「ユーロドル3週間ぶりに1.18台半ばに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は軟調な展開となり小幅に反落。ユーロドルでドル安が進んだこともあり、ドル円は105円59銭まで下落。
- ユーロドルは約3週間ぶりとなる1.1831まで上昇。中国人民元でドル安が進んだことも重石となった。
- 株式市場は主要指数が揃って3日続伸。トランプ政権が追加の経済対策の規模を引き上げたことを好感し、ダウは161ドル高。
- 債券は売られ、長期金利は0.77%台へと小幅に低下。
- 金は大幅に続伸。原油は反落。
| ドル/円 | 105.59 〜 105.95 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1793 〜 1.1831 |
| ユーロ/円 | 124.78 〜 125.08 |
| NYダウ | +161.39 → 28,586.90ドル |
| GOLD | +31.10 → 1,926.20ドル |
| WTI | −0.59 → 40.60ドル |
| 米10年国債 | −0.011 → 0.774% |
本日の注目イベント
- 欧 ノーベル経済学賞受賞者発表
- 英 ベイリー・BOE総裁講演
- 米 NY休場(コロンブスデー)
- 米 米上院司法委員会、バレット最高裁判事候補の承認公聴会開始
本日のコメント
ドル円は先週末のNYで、ユーロドルに引っ張られる形で105円台半ばまで売られ、106円台がなかなか定着しません。先週は米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大や、米実質金利のマイナス幅縮小などを手掛かりに106円台に乗せ、106円08銭までドル高が進む場面がありましたが、結局押し戻されています。テクニカルでも、日足の「雲入り」は果たしたものの、106円17〜18銭前後にある「雲の上限」を抜け切ることが出来ず、押し戻された格好になりました。ドルの下値も底堅いことから依然もみ合いが続くと思われますが、米大統領選も近付き、いつ大きく動いてもおかしくはありません。大統領選挙前までにはポジションの整理を行うことも必要かと思います。
11月3日の米大統領選が迫る中、ワシントンではトランプ大統領がコロナからの復活を盛んにアピールする動きと、追加の経済対策案を巡る駆け引きが活発化してきました。トランプ大統領は10日、ホワイトハウスに数百人の支持者を集め、コロナ感染からの回復をアピールしましたが、ホワイトハウスではバレット最高裁判所判事任命の式典でクラスターが発生しており、バイデン氏はこれを強く非難していました。
一方で追加の経済対策を巡る問題では、予算案の規模をこれまでの1兆6000億ドル(約169兆円)から2000億ドル積み上げ、1兆8000億ドルとする案を民主党に提案し歩み寄る姿勢を見せましたが、ペロシ下院議長はこの提案に対して「不十分だ」との認識を示しています。ペロシ議長は民主党の同僚議員への書簡で、「トランプ政権の提案は一歩前進、二歩後退だ」と指摘し、「多くの優先事項で依然として相違がある」と述べています。(ブルームバーグ)またマコネル共和党院内総務も、依然として規模に大きな隔たりがあることから、「大統領選挙前には合意できないだろう」と語っています。追加の景気対策を巡っては、規模の差もありますが、ここにきて大統領選を意識してやや「戦略的道具」になっている印象があります。トランプ大統領とすれば、この段階で追加の景気対策を合意できれば、有権者に好印象を与えることが出来、選挙戦に有利に働きますが、一方で民主党のペロシ議長としては、規模の点ではあくまでも譲歩せず、「国民のために必要な大規模な景気対策」を推し進めることで、民主党への支持を確保することが出来ます。また、このまま合意せず投票日を迎えれば、トランプ大統領へも大きなダメージを与えることも出来ることから、このまま「譲歩しない」可能性もあると考えます。
投票日が近付くにつれ両候補への支持率の差が広がっています。11日に発表されたワシントンポスト紙とABCニュースの調査では、バイデン氏の支持率は54%で、トランプ氏が42%と、その差が12ポイントに拡大しています。また支持者の内訳では、バイデン氏は郊外に住む女性からの支持率が62%と、トランプ氏の34%を大きくリードしている一方、郊外の男性からの支持率では、トランプ氏(54%)がバイデン氏(43%)を上回っています。郊外の有権者は両陣営が取り込みを狙っている層と言われていますが、全体ではバイデン氏が53%で、トランプ氏が44%になっています。(ブルームバーグ)
第2回目の大統領候補によるテレビ討論会は15日に予定されていましたが、トランプ大統領がオンラインによる参加を拒否したことから、討論会委員会は2回目の討論会を中止すると発表しました。最終回となる3回目は、現時点では22日に行われる予定です。
米国ではいよいよ「選挙戦モード」に入ってきます。「Make America Great again」をさらに強めるのか、あるいは「保護貿易」、「自国第一主義」を排除し、再び「グローバル化」を推し進めるのか、米国のこれからの4年間が、あと3週間余りで決まります。本日米国は「コロンブスデー」のため休日です。ドル円はさらに小動きで、105円40銭〜105円90銭程度を予想します。
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米国が「コロンブスデー」で休場のため、明日の「アナリストレポート」はお休みとさせていただきます。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
| 9/28 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 | -------- |
| 9/28 | ペロシ・下院議長 | 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 | NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。 |
| 9/23 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 | -------- |
| 9/22 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 | -------- |
| 9/22 | パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) | 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 | -------- |
| 9/16 | パウエル・FRB議長 | 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 | 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 | 株価は上昇しドル円は下落。 |
| 9/13 | ラガルド・ECB総裁 | 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 | -------- |
| 9/7 | トランプ大統領 | 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 | -------- |
| 9/4 | パウエル・FRB議長 | 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 | -------- |
| 9/3 | アンソニー・ニエベス・ISM委員長 | 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 | -------- |
| 9/1 | ロウ・RBA総裁 | 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 | -------- |
| 9/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 | ドルが売られ、長期金利が低下。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



