今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米第2四半期GDP記録的な落ち込み」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米第2四半期GDPが記録的な減速を示し、米長期金利がさらに低下したことを受け、ドル円は104円68銭まで下落。前日のドル安水準をやや下回る。
  • ユーロドルは続伸し、約2年2カ月ぶりの水準となる1.1848までユーロ高が進む。ユーロは対円でも昨年5月以来となる124円19銭前後まで買われる。
  • 株式市場はまちまち。IT株が好決算を発表したことから、ナスダックは44ポイント上昇したが、ダウは225ドル安。
  • 債券相場は続伸し、長期金利は一時0.534%台まで低下。
  • 金は10日ぶりに反落。原油は米景気の落ち込みを手掛かりに1ドルを超える下落。
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4−6月GDP(速報値) → −32.9%
新規失業保険申請件数 → 143.4万件
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ドル/円 104.68 〜 105.27
ユーロ/ドル 1.1742 〜 1.1848
ユーロ/円 123.54 〜 124.19
NYダウ −225.92 → 26,313.65ドル
GOLD −9.90 → 1,966.80ドル
WTI −1.35 → 39.92ドル
米10年国債 −0.028 → 0.546%

本日の注目イベント

  • 豪 豪第2四半期生産者物価指数
  • 日 6月失業率
  • 日 6月鉱工業生産
  • 中 7月中国製造業PMI
  • 中 7月中国サービス業PMI
  • 独 独6月小売売上高
  • 欧 ユーロ圏4−6月期GDP(速報値)
  • 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数(速報値)
  • 米 6月個人所得
  • 米 6月個人支出
  • 米 6月PCEコアデフレータ
  • 米 4−6月雇用コスト指数
  • 米 7月シカゴ購買部協会景気指数
  • 米 7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 企業決算 → キャタピラー、エクソンモービル、メルク

本日のコメント

事前に予想された通り、米第2四半期GDPは記録的な落ち込みを見せました。市場予想よりはマイナス幅が少なかったものの、前期比「9.5%」の減少で、年率換算では「−32.9%」と、新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。これは四半期ベースの公表を開始した1947年以降で最も急激な落ち込みと報告されています。GDPの7割を占めるとされている個人消費の落ち込みが、前年比年率で34.6%減少した影響が大きく、またコロナによる相手国の景気の悪化の伴う輸出も64.1%減となったことがGDPを大きく押し下げました。7−9月期に関しては、多くのエコノミストが力強い伸びを見せると予想していますが、前日パウエル議長が述べていたように「コロナの感染状況に左右される」ため、大きな伸びを見せるかどうかは不透明だと言えます。

米経済成長の急激な落ち込みを受け、株式市場ではIT株を除いては大きく売られ、債券相場が上昇。10年債利回りは過去最低となる、0.53%台まで低下しています。金利の低下にドルが全面安の展開となり、ドル円は104円台ミドル、ユーロドルは2年2カ月ぶりとなる1.18台ミドルまで上昇しています。ドル円については、下落したものの、依然として重要なサポートレベルである、104円台半ばから105前後のサポートゾーンは抜け切れていません。ただ、徐々に下値を切り下げてきており、急激な円高にはならないものの、緩やかにドルが売られる流れは変わっていません。

コロナ感染は世界的に拡大しています。米国では、昨日フロリダ州で死者数が253人と、3日連続で過去最多を記録し、カリフォルニア州でも194人と、過去2番目の多さとなっています。またフランスでも、国内の感染率がこの3週間でほぼ倍増し、フランス衛生当局は、「迅速かつ大規模な取り組みが必要」と警告しています。日本でも同じです。昨日の夕方からのニュースは「コロナ一色」といった感じで、東京都では367人の感染が確認され、過去最多を更新し、大阪、愛知、福岡でも100人を大きく超える感染者が出ています。1日も早いワクチンの開発・普及が望まれますが、ブルームバーグによると、英アストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発を進めている新型コロナワクチン候補が、英国で1万人近くに投与されたようで、このワクチン候補がパンデミック抑制に寄与するかどうかを確かめる上で、「重要な第一歩を踏み出した」と報じています。

11月の米大統領選に向けて厳しい闘いを強いられているトランプ大統領が、選挙そのものを延期しようといった「奇襲作戦」に打って出ました。トランプ氏は30日ツイートで、「人々が適切かつ確実、そして安全に投票できるようになるまで、大統領選を延期すべきではないだろうか」と、問いかけました。その理由としてトランプ氏は「全米で郵便投票を採用すれば、2020年の選挙は歴史上最も不正確で不正にまみれたものになるだろう」とツイートし、「米国にとって大きな恥になるだろう」と述べています。実際には法律の改正が必要なことから、不可能かとは思いますが、すでに両党議員らは反対の声を上げているようです。大統領選まで残り3カ月となり、発表される世論調査は全てバイデン氏リードを伝える中、トランプ氏は「起死回生」を狙っているようです。

本日も景気を判断する材料が幾つか発表されます。コロナの影響を受けネガティブな内容が予想されていますが、さらに下振れしているようだと、株価の下落と共にドル円がもう一段の下落を見せるかもしれません。予想レンジは104円10銭〜105円10銭程度といったところでしょうか。

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「新型コロナウイルスは決して新しくはない」・・・・・米ペンシルベニア州立大学の研究チームは科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」に、SARSコロナウイルス2型の起源は「キクガラシコウモリだと考えるのが妥当だ」との論文を発表しています。コロナウイルスは小型のコウモリを宿主に何十年も存在していたのではなかったかと結論付けています。(ブルームバーグ、デイブレイクより)コロナの感染拡大は一向に衰えず、世界の感染者数は1700万人に達していますが、(7月30日現在)1日も早いワクチンの開発が望まれます。

良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
7/29 パウエル・FRB議長 「われわれが経験したことのない厳しさだ」、「経済の今後の道筋は極めて不透明であり、大部分はウイルスを抑制できるかどうかに左右される」、「景気回復には金融・財政政策の両面からの支援が必要だ」 ドル円105円近辺から104円77銭まで下落。株式市場は3指数とも揃って上昇。
7/29 FOMC声明文 経済活動と雇用は急激な落ち込み後、ここ数カ月に幾分か上向いたものの、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「経済が最近の出来事を乗り切り、最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道にあると、委員会が確信するようになるまで、FF金利をゼロ付近で維持する」 --------
7/23 ポンペオ:国務長官 「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」 株式が売られ、ドル円も円高方向に。
7/16 エバンス・シカゴ連銀総裁 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 --------
7/16 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 --------
7/16 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 --------
7/16 ラガルド・ECB総裁 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 --------
7/16 バー・司法長官 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 --------
7/14 ブレイナード・FRB理事 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 --------
7/13 カプラン・ダラス連銀総裁 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 --------
7/13 ポンペオ・国務長官 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 --------
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
6/30 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所所長 「最近の急増が好転しない場合、1日当たりの新規感染例が現在の4万人から10万人に増えても驚かない」(死者数についても)、「極めて憂慮すべき数字になるのは確実だ」 --------
6/30 パウエル・FRB議長 「われわれは重要な新段階に予想より早く入った。経済活動の回復には歓迎されるが、それはまた、新たな課題、特にウイルスを抑制し続ける必要性を示す」、「経済の今後の経路は極めて不確実であり、ウイルス抑制の成否に大きく左右される」 --------
6/24 IMF 「世界経済は大封鎖に陥り、大恐慌以来で最悪の景気後退だ」 --------
6/24 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4−6月期は年率40%のマイナス成長が見込まれており、重大な危機だ」「戦後経験したどんな数字よりも4倍悪い」 --------
6/23 ブラード・セントルイス連銀総裁 (YCCについて)「現時点ではこの件について、答えよりも疑問の方が多い。低金利がかなり長期続くとすでに見込まれているため、この手法がFOMCでいずれ採用されるとはあまり考えられない」 --------
6/18 ブラード・セントルイス連銀総裁 「4月が最悪の月だったと期待したい。最近のデータはそれを示しているようだ」、「米国が危機を脱したとは全く考えていない」 --------
6/16 クラリダ・FRB副議長 「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」 --------
6/16 パウエル・FRB議長 「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」 --------
6/11 クドロー・国家経済会議(NEC)委員長 「V字回復を実現する確率は非常に高い。失業率は低下し、2021年も堅実で堅調な一年になる」 --------
6/11 ムニューシン・米財務長官 経済の再閉鎖は「さらにダメージが広がる。経済の打撃だけではない。今のところ持ちこたえている医療でも問題が起きる」、「経済を再び閉鎖するわけにはいかない」 --------
6/11 ファウチ・米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長 「一部の国や州ではロックダウンから回復しつつあるが、ウイルス感染が再び勢いを増すリスクはなおある」「終わりにはほど遠い」 --------
6/11 パウエル・FRB議長 「利上げについては考えることすら考えていない」(新型コロナウイルス感染拡大からの景気回復を支援するため)「利用可能なあらゆる手段を必要な期間だけ用いることを強くコミットしている」 --------
6/5 ラガルド・ECB総裁 「景気の改善はこれまでのところ、緩慢だった」、「行動する必要があった」、「必要なことは何でもやる」(ECB理事会後の会見で) 追加緩和をきめたことで、ユーロドルは1.12台後半から1.13台半ばまで上昇。
6/3 エスパー・国防長官 「法執行当局の役割で軍を動員するという選択肢は最後の手段とすべきで、極めて緊急性が高く切迫した状況に限定する必要がある。今の状況はそれには当てはまらない。暴動法の発動は支持しない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和