今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米大統領候補テレビ討論会実りなし」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は引き続き105円台半ばでもみ合い。追加の経済対策への合意期待が盛り上がったものの不発。第1回大統領候補テレビ討論会での議論も期待はずれに終わった。
  • ユーロドルは1.1752前後まで買われたが、ポジション調整の域を出ず小幅に反落。
  • 株式市場は大幅に反発。追加の経済対策合意への期待からダウは500ドルを超える上昇を見せたが、結局合意に至らず上げ幅を縮小。ダウは329ドル高、ナスダックは82ポイントの上昇で取り引きを終える。
  • 債券は反落。長期金利は0.68%台まで上昇。
  • 金は3日ぶりに反落。原油は反発。
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9月ADP雇用者数 → 74.9万人
4−6月GDP(確定値) → −31.4%
9月シカゴ購買部協会景気指数 → 62.4
8月中古住宅販売成約件数 → 8.8%
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ドル/円 105.41 〜 105.74
ユーロ/ドル 1.1685 〜 1.1752
ユーロ/円 123.47 〜 123.93
NYダウ +329.04 → 27,781.70ドル
GOLD −7.70 → 1,895.50ドル
WTI +0.93 → 40.22ドル
米10年国債 +0.034 → 0.684%

本日の注目イベント

  • 日 7−9月期日銀短観
  • 独 独9月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
  • 欧 ユーロ圏8月失業率
  • 欧 ユーロ圏9月製造業PMI(改定値)
  • 欧 EU臨時首脳会議(2日まで、ブリュッセル)
  • 米 9月自動車販売
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 8月個人所得
  • 米 8月個人支出
  • 米 8月PCEコアデフレータ
  • 米 9月ISM製造業景況指数
  • 米 8月建設支出
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 米 ボウマン・FRB理事講演

本日のコメント

「貴方の対応が悪かったから20万人もの人が亡くなった」、「いや、あなたが大統領だったら何百万人もの人が亡くなっただろう」・・・・。注目された第1回大統領候補テレビ討論会は史上最悪の討論会だったと、多くの識者は論じています。筆者も全てを観たわけではありませんが、建設的な政策議論もなく、お互いに相手を罵倒する言葉の応酬でした。トランプ氏はバイデン氏の発言中に何度も言葉を発し続け、司会者から黙るよう注意される場面もありました。90分余りにわたる討論も結局は、「勝者はいなかった。敗者は米国だ」といった言葉が印象的でした。今回の討論会で共和党トランプ大統領と民主党バイデン前副大統領による非難の応酬で混乱したのを受け、米大統領候補討論会委員会は(CPD)は30日、2回目以降の討論会では形式を変える意向であることを明らかにしました。第2回の討論会は10月15日に行われる予定で、その前7日には副大統領候補による討論会も予定されています。両陣営とも、次回の討論会からは相手の弱い所を攻撃することを止め、具体的な政策論争に軸足を移してくることを期待したいと思います。

今回の討論会は結果的には勝者はいないと言われていますが、有権者への印象はややバイデン氏が有利だったようです。昨日の東京時間昼には、討論会を終えバイデン氏勝利の確率がやや高まったことが報じられると、ドル円はやや円高に振れ、日経平均株価は下げ足を急速に早め、この日の安値圏で取り引きを終えています。バイデン氏が勝利すれば、法人税増税や富裕層への増税が確実と言われ、「反ウォール街」と見られていることに反応した結果かと思います。しかし、昨日のNY市場ではその影響は全くなく、株価は大幅に上昇しています。『バイデン勝利=ドル安・株安』といった公式が本当に当てはまるのか、いましばらく見極める必要がありそうです。

ムニューシン財務長官は30日ペロシ下院議長と約1時間半協議した後、まだ合意に至っていないと述べました。ムニューシン財務長官は「自分とペロシ議長の交渉は、この数日間で大きく前進した」としながらも、「まだ合意には至っておらず、さらに取り組むべき仕事がある。どうなるか、やがてわかるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)またマコネル共和党院内総務も、新たな経済対策を望んでいるものの、共和、民主両党の立場にはまだなお隔たりがあると述べ、合意が近いことには否定的でした。

米大統領選まであと1カ月です。まだドル円は大きな反応を見せてはいませんが、今後急速にボラティリティが上昇することが予想され、ドル円も値幅を伴って上下する可能性があります。特にシステム売買やAIといった、人の手を介さない取引が多くを占める昨今の市場では、ヘッドラインだけで瞬時に反応し売り買いを実行します。そのためレートも飛びやすく、値幅も増幅されやすいと言えます。いよいよ10月です。これまでよりも慎重な見極めが必要になってきます。

本日のドル円は105円10銭〜105円80銭程度でしょうか。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/28 ラガルド・ECB総裁 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 --------
9/28 ペロシ・下院議長 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。
9/23 クラリダ・FRB副議長 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 --------
9/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 --------
9/22 パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 --------
9/16 パウエル・FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4 パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ・RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナード・FRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
8/31 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」 --------
8/31 クラリダ・FRB副議長 「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」 --------
8/27 パウエル・FRB議長 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」「この変更はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、特に低・中所得層地域の多くではなおさら重要だと考える」(ジャクソンホールでのバーチャル講演で) --------
8/19 FOMC議事録 「今会合より後の金融政策の見通しについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」、「新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を顕著に制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」 株と債券が売られ、長期金利が上昇したことからドル円は105円台後半から106円台前半まで買われる。
8/17 ミシェル・オバマ前大統領夫人 「トランプ大統領は、大統領職を務められると証明できる十分な時間があったのに、今では明らかにお手上げ状態になっている」、「黒人の命が重要という単純な事実をも愚弄している」、「われわれはジョー・バイデンに投票しなければいけない」 --------
8/6 ベイリー・BOE総裁 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和