今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ユーロドル1カ月ぶりに1.16台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は小動きの中小幅に上昇。104円74銭までドルが買われ、米金利の上昇が材料に。
  • ユーロドルは続落し、1.1640まで下落。ECBによる追加緩和の示唆に下値を探る展開に。
  • 株式市場は下落。アップルなど決算発表を終えたIT株が下げをけん引し、ナスダックは274ポイントの大幅安。
  • 債券相場も下落。長期金利は0.87%台へと上昇。
  • 金は反発。原油は続落し、約4カ月ぶりに35ドル台に。
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9月個人所得 → 0.9%
9月個人支出 → 1.4%
9月PCEコアデフレータ → 1.5%
7−9月雇用コスト指数 → 0.5%
10月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 81.8
10月シカゴ購買部協会景気指数 → 61.1
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ドル/円 104.38 〜 104.74
ユーロ/ドル 1.1640 〜 1.1704
ユーロ/円 121.55 〜 122.46
NYダウ −157.51 → 26,501.60ドル
GOLD +11.90 → 1,879.90ドル
WTI −0.38 → 35.79ドル
米10年国債 +0.051 → 0.874%

本日の注目イベント

  • 豪 豪9月住宅建設許可件数
  • 中 中国10月財新製造業PMI
  • 独 独10月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
  • 米 10月ISM製造業景況指数
  • 米 9月建設支出

本日のコメント

米大統領選がいよいよ明日に迫ってきました。昨日の多くのTV番組では、大統領選の報道に時間を割いていましたが、その中で、 「NHKスペシャル」の、「混迷アメリカ大統領密着。分断の裏で何が・・・」の番組が印象的でした。バイデン氏支持の若い黒人女性がバイデン氏支持を広げる運動を続けながら揺れ動く心理を描く一方、長い間デトロイトのクライスラーで働き、現役を終えた白人男性はトランプ氏支持を訴えて地域活動を行ってきたものの、息子が「コロナに対する対応でトランプを支持できない」と、父親と真っ向から対立。家庭内で「分断」が発生している状況を映し出していました。米国は今回の大統領選を巡りこれまでにないほど「分断」が深刻化してきました。もしトランプ氏が再選されるようだと、この流れはさらに加速するのではないかという印象を受けました。米小売り最大手「ウォルマート」では、先週から全米全ての店で銃の販売をしばらく停止したそうです。

米大統領選に関する複数の世論調査が1日に発表されていますが、バイデン氏が引き続き全国レベルと激戦州の両方でリードしているようです。ただ、一部の州では極めて接戦となっています。NYタイムズとシエナ大学の調査ではペンシルベニアとフロリダ、アリゾナ、ウィスコンシンという重要な激戦州の全てで、バイデン氏がリードしており、これら4州は2016年の大統領選でトランプ氏が全て制した地区です。一方でABCとワシントンポスト紙の調査によれば、バイデン氏がやや苦戦しており、フロリダ州では50%対48%でトランプ氏が上回っているとし、ペンシルベニア州についてはバイデン氏が51%と44%のトランプ氏を大きくリードしていると報じています。(ブルームバーグ)すでに9300万人が期日前投票を済ませており、2016年の総票数の68%に迫っています。またそのうち6000万人以上が郵便投票を行っていますが、その投票の記述や投票用紙を封筒へ入れる方法などで、多数の「無効票」が出るのではとの指摘もあります。郵便投票ではすでにバイデン氏が有利であることも報告されています。多くの専門家が今回の結果については「予測不能」といった言葉を使っていますが、どちらの候補が勝っても、今後米国をまとめていくのは極めて難しいのではないかと思います。

欧州ではコロナ感染の勢いが止まりません。イギリス政府は31日、首都ロンドンのあるイングランドを11月5日から約1カ月間ロックダウンすると発表しました。さらに感染の状況次第ではさらなる延長の可能性もあるということです。フランスではすでに10月30日から外出制限が出され、ドイツでも11月2日から飲食店や娯楽施設の営業が停止されます。またイタリアやオーストリア、ベルギーでも同様の措置が取られることになっています。回復基調にあった欧州の景気も再び下振れする可能性が高く、先週、ECBのラガルド総裁は「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」と指摘し、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」と述べています。

今回の米大統領選は上述のように、「予測不能」といった意見が多い中、個人的にはやはりバイデン氏が勝利すると予想していますが、ただ混乱は避けられないかもしれません。開票が進むにつれて、トランプ氏有利が報道され、ここでトランプ氏が「勝利宣言」を行うのではといった観測も出ています。また「Qアノン」など、やや過激なグループがバイデン支持者の投票を妨害するのではといった見方もあります。もっとも、そうなったら米国の「民主主義は崩壊した」も同然かと思いますが、トランプ氏が敗北した場合、トランプ氏は法廷闘争に持ち込む可能性は高いと見られています。そのため選挙後も混乱が続き、市場がその都度大きく反応することも考えられます。

ここ最近は、為替が株式市場の影響を受けにくくなっているのは幸いですが、それでも乱高下することも予想されます。2016年の選挙後の様な、大きな動きにはつながらないとは思いますが、今週はある程度の値動きはあるものと思います。本日のドル円は104円10銭〜105円程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
9/28 ラガルド・ECB総裁 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 --------
9/28 ペロシ・下院議長 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。
9/23 クラリダ・FRB副議長 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 --------
9/22 エバンス・シカゴ連銀総裁 (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 --------
9/22 パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 --------
9/16 パウエル・FRB議長 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。
9/16 FOMC声明文 FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 株価は上昇しドル円は下落。
9/13 ラガルド・ECB総裁 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 --------
9/7 トランプ大統領 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 --------
9/4 パウエル・FRB議長 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 --------
9/3 アンソニー・ニエベス・ISM委員長 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 --------
9/2 ウィリアムズ・NY連銀総裁 (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 --------
9/1 ロウ・RBA総裁 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 --------
9/1 ブレイナード・FRB理事 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 ドルが売られ、長期金利が低下。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和