今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円2週間ぶりに105円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は下落し、2週間ぶりに105円55銭を付ける。本日から始まるFOMCでハト派的な姿勢が示されるとの見方からドル売りが優勢に。
  • ユーロドルはやや上昇し、1.1888までユーロ高が進む。
  • 株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。大型のM&Aが好感され、新型コロナに対するワクチン開発進展の動きも株価の上昇を後押し。ナスダックは203ポイント上昇し、1万1000ポイント台を回復。
  • 債券はほぼ横ばい。長期金利は0.67%台で推移。
  • 金は反発し、原油価格はほぼ変わらず。
ドル/円 105.55 〜 106.01
ユーロ/ドル 1.1860 〜 1.1888
ユーロ/円 125.28 〜 125.89
NYダウ +327.69 → 27,993.33ドル
GOLD +15.80 → 1,963.70ドル
WTI −0.07 → 37.26ドル
米10年国債 +0.007 → 0.672%

本日の注目イベント

  • 豪 RBA議事録
  • 中 中国8月小売売上高
  • 中 中国8月鉱工業生産
  • 独 独9月ZEW景気期待指数
  • 欧 国際エネルギー機関(IEA)月報
  • 英 英8月失業率
  • 米 9月NY連銀製造業景況指数
  • 米 8月輸入物価指数
  • 米 8月鉱工業生産
  • 米 8月設備稼働率
  • 米 第75回国連総会(NY、30日まで)
  • 米 企業決算 → アドビ、フェデックス

本日のコメント

106円台前半で推移していたドル円は2週間ぶりに105円55銭まで売れられています。特に目立ったドル売り材料が出たわけでもなく、本日から始まるFOMCで、よりハト派的な姿勢が示されるのではないかとの観測が強まり、ドルが主要通貨に対して下落しています。昨日のこの欄でも触れたように、105円ミドルから106円ミドルの狭いレンジの中、どちらを抜け切るのかが焦点でしたが、市場予想通りFOMCで現在の「ゼロ金利政策」がより長期にわたって維持されるといったメッセージが発せられるようだと、ドル円は緩やかに下落していく可能性が高いとみられます。

EUは14日、中国首脳とテレビ会議を開き、その中で香港情勢などに懸念を示し、中国に対する圧力を強める姿勢を示しました。会合には中国からは習近平主席も出席し、EU側からはミシェルEU大統領、フォンデアライエン欧州委員長、さらに議長国ドイツのメルケル首相も出席しました。習近平主席は「中国とEUは戦略的パートナー関係をぶれずに安定的に発展させるべきだ」と述べ、対米関係が悪化している中、EUとの良好な関係を維持したい考えをにじませています。フォンデアライエン欧州委員長は会談後、「投資協定を結ぶ価値があると、中国はEUを納得させなければならない」とし、「中国の行動を求めている」と述べています。EUは中国との経済的結びつきが強く、ドイツは主要輸出の半分以上が中国向けといった現状ですが、米国が中国包囲網を強めている中、EUも徐々に中国関係の修正をせまられているようです。

菅氏は昨日の自民党総裁選で圧勝し、新総裁に決まりました。結果については予想された通りで、驚きはありませんが、16日の首班指名を経て新しい首相に就任します。新型コロナウイルスが拡大する中でも、経済活動を維持し発展させなければならないという、難しい課題に立ち向かうことになります。これまでの発言では、規制改革に本腰を入れていくという以外に、これといった目立った政策はありませんが、首相就任演説では「目玉の政策」を打ち出すのかもしれません。菅氏は、全体的にみれば「無難」な政策運営を行っていくと見られ、個人的には「可もなく不可もなく」といった印象です。いいかどうかは別にして、今回敗れた石破氏のような個性は感じられないといったところです。「外交が苦手」といった前評判を払拭するのに懸命でしたが、安倍首相のような「外交三昧」は少なくともないのでしょう。これで仮にバイデン氏が米大統領選挙で勝利すれば、「シンゾウ・ドナルド」に変わる、新たな「ヨッシー・ジョー」が生まれるかもしれません。

ドル円は、これまで何度も予想し、ここでも述べていたように、再び105円台半ばまで売られ、やや下値を試す展開に傾いたように思えます。105円50銭と、その下方の105円前後が重要な節目であることは変わりがありませんが、FOMCを前に動き出したところに、これまでとは何か異なるような気もします。もっとも、今後さらにドル安が進むとしても緩やかなものになりそうです。菅氏も、為替については円高を避けたいとの考えを持っているようです。本日のドル円は105円20銭〜106円10銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4  パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ:RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナードFRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
8/31 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」 --------
8/31 クラリダ・FRB副議長 「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」「この変更はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、特に低・中所得層地域の多くではなおさら重要だと考える」(ジャクソンホールでのバーチャル講演で) --------
8/19 FOMC議事録 「今会合より後の金融政策の見通しについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」、「新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を顕著に制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」 株と債券が売られ、長期金利が上昇したことからドル円は105円台後半から106円台前半まで買われる。
8/17 ミシェル・オバマ前大統領夫人 「トランプ大統領は、大統領職を務められると証明できる十分な時間があったのに、今では明らかにお手上げ状態になっている」、「黒人の命が重要という単純な事実をも愚弄している」、「われわれはジョー・バイデンに投票しなければいけない」 --------
8/6 ベイリー・BOE総裁 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和