今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「バイデン氏が勝利宣言」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は103円台で小動き。バイデン氏の勝利を織り込みながらドル円は103円20銭まで下落したが、雇用統計発表を受けて買われる場面も。
  • ユーロドルは続伸し、9月15日以来となる1.1891までユーロ高が進む。
  • 株式市場はまちまち。連日の高騰で利益確定の売りも出る中、ダウは68ドル安。ナスダックは4ポイントの上昇で越週。
  • 債券は反落。長期金利は0.81%台に上昇。
  • 金は続伸。原油は大幅に続落。
*********************
10月失業率 → 6.9%
10月非農業部門雇用者数 → 63.8万人
10月平均時給(前月比) → 0.1%
10月平均時給(前年比) → 4.5%
10月労働参加率 → 61.7%
9月卸売在庫 → 0.4%
9月消費者信用残高 → 162.14億ドル
*********************
ドル/円 103.20 〜 103.71
ユーロ/ドル 1.1852 〜 1.1891
ユーロ/円 122.61 〜 122.99
NYダウ −68.78 → 28,323.40ドル
GOLD +4.90 → 1,951.70ドル
WTI −1.65 → 37.14ドル
米10年国債 +0.055 → 0.818%

本日の注目イベント

  • 日 9月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 独 独9月貿易収支
  • 英 ラガルド・ECB総裁、ベイリー・BOE総裁ロンドンの金融関連会議で講演
  • 米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

本日のコメント

多くのメディアがバイデン氏の勝利が確実と報道したことを受け、バイデン氏は日本時間8日の午前10時過ぎに、自身の出身地であるデラウェア州で「勝利宣言」を行いました。会場には熱心な支持者が多く集まり、セレモニーは副大統領に就任する予定のハリス氏が最初に登壇。支持者に感謝の言葉を述べるとともに、「自分は女性で最初の米副大統領になるが、それは最初ではあるが最後ではない」と述べ、米国の若い女性が今後も副大統領になる可能性があることにも言及していました。ハリス氏の後に登場したバイデン氏は喜びを全身に表しながら、「赤い州でも青い州でもなく、合衆国を作る」と、団結を訴えていました。「みんなで力を合わせれば、不可能なことはない」と「団結」という言葉を何回も使っていたことが印象的でした。

一方敗戦が確実となったトランプ氏はバージニア州北部のゴルフ場でゴルフに興じながらも、依然として選挙は不正で、敗戦を受け入れていない様子です。ただ、CNNによると、メラニア夫人とトランプ氏の娘婿のクシュナー大統領上席顧問はトランプ氏に敗北を認めるよう促しているようです。ブッシュ元大統領(共和党)も、票の再集計などトランプ氏の権利を認めるとしながらも、選挙は「基本的には公正だった」との認識を示し、バイデン、ハリス両氏に祝意を伝えたと、ブルームバーグは報じています。また、シューマー民主党院内総務はかなり過激な言葉を用いてトランプ氏に敗北を認めるよう促しています。「あなたは負けた。悪あがきはするな。家に帰れ。フロリダの家に帰れ。事を遅らせるな。選挙について嘘をでっちあげるのはやめよ」とし、トランプ氏に対して「米国はもう、あなたを忘れて前に進まなければならない」とNYでの記者会見で述べています。(ブルームバーグ)

トランプ氏が法廷闘争に訴えているため、正式にバイデン氏の勝利が確定するのには時間がかかりそうですが、バイデン氏は、経済チームの立ち上げにも言及しており、オバマ前政権時代のベテランを起用する方向だとしています。その中で、最も重要な閣僚の一つである財務長官には、ブレイナード現FRB理事の名前が挙がっているようです。ブレイナード氏は過去の発言では「ドル安」を志向しており、どちらかと言えば「ドル安論者」と見られていることから、今後為替市場に影響を及ぼす可能性があります。今朝のオセアニア市場でもドル円はやや円高傾向が進んだ中で取り引きされています。

バイデン氏が勝利を確実にしたものの、もう一つの焦点だった議会選挙では、下院は民主党が過半数を獲得したものの、上院の勢力はまだ確定していません。これまで同様「ねじれ議会」の可能性もあり、大規模な経済対策の年内成立は難しいとの見方もあります。これまで市場が描いてきた、「民主党が主張している2兆4000億ドル(約247兆円)の早期実現で、大量に発行される国債により米長期金利が上昇する」といったストーリーに変化が出て来ることも考えられます。また、多くの専門家がドル安の可能性を指摘していますが、バイデン政権では米中関係がこれまでより改善されると考えれば、円高圧力の後退にもつながります。法廷闘争の成り行きとともに、新政権への移行に注視しながら今後慎重に対処していく必要があろうかと思います。本日のドル円は102円80銭〜103円80銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和