「ユーロドル2週間ぶりに1.17台を割り込む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は105円台前半から半ばで推移し、引き続き明確な方向感を見せず。ユーロドルなどでドルが買われたことがややドル円を押し上げ、105円50銭前後まで上昇。
- ユーロドルは売られ約2週間ぶりに1.17台を割り込む。新型コロナの感染が再拡大していることや、英国との通商交渉の不透明感が重石となり、1.1689まで売られる。
- 株式市場は3日続落。朝方から売りが優勢となりダウは一時300ドルを超える下げに。午後にかけて下げ幅を縮小し、結局19ドルの小幅安で引ける。
- 債券相場は小幅に反落。長期金利は0.73%台で推移。
- 金は続伸し、原油は小動きの中やや下落。
| ドル/円 | 105.19 〜 105.49 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1689 〜 1.1712 |
| ユーロ/円 | 123.01 〜 123.45 |
| NYダウ | −19.80 → 28,494.20ドル |
| GOLD | +1.60 → 1,908.90ドル |
| WTI | −0.08 → 40.96ドル |
| 米10年国債 | +0.007 → 0.732% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏8月貿易収支
- 欧 ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
- 米 9月小売売上高
- 米 9月鉱工業生産
- 米 9月設備稼働率
- 米 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
本日のコメント
交渉が難航しているEUと英国の通商問題を巡り、ベルギーのブリュッセルで開かれたEU首脳会議での協議を終えたEU首脳は、英国に対し一段の譲歩を改めて求めました。フランスのマクロン大統領は「条件が満たされなければ合意がないことはあり得る。その用意は出来ている」と述べ、これに対して英国の交渉責任者であるフロスト氏は、EUの姿勢に対して「驚き、失望した」と語っています。これを受けジョンソン英首相は、EU首脳会議が終了する16日に合意妥結への決意がEU側にあるかを見極めた上で、交渉の継続もしくは打ち切りを決断するとしています。(ブルームバーグ)英国は出来る限りを尽くしたと考え、EUに譲歩を促していますが、EU首脳らは、解決責任は英国政府にあるとの見解でまとまっており、再び昨年まで、もめにもめた「BREXIT」の様相を呈してきました。
英国との通商交渉の不透明さに加え、欧州では新型コロナの感染が再び猛威を振るってきました。フランスは15日朝までの24時間で新たに3万621人が感染し、2度目の非常事態宣言を発令。パリなど主要都市で夜9時から朝6時までの外出を禁止すると発表しました。また英国でも17日からロンドン市民の行動制限を強化することを決めています。イタリアとオランダでも1日ベースの感染者数が過去最多となっており、コロナ感染は欧州全域に広がる気配を見せています。これらを材料にユーロドルは約2週間ぶりに、節目の1.17を割り込む水準まで売られドルが買われました。この日も市場では「有事のドル買い」といった言葉が出ていたようです。ドル円でもドル買いが優勢となり、105円台半ばまで上昇していますが、依然として値動きは緩慢です。
一方、もう一つの「不透明さ」を見せているのが米国の追加の経済対策を巡る動きです。すでに11月3日の大統領選までの合意の可能性はなくなったと見られていますが、トランプ大統領は追加の経済対策に関し、政権案の規模を最新の1兆8000億ドル(約190兆円)からさらに引き上げることを支持しました。トランプ氏はFOXビジネスとのインタビューで、「自分だったら間違いなくこの額を超える規模にする」と話し、まだ合意が遅れている責任はペロシ下院議長にあると非難しました。「進行を止めているのはわれわれではない。彼女だ」と述べ、「選挙後まで待ちたがっている。それが共和党への痛手になると彼女は考えている」と語っています。ただ「身内である」与党共和党のマコネル上院院内総務は、「大統領が語っているのは、私がわが党議員を納得させられる規模をはるかに上回る額だ」と指摘し、政権の経済対策案の規模は上院共和党が支持することのできる額を超えていると、直ちにこれをはねつけています。トランプ氏自身が規模の増額に前向きなことから、急転直下ペロシ下院議長を納得させることができる可能性もあるかもしれませんが、対策案は議会で承認される必要があるため、結局「合意」の可能性はほとんど残っていないということになりそうです。
ドル円は今日も余り大きな動きは予想できません。引き続き「BREXIT」の行方とコロナに関する情報に左右される展開かと思いますが、「有事のドル買い」が継続するのかどうかにも注意したいところです。本日のドル円は105円〜105円80銭程度を予想します。
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またまた新型コロナウイルスの話題ですが、世界で最も感染者数と死亡者数の多いのは、言うまでもなく米国です。10月15日時点で、その数は感染者が791万人と、死者は21万6000人にもなります。しかし、その米国が「ワースト1」の座を譲る可能性が出て来ました。米国を上回りそうなのがインドです。なにしろ、インドが米国に次ぎ2位に浮上したのが9月7日のことで、その時点での両国の状況は、感染者の数で、米国627万人、インド420万と、米国が200万人以上もインドを上回っていました。それが、15日時点ではインドの感染者数が730万人にまで増え、その差が61万人になっています。米国よりも人口がはるかに多いことと、衛生環境が悪いことからこのペースで行けば、11月にもインドがワースト1と、不名誉な記録を達成しそうです。今年もあと2カ月半・・・・。コロナとの共存が避けられない中、今年の最後にこの数字はどうなっているのでしょう・・・?
良い週末を・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 10/14 | クラリダ・FRB副議長 | 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 | -------- |
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
| 9/28 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 | -------- |
| 9/28 | ペロシ・下院議長 | 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 | NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。 |
| 9/23 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 | -------- |
| 9/22 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 | -------- |
| 9/22 | パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) | 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 | -------- |
| 9/16 | パウエル・FRB議長 | 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 | 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 | 株価は上昇しドル円は下落。 |
| 9/13 | ラガルド・ECB総裁 | 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 | -------- |
| 9/7 | トランプ大統領 | 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 | -------- |
| 9/4 | パウエル・FRB議長 | 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 | -------- |
| 9/3 | アンソニー・ニエベス・ISM委員長 | 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 | -------- |
| 9/1 | ロウ・RBA総裁 | 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 | -------- |
| 9/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 | ドルが売られ、長期金利が低下。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



