今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円3週間ぶりに106円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • トランプ大統領の景気対策に関する前向きなツイートにリスクオンが強まり、ドル円は約3週間ぶりに106円台を回復。この日の高値圏で取り引きを終える。
  • ユーロドルは小幅に下落。ドルが買われたことで1.17台半ばまで売られる。
  • 株式市場は大幅に反発。景気対策を巡るトランプ大統領のツイートを材料に朝方から買いが優勢となる。ダウは530ドル高と、約1カ月ぶりの高値を記録。
  • 債券は反落。長期金利は0.79%付近まで上昇。
  • ドル高の流れから金は続落。原油も売られ40ドル台を割り込む。
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8月消費者信用残高 → −72.2億ドル
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ドル/円 105.86 〜 106.08
ユーロ/ドル 1.1758 〜 1.1782
ユーロ/円 124.56 〜 124.85
NYダウ +530.70 → 28,303.46ドル
GOLD −18.00 → 1,890.80ドル
WTI −0.72 → 39.95ドル
米10年国債 +0.052 → 0.787%

本日の注目イベント

  • 日 8月貿易収支
  • 日 8月国際収支
  • 日 10月日銀地域経済報告(さくらリポート)
  • 日 9月景気ウオッチャー調査
  • 中 中国9月財新サービス業PMI
  • 中 中国9月財新コンポジットPMI
  • 独 独8月貿易収支
  • 独 独8月経常収支
  • 欧 ECB議事要旨
  • 欧 OPEC、世界石油見通し
  • 欧 ノーベル文学賞受賞者発表
  • 英 ベイリー・BOE総裁、パネル討論に参加
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 加 カナダ8月住宅着工件数

本日のコメント

「米景気対策を巡るドラマはまだ終わりそうもない・・・・・」前日、追加の景気対策に関する協議を大統領選挙後まで行わないとしたトランプ大統領のツイートで株価が大きく下げ、債券が買われ、長期金利の低下につながりましたが、その直後に今度は一転して「1200ドル(約12万7000円)の小切手を個人に配布する独立した法案(Stand Alone Bill)が議会を通過し、送られた場合には、直ちに署名する用意がある。聞いているか、ナンシー?」とツイートしました。ナンシーとは言うまでもなく、民主党下院議長のナンシー・ペロシ氏を指していますが、このツイートを好感し、昨日のNY株式市場は朝方から急騰しました。「依然として追加の景気対策を巡る協議進展の可能性がある」との連想からダウは530ドル上昇し、他の株価指数も1.5%近い上昇を見せました。ダウは約1カ月ぶりの高値を付けています。債券は売られ、10年債利回りは直近の高値を抜き、0.79%近辺まで上昇しています。

ペロシ議長は7日、ムニューシン財務長官と電話で協議を行い、航空会社に的を絞った個別法案には前向きな姿勢を示したものの、個人に1200ドルを直接給付する法案については、「新型コロナウイルスに伴う困難に対処するには不十分だ」と発言し、トランプ大統領からの圧力をはねのけました。(ブルームバーグ)しかしペロシ氏は包括的景気対策案については、交渉の可能性を閉ざしてはいないと見られますが、依然として協議の行方に関しては不確実性が高い状況が続いています。

将来利上げを行う際の基準について、明確な指針を示した前回のFOMCでしたが、その議事録の内容が公表されました。9月15、16日に行われた会合では、ダラス連銀のカプラン総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が反対票を投じました。議事要旨では、「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」と記述されていました。「インフレ率が上昇し、一定期間2%を適度に超える軌道に乗るまで」とした、物価上昇の基準を明確にすることによって、FRBの柔軟な金融政策に影響が出るといった声もあり、意見が分かれていたことが判明しました。

ドル円は106円08銭までドル高が進みました。前日のNY株の急落にもドル円は105台半ばを維持しており、底堅いとは見ていました。値幅としてはたいしたことはありませんが、約3週間ぶりの高値です。日足では、ドル円は現在雲の中で推移しており、雲の上限に迫る形になっています。雲の上限は106円15銭前後にあり、この水準を明確に抜け切ると、ドルの先安観にもやや修正が加わる可能性が出てきます。ドルの上昇も非常に緩やかで、その動きを基準にすると、相場観の切り替えを行う状況でもありませんが、それだけに、ずるずると放置してしまい、相場の転換点を見失しなうリスクもあります。

本日は日本時間10時から米副大統領候補の討論会があります。トランプ大統領がコロナに感染したこともあり、注目度は増しています。共和党のペンス副大統領はこの討論会で、どこまでトランプ大統領への支持を奪回出来るのかが焦点です。今朝の時点でも、コロナに感染したトランプ氏への「同情票」は伸びず、バイデン氏がリードを広げているとの報道があります。

本日のドル円は105円50銭〜106円30銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
9/28 ラガルド・ECB総裁 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 --------
9/28 ペロシ・下院議長 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。
9/23 クラリダ・FRB副議長 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 --------
9/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 --------
9/22 パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 --------
9/16 パウエル・FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4 パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ・RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナード・FRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和