、105円台を割り込み、104円96銭までドル安が進んでいます。105円割れは、今年3月13日以来ということになり、昨日の本欄でも述べたように、「104円台半ばから105円前後の、非常に重要なサポート」をテストし、一旦この水準で下落を抑えられた格好になっています。特に昨日はドルスイスでスイス高が進み、一時は0.9154近辺までドルが売られ、実に、2015年6月以来、約5年ぶりの水準を記録した影響で円が買われた部分もあったようです。先々週までは「リスク回避のドル買い」といった動きもありましたが、リスク回避が本格的になると、やはり「主役のスイスと円が登場」といった格好です。

FRBは9月までの予定だった「緊急融資プログラム」を3カ月延長し、今年末まで継続すると発表しました。新型コロナウイルスの感染が止まらず、厳しい状況が続く景気をサポートすることを目的としています。米国内のコロナ感染状況は依然として一進一退が続いており、アリゾナ州では新規感染者の伸びが鈍化しているものの、フロリダ州では死者数と入院者数が過去最高に上っています。またNY州のすぐ隣のニュージャージー州でも感染が拡大している模様です。一方で米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、新型コロナウイルスのワクチンについて、晩秋までに世界が回答を得られることに「慎重ながら楽観的だ」と語っています。(ブルームバーグ)ただ、WHOの報道官は「新型コロナウイルスに季節性はない」とし、夏には感染が収まると見られていた考え方に警鐘を鳴らしています。

昨日の各市場の動きを見ると、明らかにリスク回避モードに入った印象があります。米長期金利は0.6%を割り込み、4月に記録した、過去最低水準である0.54%割れに迫っています。また、上昇傾向を強めている金は昨日、史上最高値となる2000ドル台に乗せる場面もありました。さらにビットコインは1万ドルを大きく超えており、WTI原油価格も高水準で推移しており、リスクが高まった際に買われる傾向のあるものは、概ね上昇しています。上記、円やスイシーが買われているのもその一環と見ることができます。新型コロナウイルスのワクチンは早ければ年内にも量産される可能性があります。現在ワクチン開発に関わっている企業は世界で30社弱あると言われており、その中でも米ファイザーが一歩抜け出ており、続いて英アストラゼネカが続いているようです。従って、今回のコロナによる混乱が収束に向かうのは「時間の問題」と言えますが、問題はその時期がまだ不透明だということです。そのため、多くの投資家が「不安」や「動揺」を払拭できず、リスクオフにつながっているものと思われます。株式市場ではその「不透明さ」と「大量のマネー」がせめぎあいを続けている状況です。

日本でも昨日は東京都に加え、大阪府や愛知県で過去最多の新規感染者が確認されており、1日の感染者数が全国では1000人に迫っています。重症患者を受け入れるベッドの数も徐々にひっ迫する中、政府はあの悪評の「アベノマスク」をさらに配布することを決めたようです。日本におけるコロナ感染第2波は勢いを増しており予断を許しません。残念なことに、さらに追い打ちをかけるかのように、九州地方を中心に大きな被害をもたらした「自然災害」は、今度は山形や秋田など、東北地方にも及んできました。このまま円を買い続けていいのか、一度立ち止まって冷静に考える必要があるのかもしれません。本日のドル円は104円60銭〜105円60銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/23 ポンペオ:国務長官 「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」 株式が売られ、ドル円も円高方向に。
7/16 エバンス・シカゴ連銀総裁 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 --------
7/16 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 --------
7/16 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 --------
7/16 ラガルド・ECB総裁 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 --------
7/16 バー・司法長官 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 --------
7/14 ブレイナード・FRB理事 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 --------
7/13 カプラン・ダラス連銀総裁 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 --------
7/13 ポンペオ・国務長官 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 --------
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
6/30 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 --------
6/30 パウエル・FRB議長 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 --------
6/24 IMF 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 --------
6/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 --------
6/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 --------
6/16 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 --------
6/11 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 --------
6/11 ムニューシン・米財務長官 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 --------
6/11 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 --------
6/11 パウエル・FRB議長 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 --------
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和