今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMC、2023年末までのゼロ金利政策維持を示唆」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円はじり安となり、FOMC前には105円を割り込み、104円80銭まで下落。パウエル議長の会見を受け105円台に戻す場面もあったが再び104円台に。
  • ユーロドルは1.18台後半まで買われたがその後反落。1.1788まで売られる荒っぽい動きに。
  • パウエル議長の会見を受けハイテク株が売られ、ナスダックは139ポイント下落。ダウは小幅に上昇するなど、株式市場の反応はまちまち。
  • 債券は小幅に下落。長期金利は0.7%付近まで上昇。
  • 金は3日続伸。原油価格はハリケーン「サリー」がメキシコ湾岸に上陸したことで大幅に続伸。約2週間ぶりに40ドル台に乗せる。
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8月小売売上高 → 0.6%
9月NAHB住宅市場指数 → 83
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ドル/円 104.80 〜 105.14
ユーロ/ドル 1.1788 〜 1.1876
ユーロ/円 123.88 〜 124.79
NYダウ +36.78 → 28,032.38ドル
GOLD +4.30 → 1,970.50ドル
WTI +1.88 → 40.16ドル
米10年国債 +0.018 → 0.697%

本日の注目イベント

  • 豪 豪8月雇用統計
  • 日 日銀金融政策決定会合
  • 日 黒田日銀総裁記者会見
  • 欧 ユーロ圏8月消費者物価指数(改定値)
  • 英 BOE金融政策発表
  • 英 BOE議事録
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 9月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米 8月住宅着工件数
  • 米 8月建設許可件数

本日のコメント

ドル円は続落し、7月末以来となる105円割れを示現しました。軟調な経済指標を受け、ドルはFOMCの結果発表前に104円80銭まで下げ、FOMCではよりハト派的の姿勢が示されるとの見方が根強く、ジリジリと下げる展開でした。FOMCでは予想通り、新型コロナ感染のパンデミックからの米経済回復を支援するため、少なくとも2023年いっぱいは、ゼロ付近の金利を維持することが示唆されました。

声明文では、「FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」とし、「期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ」と記され、フォワードガイダンスが強化された形になっています。さらに声明文では、今回の決定では8人の委員が賛成し、2人の委員が反対票を投じた。反対票を投じたのはダラス連銀のカプラン総裁と、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の二人で、カプラン総裁は、経済が最近の出来事を乗り越え、新たな政策戦略で明言しているように最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道に乗っていると委員会が確信するまでは、現行の目標レンジを維持するのが適切だと想定した。同総裁はしかし、その時点から先は政策金利に関してより柔軟性を保持することが望ましいと主張した。カシュカリ総裁は、コアインフレが持続的に2%に達するまで現行の目標レンジを維持すると見込んでいると、委員会が示唆することを望んだ、と記されています。(ブルームバーグ)

また会合後の記者会見の席でパウエル議長は、「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」と述べ、「今後の道筋は依然極めて不透明だ」と景気回復の勢い継続に確信が持てないとの認識を示し、さらに「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」、「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」と述べ、財政面からの支援が不可欠との見方も示しています。

FOMCの結果とパウエル議長の会見を受け、ドル円はやや値を戻す場面もありましたが、戻りも限定的で今後しばらくは米金利の上昇がないことから、ドルの先安感がぬぐえない展開になっています。ドル円は105円台半ばのサポートを割り込み、さらに昨日は105円前後の重要なレベルを割り込みました。本欄でも何度か指摘したように、ドル円はドル安基調が維持され、特に今週に入ってからは緩やかな下落基調を明確に示し始めています。2023年末まで現在のゼロ金利が維持され、緩和的な政策が続くとすれば、米国の実質金利がプラスに転じる可能性は低く、ドルの実質的な価値が低下することは避けられません。今後行われる米大統領選の結果にもよりますが、ドルの先安感を払拭するきっかけをなかなか掴めないのが実情です。今後は7月31日に付けた直近ドルの安値である104円20銭が意識される展開が予想されます。ドル円は、ここで踏み留まれるかどうかが、年末にかけてのドル円の動きにとって大きな意味を持ちそうです。本日のドル円は104円60銭〜105円30銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/16 パウエル:FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4  パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ:RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナードFRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
8/31 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」 --------
8/31 クラリダ・FRB副議長 「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」「この変更はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、特に低・中所得層地域の多くではなおさら重要だと考える」(ジャクソンホールでのバーチャル講演で) --------
8/19 FOMC議事録 「今会合より後の金融政策の見通しについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」、「新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を顕著に制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」 株と債券が売られ、長期金利が上昇したことからドル円は105円台後半から106円台前半まで買われる。
8/17 ミシェル・オバマ前大統領夫人 「トランプ大統領は、大統領職を務められると証明できる十分な時間があったのに、今では明らかにお手上げ状態になっている」、「黒人の命が重要という単純な事実をも愚弄している」、「われわれはジョー・バイデンに投票しなければいけない」 --------
8/6 ベイリー・BOE総裁 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和