今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル2年3カ月ぶりに1.19台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル安が進み、ドル円は105円29銭まで売られる。ユーロドルでユーロが買われたこともあり、円を買う動きが優勢に。
  • 1.19台に乗せると売られてきたユーロドルは、節目を抜けると一段と上昇し、1.1966まで買われる。
  • ハイテク株が買われ、ナスダックとS&P500は揃って最高値を更新。ダウは66ドル売られ、続落。
  • 債券は買われ、長期金利は0.66%台へと低下。
  • 金は続伸し、2000ドルの大台を回復。原油は変わらず。
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9月住宅着工件数 → 149.6万件
9月建設許可件数 → 149.5万件
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ドル/円 105.29 〜 105.56
ユーロ/ドル 1.1905 〜 1.1966
ユーロ/円 125.49 〜 125.87
NYダウ −66.84 → 27,778.07ドル
GOLD +14.40 → 2,013.10ドル
WTI ±0 → 42.89ドル
米10年国債 −0.019 → 0.669%

本日の注目イベント

  • 日 7月貿易収支
  • 朝 北朝鮮、朝鮮労働党中央委員総会
  • 欧 ユーロ圏7月消費者物価指数
  • 英 英7月消費者物価指数
  • 米 FOMC議事録(7月28−29日分)
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、ウェブ会議に参加

本日のコメント

やはりユーロの上昇傾向は変わっていなかったようです。これまで2度、1.19台に乗せると上昇が抑えられ、先週には1.17台前半まで押し戻される展開が続いていましたが、昨日のNYではついにそのレジスタンスゾーンを抜け、一気に1.1966までユーロ高が進みました。2018年5月以来となる高水準です。

ドイツの製造業を中心に、景気底入れを示唆する経済データがユーロ買いにつながっており、足元のコロナ騒動が収束すれば、日米欧で最も早く景気回復が望めるとの見方が支えになっています。中国の景気がいち早く回復基調にあることも、特に中国への輸出依然度が高いドイツにとっては追い風となっており、7月21日の「復興基金」創設でユーロ買いが加速してから、ユーロドルはすでに500ポイント以上も上昇しています。次の目安は1.2を突破できるかどうかですが、「大台」ということもあり、再び手前で足踏みすることも予想されますが、依然ユーロには強気の姿勢を維持しています。チャートでもすでに「週足」では、全てのレジスタンスを上抜けしており、「月足」の一目均衡表の雲の上限が1.21台後半にあることから、仮に1.2台を回復したらこの水準が目先の「最大の難所」と予想しています。一方105円台前半まで売られてきたドル円はユーロに比べ、「上昇スピード」は遅く、その分、ユーロ円が上昇していますが、105円前後が目先の下値のメドで、そこが抜けたら7月31日に記録した104円19銭辺りということになります。前回この水準を付けた頃のセンチメントは、「104円を抜けて102.3円程度まで円高が進む」といった見方が優勢でした。しかし、実際にはその日のNYで106円近辺までドルが急反発し、その後106円台後半までドルが買い戻されたことは記憶に新しいところです。従って、このままドル安円高が大きく進むという見方は、現時点では想定しにくいと考えます。

とは言っても、昨日のNYではナスダックとS&P500が再び「最高値」を更新し、売られていた金(きん)も2000ドル台を回復してきました。原油も高止まりしており、仮想通貨の「ビットコイン」も昨日は売られてはいますが、1万2000ドル台です。ドルから他の市場に資金が流れていると見られ、ドル安傾向は変わっていないと考えられます。

昨日から始まった民主党全国大会では、バイデン氏とハリス氏が正式に正副大統領候補に選出される見通しです。ハリス氏を副大統領候補に指名したバイデン氏は、折からの人種差別問題の高まりや白人主義が批判される中、リベラルで、公正、公平を米国民にイメージさせたことで、選挙戦を有利に闘っています。特に、ヒスパニック系や黒人系の支持を集めやすいと考えられます。加えて、昨日のオンライン大会にはコロナ対策で人気をはくしたNY州知事のクオモ氏が登場しました。クオモ知事は「分断がトランプ氏を生み、トランプ氏がそれをより深刻にした」と述べ、多くの支持者から賛同を得ていました。一時はトランプ氏に10ポイント程の差を付けていたバイデン氏でしたが、ここに来てトランプ氏が猛追しており、その差が7ポイント程に縮小していると言われていますが、バイデン氏は「ドナルド・トランプを、1期限りの大統領にしてみせる」(日経新聞)と、自信を見せています。大統領選まで2カ月余りです。両氏の政策の違いも徐々に明確になってきました。特に税制では法人税の引き上げや富裕層への課税強化などを明言しているバイデン氏が「当確」となると、株式市場が反応し、それに伴ってドル円も動く可能性があります。21日から24日までの予定で共和党全国大会も開催されます。いよいよ米大統領選を巡る市場の反応も顕著になってくると思われます。

民主党のペロシ下院議長は、ホワイトハウスとの景気対策協議が行き詰る中、党として現在要求している規模3兆5000億ドル(約368兆円)を半減することに前向きな姿勢を示しています。民主党が以前検討した2兆ドル未満の規模で交渉する用意があると、ブルームバーグは報じています。ただ、ホワイトハウスが主張する規模は1兆ドルで、依然としてその規模に大きな差があることが懸念されます。

本日のドル円は104円70銭〜105円60銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
8/6 ベイリー・BOE総裁 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 --------
7/29 パウエル・FRB議長 「われわれが経験したことのない厳しさだ」、「経済の今後の道筋は極めて不透明であり、大部分はウイルスを抑制できるかどうかに左右される」、「景気回復には金融・財政政策の両面からの支援が必要だ」 ドル円105円近辺から104円77銭まで下落。株式市場は3指数とも揃って上昇。
7/29 FOMC声明文 経済活動と雇用は急激な落ち込み後、ここ数カ月に幾分か上向いたものの、今年初めの水準をなお大きく下回っている」、「経済が最近の出来事を乗り切り、最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道にあると、委員会が確信するようになるまで、FF金利をゼロ付近で維持する」 --------
7/23 ポンペオ:国務長官 「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」 株式が売られ、ドル円も円高方向に。
7/16 エバンス・シカゴ連銀総裁 「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」 --------
7/16 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」、マイナス金利の可能性については「答えはノー」 --------
7/16 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」 --------
7/16 ラガルド・ECB総裁 発言内容: 「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が引き続き、個人消費と企業投資の重しとなっている」、「十分な金融緩和が依然として必要だ」、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに引き続き完全にコミットしている」 --------
7/16 バー・司法長官 「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」 --------
7/14 ブレイナード・FRB理事 「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向にフォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」 --------
7/13 カプラン・ダラス連銀総裁 「残念ながら、この感染症が再燃したことで景気回復は鈍りつつあり、経済成長は弱まっている」、「われわれが全員マスクを着用すれば、この病気の伝染を大幅に減らし、それが成長加速につながる可能性が高いだろう」 --------
7/13 ポンペオ・国務長官 「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対して中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」 --------
7/8 ポンペオ・国務長官 「世界は中国共産党の本当の姿を目撃した。世界中の自由な人々が現実に示されているこの脅威を理解するようになると、これまで以上に強気確信する」、「習近平国家主席が世界に与えた影響は、自由な人々、民主主義を愛する人々に良いものではない。世界は団結してこれに対処するだろう」 --------
7/1 FOMC議事録 「委員会のフォワードガイダンス自体が引き続き信頼を得ている限り、イールドカーブに上限や目標を設定する政策を採用してフォワードガイダンスを強化する必要が生じるのか明確でないと、多くの参加者が主張した」 --------
7/1 ジョンソン・英首相 「国家安全法の施行は中英共同宣言に対する明白かつ深刻な違反だ」、「香港の高度な自治を侵害し、香港基本法と対立するものだ」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和