今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利さらに上昇し0.86%台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は反発。米長期金利が上昇し、経済指標も概ね良好だったことで104円92銭までドルが買われた。
  • ユーロドルは小幅に反落。ドルの買い戻しが優勢となり、1.1812近辺までユーロは下落。
  • 株式市場は反発。追加経済対策を巡りペロシ議長が合意は「すぐそこだ」と発言したことが支えとなり、ダウは152ドル高。
  • 債券相場は6日続落。10年債利回りは0.86%台まで上昇し、今年3月以来、7カ月ぶりの高水準に。
  • ドルが反発したことで金は大幅安。原油は反発。
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新規失業保険申請件数 → 78.7万件
9月景気先行指標総合指数 → 0.7%
9月中古住宅販売件数 → 654万件
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ドル/円 104.57 〜 104.92
ユーロ/ドル 1.1812 〜 1.1836
ユーロ/円 123.65 〜 124.08
NYダウ +152.84 → 28,363.66ドル
GOLD −24.90 → 1,904.60ドル
WTI +0.61 → 40.64ドル
米10年国債 +0.034 → 0.856%

本日の注目イベント

  • 日 9月消費者物価指数
  • 独 独10月製造業PMI(速報値)
  • 独 独10月サービス業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
  • 英 英9月小売売上高
  • 英 英10月製造業PMI(速報値)
  • 英 英10月サービス業PMI(速報値)
  • 米 10月マークイット製造業PMI
  • 米 10月マークイットサービス業PMI
  • 米 10月マークイットコンポジットPMI
  • 米 企業決算 → アメックス

本日のコメント

「すぐそこに」−。ペロシ下院議長は景気対策法案を巡るムニューシン財務長官との合意についてそう表現しました。一方で、解決できていない問題については引き続き交渉するとしています。経済活動や学校を安全に再開するために必要な新型コロナの検査および感染者追跡に、どのように資金を配分するかという争点については、近く合意しそうだと述べています。それでもまだ、民主党が要求する州・地方行政への支援、学校への資金援助、そして共和党が固執する雇用主免責条項という3つの主要争点では、折り合いがついていないことを明らかにしています。一方、上院共和党は2兆ドル規模の支援策を支持する構えは全く示していません。(ブルームバーグ)NY株式市場はペロシ議長の前向きな発言に「合意は近い」と捉え、買いで反応したようですが、上記上院共和党の抵抗や議会の日程を考えると、まだ安心はできません。ペロシ議長は会見で、「われわれは引き続き交渉に臨む。合意に達することは可能だと希望を持っている」と語っていますが、一方で共和党のマコネル院内総務が現在議論されている規模の対策に反対を表明したことにも言及しています。ペロシ議長とムニューシン財務長官は、現地時間22日午後に再び電話で協議する模様です。

ドル円は104円台半ばから反発し、104円台後半まで上昇しました。昨日はユーロドルでドル高が進みその影響もありましたが、やはり米長期金利の上昇もドル円を押し上げたと思われます。米10年国債は昨日も売られ、これで6営業日続落です。長期金利は一時0.86%台まで上昇し、今年3月以来の高水準になっています。FRBが「QE」の一環として国債を買い上げていることから、長期金利は当面低水準で推移すると見られていましたが、思った以上に金利上昇が進んでいます。もっとも、それでも足元の金利水準はこれまでに経験したことのないレベルで、その意味では決して高水準とは言えないかもしれませんが、今年8月には一時「0.519%」前後まで低下したことを考えると、すでに35ベーシスほど上昇したことになります。背景は、11月3日の米大統領選でどちらが勝利しても、大規模な景気刺激策が実施され、国債の大量発行は避けられないとの見方が強まっているからです。

米10年債がさらに売られ金利がもう一段上昇するようだと、日本の機関投資家の触手が動き出し、市場でドルを手当てして米国債投資を活発化させることも予想されます。米国債の利回りが急低下し投資妙味が薄れたことで、機関投資家はより金利の高い豪州債に向っていた経緯もありました。それが、今年3月には60円を割り込んだ豪ドル円が75円を超える水準まで上昇した一因であったとも考えられます。ただ、米国債市場と豪州債市場を比べた場合、その規模は圧倒的に米国債市場の方が大きく、機関投資家は流動性を重視する傾向もあることから、金利水準さえ許せば米国債に行きたいのが本音のようです。

日本時間午前10時に最後の大統領候補者による討論会が行われます。トランプ氏は最後の逆転を掛けて、バイデン氏の個人的なスキャンダルを攻撃してくるとの予想もありますが、すでに4000万人近くが投票を済ませた(USイレクションズ・プロジェクト調査)ようで、これは2016年に投票した総数の3割にもあたります。すでに「大勢」は決まっているのかも知れません。

本日のドル円は104円40銭〜105円30銭程度を予想します。

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「黒人税」・・・・??

ブルームバーグによると、米国では黒人が住宅ローンを借りて負担する金利や抵当保険料、税金などのコストは、白人よりも1万3464ドル(約140万円)多いことが最新の調査で判明したそうです。これは、黒人の借りては頭金として支払う額が比較的少なく、信用スコアが低い傾向であることが原因だそうです。調査を行った米連邦住宅局(FHA)は、黒人家族が白人と同じように住宅財産を築くことを不可能にしているとし、いわば「黒人税」だと表現しています。2016年のトランプ政権発足以来、人種差別が顕著となり、所得格差はかつてないほどに拡大しています。今や、日本の中学生でも「Black lives matter」(黒人の命は大切だ)という言葉を知っています。米国の人種差別は、ここ最近なかった程横行しているとの声も聞かれます。

良い週末を・・・・・。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
9/28 ラガルド・ECB総裁 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 --------
9/28 ペロシ・下院議長 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。
9/23 クラリダ・FRB副議長 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 --------
9/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 --------
9/22 パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 --------
9/16 パウエル・FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4 パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ・RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナード・FRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和