今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米ナスダック続落」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は106円台前半で小動き。値幅も20銭に届かず、今週行われるFOMCの結果を見たいとする雰囲気に。
  • ユーロドルも小動き1.1858までユーロ高が進み、ドルが軟調な展開に。
  • 株式市場はまちまち。ダウは131ドル上昇したが、ナスダックはハイテク株が軟調となり、66ポイント安。
  • 債券は買われ、長期金利は0.66%台に低下。
  • 金は反落し、原油はほぼ横ばい。
ドル/円 106.06 〜 106.22
ユーロ/ドル 1.1826 〜 1.1858
ユーロ/円 125.48 〜 125.87
NYダウ +131.06 → 27,665.64ドル
GOLD −16.40 → 1,947.90ドル
WTI +0.03 → 37.33ドル
米10年国債 −0.011 → 0.666%

本日の注目イベント

  • 日 7月鉱工業生産(確定値)
  • 日 自民党総裁選、投開票
  • 欧 ユーロ圏7月鉱工業生産
  • 欧 OPEC月報

本日のコメント

米株式市場は引続きハイテク株の動きが大きく、荒っぽい展開が続いていますが、為替市場では材料不足から値幅の出ない、静かな動きになっています。先週末のNYは特に動きがなく、今週16日(水)のFOMCを見極めたいとする雰囲気が強く、ドル円は16銭程度の値幅に留まっています。一方、一時は1.20台を達成し、その後は利益確定の売りや、ECB高官によるユーロ高をけん制する発言に、1.17台半ばまで売られたユーロドルは1.18台半ばまで反発してきました。しかし、ラガルドECB総裁など、ECBからはユーロ高を懸念する発言が出やすく、再び1.2台に乗せて来るのかは微妙な状況です。

ユーロドルはここ1カ月ほど、1.17台半ばがサポートとして機能しており、下値が底堅いのも事実で、景気回復に伴うユーロ高が期待できるものの、こちらもなかなか読みにくい展開になっています。ラガルド総裁は13日、「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」と、アラブ諸国の中銀総裁や金融当局との会合で述べ、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」と指摘し、必要とあれば政策手段の全てを調整する用意がECBにはあると表明しました。ドイツを中心に景気回復基調が鮮明になってきたユーロ圏の景気にとって、ユーロ高がさらに進むと、自動車産業など輸出企業にとっては「逆風」となるばかりではなく、ユーロ高は輸入物価を押し下げ、ECBの目標である「インフレ率2%」という物価目標の達成にも「逆風」になります。もっとも、このところのユーロ高は、ユーロ圏の景気回復基調というファンダメンタルズの改善だけによるものではなく、ドル安の影響による側面も無視できません。米国の金融緩和の長期化により、為替市場では「ドルの先安感」が拭いきれず、投機筋を中心に「ドル売り・ユーロ買い」の動きが活発になっていました。ドル円で思ったほど円高が進まないのも、こうした動きの影響もあります。

自民党は本日午後に両院議員総会を開き、総裁選の投開票を行います。地方票でもトップを走っている菅氏の総裁就任はまちがいないと思われ、本日午後3時半ごろには投票結果が判明し、新総裁は夕方以降に記者会見するようです。16日には「首班指名」が行われ新しい首相が決まりますが、焦点は閣僚人事かと思います。代わりばえしないような結果なら、新政権への期待もしぼみ、一向に収まらない新型コロナウイルスと相まって、景気回復への希望も盛り上がらないことになりそうです。菅氏は昨日のNHKの番組で、「役所の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打破し、規制改革を進める」と述べています。

米ファイザー製薬のブーラCEOは、米国ではワクチンが年内に一般向けに配備される「可能性が高い」と発言し、そのシナリオに備えて準備しているようです。新型コロナを巡る見通しに楽観的な見方が戻ってきたと、ブルームバーグは報じています。本日のドル円は大きな動きはないと予想されます。105円80銭〜106円50銭程度といったところでしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4  パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ:RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナードFRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
8/31 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」 --------
8/31 クラリダ・FRB副議長 「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」「この変更はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、特に低・中所得層地域の多くではなおさら重要だと考える」(ジャクソンホールでのバーチャル講演で) --------
8/19 FOMC議事録 「今会合より後の金融政策の見通しについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」、「新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を顕著に制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」 株と債券が売られ、長期金利が上昇したことからドル円は105円台後半から106円台前半まで買われる。
8/17 ミシェル・オバマ前大統領夫人 「トランプ大統領は、大統領職を務められると証明できる十分な時間があったのに、今では明らかにお手上げ状態になっている」、「黒人の命が重要という単純な事実をも愚弄している」、「われわれはジョー・バイデンに投票しなければいけない」 --------
8/6 ベイリー・BOE総裁 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和