「ドル円7カ月ぶりの103円台半ばに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は104円を割込み、103円45銭まで急落。バイデン氏勝利の確率が高まり、リスクオフの流れからドルが売られた。
- ユーロドルでも引き続きドルを売る動きが優勢となり、1.1860までユーロ高が進む。
- 株式市場は大幅続伸。バイデン氏の勝利の観測からダウは542ドル高となり、他の主要株価指数も軒並み大幅高で取引を終える。
- 債券は変わらず。
- 金はドル安の影響から大幅高。前日比50ドル上昇し、1946ドル台に。原油は反落。
新規失業保険申請件数 → 75.1万件
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| ドル/円 | 103.45 〜 103.84 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1792 〜 1.1860 |
| ユーロ/円 | 122.29 〜 123.14 |
| NYダウ | +542.52 → 28,390.18ドル |
| GOLD | +50.60 → 1,946.80ドル |
| WTI | −0.36 → 38.79ドル |
| 米10年国債 | ±0 → 0.763% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA四半期金融政策報告
- 独 独9月鉱工業生産
- 米 10月雇用統計
- 米 9月卸売在庫
- 米 9月消費者信用残高
- 加 カナダ10月就業者数
- 加 カナダ10月失業率
本日のコメント
NY市場では朝方からドルを売る動きが優勢となり、104円台を突破。FOMC後にはさらにドル売りが進み、ドル円は103円45銭まで一気に売られました。今年3月にコロナ感染が拡大し、世界的にリスクオフの流れが加速し、株安、債券高、円高が進んだ時以来となる「ドル安・円高」水準を記録しました。NY株式市場ではこの日も株価が大きく上昇し、ダウは542ドル高と、今週だけでも1800ドルを超える上昇を見せています。
一方債券市場はほぼ変わらずの展開でしたが、今週は一時0.9%に迫る水準まで上昇した長期金利が急低下し、足元では0.7%台で推移しています。先週、米大統領選を巡りバイデン氏有利との事前の予想の中、トランプ氏が法廷闘争をも想定しているとの観測から、株価は大きく調整しました。投票を終え、結果は予想通りの展開になってはいますが、株価の方は全く反対の動きとなり、足元では「どちらが勝っても大規模な経済対策は実施される」との下、連日の急騰劇が続いています。また金利についても、国債の大量発行は避けられないとの見方から1%を超える上昇も予想されていましたが、その動きも修正されつつあります。いずれにしても、依然として不透明で、今後どのような動きを見せるのか、予想が難しい展開が 続きそうです。
米大統領選はバイデン氏の優勢が続いており、過半数の「270」に迫る状況ですが、今朝の時点でもまだ決まっていません。最新の情報では、バイデン氏の選挙人獲得数は「264」と、過半数まであと「6」に迫っています。残る激戦州4つのうち1州を制すれば、バイデン氏の勝利が決まる状況です。残る4州のうち、2州ではトランプ氏が優勢です。
ブルームバーグは今朝時点の開票状況を以下のように伝えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*ジョージア州ではトランプ氏が1万3000票弱リードしているものの、約4万7277票の未集計分があると伝えられています。*ペンシルベニア州はトランプ氏のリードは11万5000票と最大ですが、開票率は92%で、未開票がまだ約75万票もあります。現在までに郵便投票の77%がバイデン氏に投票と、郵便による投票分が開いてくると結果はまだわからず、ここでの逆転もあるかもしれません。
*ネバダ州ではバイデン氏が1万17878票リードしているものの、こちらも開票率が88%で未集計分が相当あり、結果は現地時間の6日にずれ込むとの見通しです。*アリゾナ州ではバイデン氏が6万9000票リードしており、開票率は約88%です。まだ45万票弱が未開票です。そのうち約30万票が、人口が最も多い郡で、バイデン氏優勢の地域です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バイデン陣営では既に勝利を確実とし、バイデン政権への準備を開始しました。陣営では公式の政権移行サイト「buidbackbetter.com」を立ち上げています。一方トランプ氏の獲得数は「214」と、前日から全く増えていません。まだ決まってはいませんが、敗北は濃厚な状況になっています。予想された通り、トランプ氏は直ぐに、ミシガン州など4州で票の集計停止を求めるなどの法廷闘争に持ち込んでいます。明日にもバイデン氏の勝利が決まりそうですが、正式な勝利は法廷の判断に委ねられる気配です。国のトップを決める選挙ですが、日本では考えられない事態になりそうです。昨日は多くのメディアが、2000年の「ブッシュ対ゴア」の闘いを映し出していましたが、最後はゴア氏が米国と米国民のため潔く辞退して、最後は小雪降る中二人で肩をたたき合う姿が印象的でした。今回の二人には、はなからこのようなシーンを期待していないのは筆者だけではないと思われます。
FOMCは定例会合で、FF金利の誘導目標レンジを0−0.25%で据え置くことを決めました。声明文では、「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」と指摘し、文言は前回の声明文とほとんど変わっていません。会合後の会見でパウル議長は、「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」と述べ、前回同様政府による財政出動を要請した形でした。感染が拡大している新型コロナウイルスについても、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」語っています。
ドル円は約7カ月半ぶりの円高水準を付けました。3月の101円台が意識される状況ですが、米金利の動きにも注意が必要です。大統領選を巡る法廷闘争が長引くようだと、再びリスクオンに傾く可能性もあります。本日は雇用統計が発表されます。ドル円は103円〜104円50銭程度を予想します。
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4年に一度の大イベントである米大統領選挙もほぼ事前予想通りの結果になりそうです。選挙の開票速報を固唾を飲んで見守った米国人。ストレスから逃れようとグ―グルやツイッターのフィードでは「近所の居酒屋」という検索件数が過去最高になったそうです。「フライドポテト」という検索も記録更新しましたが、この24時間に最も検索された言葉は「選挙」だったそうで、(ブルームバーグデイブレイクより)ひとまずは、安心しました。
良い週末を・・・・・・・。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/5 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 | -------- |
| 11/5 | パウエル・FRB議長 | 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 | ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇 |
| 10/29 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 | ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。 |
| 10/21 | ブレイナード・FRB理事 | 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 | -------- |
| 10/18 | ゴーブ・英内閣府担当相 | (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 | -------- |
| 10/14 | クラリダ・FRB副議長 | 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 | -------- |
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
| 9/28 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 | -------- |
| 9/28 | ペロシ・下院議長 | 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 | NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。 |
| 9/23 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 | -------- |
| 9/22 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 | -------- |
| 9/22 | パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) | 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 | -------- |
| 9/16 | パウエル・FRB議長 | 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 | 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 | 株価は上昇しドル円は下落。 |
| 9/13 | ラガルド・ECB総裁 | 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 | -------- |
| 9/7 | トランプ大統領 | 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 | -------- |
| 9/4 | パウエル・FRB議長 | 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 | -------- |
| 9/3 | アンソニー・ニエベス・ISM委員長 | 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 | -------- |
| 9/1 | ロウ・RBA総裁 | 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 | -------- |
| 9/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 | ドルが売られ、長期金利が低下。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



