「NYダウとS&P500は7日続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は先週末の雇用統計発表後に106円台を回復し、その後105円台に押し戻されたものの、再び106円台に。コロナ感染の鈍化傾向や景気対策を好感し、ドルが底堅く推移。
- ユーロドルは1.19台を示現してからは軟調に推移。1.1736まで売られ、終始1.17台で推移。
- 株式市場はまちまち。ダウとS&P500は7日続伸したが、ナスダックは下落。
- 債券相場は続落。長期金利は10日ぶりに0.57%台まで上昇。
- 金は3日ぶりに反発。原油も反発。
| ドル/円 | 105.72 〜 106.13 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1736 〜 1.1792 |
| ユーロ/円 | 124.32 〜 124.75 |
| NYダウ | +357.96 → 27,791.44ドル |
| GOLD | +11.70 → 2,039.70ドル |
| WTI | +0.72 → 41.94ドル |
| 米10年国債 | +0.011 → 0.576% |
本日の注目イベント
- 豪 豪7月NAB企業景況感指数
- 日 6月貿易収支
- 日 6月国際収支
- 日 7月景気ウオッチャー調査
- 独 独8月ZEW景気期待指数
- 英 英失業率(4月−6月)
- 米 7月生産者物価指数
- 米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、オンライン討論に参加
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、オンライン討論に参加
本日のコメント
米国では国内のコロナ感染の拡大傾向に変化が見られ、景気対策への期待と共に株価を押し上げています。新型コロナウイルス感染者数は500万人を超えていますが、ニュージャージー州など、これまでに打撃の大きかった州の一部で改善傾向が見られています。ホワイトハウスと民主党は、景気対策の規模や内容を巡って対立を続けていますが、トランプ大統領が失業給付金の拡充や家賃未払いを理由に立ち退きを猶予する措置などに関する大統領令に署名を行い、財政支出の権限は議会が握っていることはありますが、一歩前進した格好です。景気対策についても、ムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長がここに来て、前向きな姿勢を見せていることから、合意は可能との見方が強まっています。
この様な状況を好感し、NY株式市場ではダウが連日上昇を続け、昨日も357ドル高と、これで7日続伸です。この間の上昇幅は1478ドル(5.61%)に達し、2月24日以来となる2万7000ドル台を付けています。ハイテク株を中心とするナスダックは先週、連日で最高値を更新していましたが、ナスダック指数に比べて出遅れていたダウ指数に資金が向かってきたと見ることも出来そうです。ただ一方で、コロナ禍での世界的な株価の上昇に加熱の兆しも出てきたとブルームバーグは報じています。時価総額でみた世界の株式市場が、ドルに換算した世界経済を規模で上回ったことで、市場は過熱している兆候との見方も出ているようです。世界の株式市場は9日時点で時価総額が87兆8300億ドルに到達し、2019年の世界のGDP、87兆7500億ドル(2019年末時点での世界の名目GDP:世銀まとめ)を超えたと報じています。2005年以降、過去2回同じような状況が出現していますが、いずれもその後大幅な調整局面を迎えているのは、興味深い事実のようです。
トランプ政権は中国に対する強硬姿勢をさらに強め、9日トランプ政権のアザー厚生長官が台湾を訪問しました。1979年の断交以来、米政権では最も高位にある立場の人の台湾訪問となり、中国は猛反発を見せています。トランプ政権はこれに先立ち、香港の民主化を巡り香港政庁のトップであるキャリー・ラム長官を含む11人の制裁を発表しています。これに対して中国側も対抗措置を発表していますが、台湾の空域に軍機を飛ばし、東シナ海にある浙江省舟山群島周辺で実弾射撃訓練を行うと発表するなど、米中関係はさらに激化しています。米国の中国専門家の中には、「米中関係はすでに修復不能な段階にまで来ている」との意見もあります。
ドル円は再び106円台に戻し、106円前後で推移しています。先月末には104円20銭を下回る水準までドル安が進み、どこまで下値があるのかを探る展開でしたが、ドルも底堅い動きを見せており、現時点では100円を目指す展開には至っていません。ユーロドルも二度、1.19台まで「ユーロ高・ドル安」が進みましたが、この動きも一服です。ドルの上値は引き続き重いと見られますが、上値は4時間足の120時間足に上昇を抑えられている格好です。まずは、このレジスタンスを抜けるかどうかです。一方下方では、同じく4時間足の「雲の上限」で支えられている状況で、この辺りを考慮して、本日の予想レンジは105円70銭〜106円40銭程度とみます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 8/6 | ベイリー・BOE総裁 | 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 | -------- |
| 7/29 | パウエル・FRB議長 | 「われわれが経験したことのない厳しさだ」、「経済の今後の道筋は極めて不透明であり、大部分はウイルスを抑制できるかどうかに左右される」、「景気回復には金融・財政政策の両面からの支援が必要だ」 | ドル円105円近辺から104円77銭まで下落。株式市場は3指数とも揃って上昇。 |
| 7/29 | FOMC声明文 | 経済活動と雇用は急激な落ち込み後、ここ数カ月に幾分か上向いたものの、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「経済が最近の出来事を乗り切り、最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道にあると、委員会が確信するようになるまで、FF金利をゼロ付近で維持する」 | -------- |
| 7/23 | ポンペオ:国務長官 | 「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」 | 株式が売られ、ドル円も円高方向に。 |
| 7/16 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 | -------- |
| 7/16 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 | -------- |
| 7/16 | ウイリアムズ・NY連銀総裁 | 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 | -------- |
| 7/16 | ラガルド・ECB総裁 | 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 | -------- |
| 7/16 | バー・司法長官 | 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 | -------- |
| 7/14 | ブレイナード・FRB理事 | 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 | -------- |
| 7/13 | カプラン・ダラス連銀総裁 | 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 | -------- |
| 7/13 | ポンペオ・国務長官 | 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 | -------- |
| 7/8 | ポンペオ・国務長官 | 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 | -------- |
| 7/1 | FOMC議事録 | 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 | -------- |
| 7/1 | ジョンソン・英首相 | 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



