「米モデルナがコロナワクチン94.5%の有効性を発表」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は欧州から米国の朝方にかけて105円台を回復したものの、その後104円台半ばまで押し戻される。この日もリスク選好のドル安の流れに。
- ユーロドルは1.18台で推移。朝方は売られたものの、徐々に買い戻され、1.1856まで上昇。
- 株式市場はコロナワクチンへの期待から大幅に続伸。ダウは470ドル上げ、3万ドルの大台に迫る。S&P500は連日で最高値を更新。
- 債券相場は続落。長期金利は0.90%台に。
- 金は小幅ながら続伸。原油は反発し41ドル台に。
11月NY連銀製造業景況指数 → 6.3
********************
| ドル/円 | 104.50 〜 105.01 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1815 〜 1.1856 |
| ユーロ/円 | 123.62 〜 124.37 |
| NYダウ | +470.63 → 29,950.44ドル |
| GOLD | +1.60 → 1,887.80ドル |
| WTI | +1.21 → 41.34ドル |
| 米10年国債 | +0.010 → 0.906% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
- 欧 ラガルド・ECB総裁講演
- 英 ベイリー・BOE総裁講演
- 米 10月小売売上高
- 米 10月輸入物価指数
- 米 10月鉱工業生産
- 米 10月設備稼働率
- 米 11月NAHB住宅市場指数
- 米 アトランタ、ミネアポリス、ボストン、サンフランシスコ連銀総裁が4連銀主催オンライン会議に参加
- 加 カナダ10月住宅着工件数
本日のコメント
日本も含め、世界で新型コロナウイルス感染拡大が猛威を振るっている中、ワクチン開発で、ファイザー製薬に次いで新たな朗報がありました。米モデルナは16日、新型コロナウイルスのワクチンが大規模な第3相臨床試験で94.5%の確率で効果を示したとの暫定結果を発表しました。モデルナは3万人余りのボランティア被験者のデータを分析し、95人の感染者のうち、ワクチン接種を2回受けた被験者で感染したのは5人のみで、偽薬を接種されたグループは90人だったと発表しています。また同ワクチンは通常の冷蔵庫の温度で30日間安定していることも新たな安定性データで示されています。
先週のファイザー製薬がワクチンの高い有効性を発表したことに次いで、モデルナの発表はコロナの感染拡大に直面している世界にとって極めてインパクトのある朗報です。NY株式市場では、同社の株価だけではなく、コロナ撲滅期待からほぼ全面高の展開となり、ダウは3万ドルの大台まで50ドル余りに迫っています。日経平均株価の方も昨日は500円を超える上昇を見せ、世界でも稀にみる周回遅れの日本株も、本日には2万6000円の大台を回復すると見られます。リスク選好からドルの上値は重く、昨日のNYでは長期金利が上昇したことに伴い105円台に乗せる場面もありましたが定着せず、押し戻されています。今後も株価が堅調に推移するとみれば、上値の重いドル円はジリジリと値を下げる展開も予想されますが、逆に株価が調整局面を迎えるようだとドル円が反発する可能性もないとは言えません。日本では中間決算の発表をほぼ終え、上場企業の上半期は全体で38%の減益だったことが報じられています。通期でも34%の減益が予想され、さらに16%の企業が赤字と予想されています。中でも製造業の業績が厳しく、コロナ前の水準に戻るのは2022年度と見られています。株価は「先読み」をすると言われますが、やや「読み過ぎ」の感があると感じるのは筆者だけではないと思われます。
バイデン政権で次期財務長官候補として名前の挙がっているイエレン前FRB議長は、記者の質問に「これに関しては何も話すことはない」と答え、自身が長官に適任だと思うかと問われると、「それは他人が決めることだ」と語ったそうです。(ブルームバーグ)全米50州の票が確定し、バイデン氏は次期政権の閣僚人事にも着手したと報じられている中、トランプ氏にやや変化が出てきたようです。トランプ氏は15日朝、「He won」(彼が勝った)という文言を含むツイートを発信しています。共和党のハッチンソン・アーカンソー州知事は「受け入れの始まりだと思う」と述べており、敗北を認め始めた可能性もあるようです。ただその可能性をメディアが報じるとすぐに、「私は何も認めていない」とツイートしています。トランプ氏が直ちに敗北を認め、バイデン政権へのスムースな移行こそが、トランプ氏が掲げた「Make America Great Again」への最良の道の一つだと思いますが、どうでしょうか。
本日は引き続き日本株の上昇が予想されます。リスク選好のドル安の流れは、東京市場ではやや異なるものの、依然として上値が重いと思われます。104円割れが目先の焦点ですが、どこまでドルが下値で粘れるかといったところでしょう。予想レンジは104円〜104円90銭程度とします。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/5 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 | -------- |
| 11/5 | パウエル・FRB議長 | 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 | ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇 |
| 10/29 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 | ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。 |
| 10/21 | ブレイナード・FRB理事 | 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 | -------- |
| 10/18 | ゴーブ・英内閣府担当相 | (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 | -------- |
| 10/14 | クラリダ・FRB副議長 | 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 | -------- |
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



