「NY株4日続伸」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 米債券市場が休場だったこともありドル円は小動きの中じり安の展開に。105円23銭前後までドル安が進む。
- ユーロドルでは1.18を挟みながらも、小幅なドル高ユーロ安が進行。
- 株式市場は揃って4日続伸。アップルやアマゾンが上昇をけん引する形で、ナスダックは2.5%を超える上昇に。
- 金は続伸。原油は続落し40ドル台を割り込む。
| ドル/円 | 105.23 〜 105.46 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1794 〜 1.1817 |
| ユーロ/円 | 124.28 〜 124.50 |
| NYダウ | +250.62 → 28,837.52ドル |
| GOLD | +2.70 → 1,928.90ドル |
| WTI | −1.17 → 39.43ドル |
| 米10年国債 | ------ → 0.774% |
本日の注目イベント
- 中 中国9月貿易統計
- 独 独9月消費者物価指数(改定値)
- 独 独10月ZEW景況感指数
- 英 英9月失業率
- 米 9月消費者物価指数
- 米 IMF世界経済見通し
- 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、オンライン討論に参加
- 米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
- 米 企業決算 → シティーグループ、JPモルガン、J&J、ブラックロック
本日のコメント
ドル円は105円台半ばを頭に、薄商いの中じりじりと値を下げ105円23銭近辺まで下落し、10日ぶりのドル安水準を付けています。昨日は米債券市場が休場で、金利の動きはなく、NY株式市場ではハイテク株を中心に続伸し、株高でリスク選好が高まったにも拘わらずドルが売られました。ただ、その他の主要通貨の動きを見ると、ユーロや豪ドルでは若干ドル高が進み、ポンドではドル安が進むなど、まちまちの展開でした。
ペロシ下院議長とムニューシン財務長官は今週も協議を続け、2兆2000億ドル(約232兆円)規模の民主党案と、1兆8000億ドル規模のホワイトハウス案の隔たりを埋める話し合いを行うようです。トランプ大統領もツイートで共和党に対して、米連邦最高裁判所判事候補エイミー・バレット氏の承認公聴会を早めに切り上げ、景気支援に集中するよう促しました。ただブルームバーグは、共和党議員の多くがホワイトハウス案を拒否している上に、下院議員は12日週内の採決は見込まれていないと通知されたことから、「この協議が合意に至った場合でも、11月3日の大統領選前に経済対策法案がまとめられ、議会を通過する可能性はほぼなくなった」と報じています。トランプ大統領は、15日の第2回討論会が中止になったこともあり、12日夜にはフロリダ州オーランドでの集会を皮切りに、13日にはペンシルベニア州、14日はアイオワ州へ飛び、演説を行う予定です。バイデン氏リードが伝えられる中、「コロナを克服した大統領」を前面に出し、最後の逆転勝利に向かって突き進むようです。
NY株市場は4日続伸しました。特にナスダック指数は2.5%を超える上昇で、9月2日に記録した1万2056ポイントに手が届く水準まで回復しています。昨日はアップルやアマゾンなどのハイテク株が上昇をけん引するなど、9月に最高値を付けた時の状況に似てきました。米国では一旦収束したかに見えた新型コロナウイルスの感染が再び拡大傾向を見せており、12日に示された医学誌「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」によると、新型コロナウイルス感染で亡くなる人の割合は、先進国では米国が最も高いとの調査結果を公表しています。米国での死亡率は当初、英国やスペイン、オランダなどより低かったが、夏場に入ってからの公衆衛生対策の不備が響いたとの報告を示しています。また同雑誌の中で、サマーズ元財務長官は「新型コロナウイルスが米国に与える経済的打撃について、失われた命や健康への直接的影響を考慮すれば被害額は16兆ドル(約1700兆円)に達するとし、金融危機後の大不況時の4倍のコストとなる」と述べています。(ブルームバーグ)再び上昇傾向を見せている足元の株価とは相容れないような気がしますが、ゼロ金利政策と大規模な資金供給が支える構図と言えるのでしょう。
今朝の経済紙では、バイデン氏が勝利しても「円安」の可能性があることを紹介しています。確かに、バイデン氏が勝てば民主党が提案している大規模な経済対策が実行される可能性が高まり、株価が上昇し、金利が上昇することで「ドル高円安」という図式も想定されます。一方トランプ氏が勝ったら、これまでの株価重視の流れから、こちらも株価の上昇につながり易いと考えることができます。ただ異なるのは、中国への制裁がさらに強められることになり、米中関係のさらなる悪化からリスクオフの円買いが進むと見ることも出来そうです。さらにトランプ氏は、FRBに対して常に利下げ圧力をかけてきました。今後は「マイナス金利導入」へも圧力をかけることも考えられます。「バイデン氏が勝利しても円安」ではなく、「バイデン氏が勝利しなければ円安は進まない」と言ったら言い過ぎでしょうか。
本日のドル円は105円〜105円70銭程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
| 9/28 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 | -------- |
| 9/28 | ペロシ・下院議長 | 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 | NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。 |
| 9/23 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 | -------- |
| 9/22 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 | -------- |
| 9/22 | パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) | 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 | -------- |
| 9/16 | パウエル・FRB議長 | 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 | 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 | 株価は上昇しドル円は下落。 |
| 9/13 | ラガルド・ECB総裁 | 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 | -------- |
| 9/7 | トランプ大統領 | 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 | -------- |
| 9/4 | パウエル・FRB議長 | 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 | -------- |
| 9/3 | アンソニー・ニエベス・ISM委員長 | 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 | -------- |
| 9/1 | ロウ・RBA総裁 | 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 | -------- |
| 9/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 | ドルが売られ、長期金利が低下。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



