今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米小売売上高5カ月連続で改善」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は前日とほぼ同水準で推移。米小売売上が予想以上に好調だったが、ドルの上昇は105円44銭止まり。
  • ユーロドルも小動きの中、1.17台前半から半ばで推移。
  • 株式市場は良好な小売売上高などの発表を受けたがまちまち。ダウは112ドル上昇したものの、ナスダックは続落。
  • 債券相場は続落。長期金利は0.74%へと小幅に上昇。
  • 金は3日ぶりに下落。原油は小幅安。
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9月小売売上高 → 1.9%
9月鉱工業生産 → −0.6%
9月設備稼働率 → 71.5%
10月ミシガン大学消費者マインド(速報値)→ 81.2
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ドル/円 105.23 〜 105.44
ユーロ/ドル 1.1713 〜 1.1746
ユーロ/円 123.18 〜 123.71
NYダウ +112.11 → 28,606.31ドル
GOLD −2.50 → 1,906.40ドル
WTI −0.08 → 40.88ドル
米10年国債 +0.013 → 0.746%

本日の注目イベント

  • 日 9月貿易収支
  • 中 7−9月GDP
  • 中 中国9月小売売上高
  • 中 中国9月鉱工業生産
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 米 10月NAHB住宅市場指数
  • 米 パウエル議長、IMFのパネル討論に出席
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 米 クラリダ・FRB副議長講演
  • 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
  • 米 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米 企業決算 → IBM

本日のコメント

9月の米小売売上高は市場予想を大きく上回る「1.9%」の伸びを見せ、これで5カ月連続の改善です。コロナウイルスの感染が再び拡大傾向を見せ、議会では追加の経済対策に関する合意がまとまらない中、個人消費は底堅さを保っているようです。ただ週600ドルの失業保険上乗せ給付金が7月末で失効したのに伴い、トランプ大統領が大統領令で週300ドルの一時的な措置を講じた経緯があるものの、この措置の賃金は縮小していると見られます。そのため、「今回の大幅な伸びは、消費者が貯蓄を取り崩していることを一部反映している可能性がある」(ブルームバーグ)といった見方があります。米国ではGDPの7割を個人消費が占め、個人消費の伸びがGDPに大きな影響を与えます。

追加の経済対策を巡る攻防は依然としてまとまる可能性はありませんが、ペロシ下院議長は大統領選が行われる11月3日より前に追加経済対案法案で合意できるとの望みを失っていないとしたうえで、ホワイトハウスとの協議の期限を20日に設定しました。また、トランプ大統領も対策規模の引き上げに前向きな姿勢を改めて示したと報じられています。ただ、共和党のマコネル上院院内総務は、これ以上の規模の引き上げは「党内の議員を説得できない」と反対しています。米財務省のクローリー報道官によると、ムニューシン財務長官とペロシ議長は17日夜に1時間15分の協議を行ったがまとまらず、19日にも再び協議することで合意しています。

先週行われたEU首脳会議では英国との妥協点が見出せず合意に至っていませんが、EU側は英国との交渉が今週も継続されると考えているようです。ジョンソン英首相は、EUと通商協議で合意できる可能性は低いと判断し、合意なしにEUの単一市場と関税同盟を離れる準備をすると明言しています。しかし、ゴーブ英内閣府担当相は18日のTVインタビューで「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」と語っています。

ドル円は105円台で、ユーロドルは1.17台から1.18前後で膠着感が強まっています。「大統領選を考えたら、このままの水準で推移することはない」ことは分かっているものの、方向性を掴めないままに推移しています。米大統領選ではバイデン氏勝利の確率が日増しに高まってはいるものの、郵便投票による開票の遅れや、混乱なども予想されます。また、バイデン氏の勝利が決まったとしても、トランプ氏が選挙結果を違法だとして裁判を起こす可能性も指摘されています。そのため、正式な大統領が決まるまでかなりの日数がかかるといった予想もあります。投資家はこのような「不確実性」を考え、動けないようです。またどちらが勝利するとしても、その勝利が相場にどのように影響するかも読み切れないという点もあるようです。選挙まであと2週間余りです。最後の討論会は22日(木)テネシー州、ナッシュビルで行われますが、前回以上に注目されることになります。本日のドル円は105円〜105円80銭程度を予想しますが、クロス円が下落傾向にあります。さらに下げるようだと、ドル円の上値を抑える動きにもつながる可能性があります。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
9/28 ラガルド・ECB総裁 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 --------
9/28 ペロシ・下院議長 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。
9/23 クラリダ・FRB副議長 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 --------
9/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 --------
9/22 パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 --------
9/16 パウエル・FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4 パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ・RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナード・FRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和