「米株価反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は株価の下落や長期金利の低下を手掛かりに続落。104円08銭までドル安が進み、104円割れも視野に。
- ユーロドルは小幅に続伸。1.1893まで買われたが節目の1.19台には届かず。
- 株式市場は反落。このところの急激な上昇に対する警戒感や小売売上高が予想を下回ったことなどで利益確定の売りが優勢に。ダウは167ドル下げ、他の主要指数も揃って下落。
- 債券は反発。長期金利は0.85%台へと低下。
- 金は反落し、原油は小幅に続伸。
10月小売売上高 → 0.3%
10月輸入物価指数 → −0.1%
10月鉱工業生産 → 1.1%
10月設備稼働率 → 72.8
11月NAHB住宅市場指数 → 90
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| ドル/円 | 104.08 〜 104.24 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1858 〜 1.1893 |
| ユーロ/円 | 123.51 〜 123.86 |
| NYダウ | −167.09 → 29,783.35ドル |
| GOLD | −2.70 → 1,885.10ドル |
| WTI | +0.09 → 41.43ドル |
| 米10年国債 | −0.049 → 0.857% |
本日の注目イベント
- 豪 豪第3四半期生産者物価指数
- 日 10月貿易統計
- 欧 ユーロ圏10月消費者物価指数(改定値)
- 英 英10月消費者物価指数
- 米 10月住宅着工件数
- 米 10月建設許可件数
- 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、ウェビナー参加
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁、オンラインパネル討論に参加
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、ウェビナーに参加
- 加 カナダ10月消費者物価指数
本日のコメント
ドル円は、104円台は維持できたものの、ドルの上値が重い展開が続いています。昨日のNYではコロナ感染の拡大が止まらず、発表された10月の小売売上高も予想を下回る「0.3%」(前月は1.6%)でした。コロナ禍の状況下で、消費者は物の購入に慎重な姿勢であることを示す結果で、消費者信頼感指数でも、この傾向が確認されています。この指標の下振れで株価が下げ、安全資産の債券が買われ、長期金利の低下から円が買われたようです。週初に見られたように、株価の大幅上昇時には「リスク選好のドル売り」が優勢となり、昨日のように株価が下げると「逃避通貨としての円買い」といったコメントが付けられ、投資家としては、なかなか基準となる判断材料の選択に戸惑う状況です。もっとも昨日の場合は、米長期金利の低下がドル売り材料の一つだったことは明らかです。
米国のコロナ感染の拡大は止まりません。昨日も1日で16万5000人の感染が確認され、高水準の感染が続いています。ファイザーやモデルナがコロナワクチンの有効性に関する朗報をもたらしてはいますが、実際に配布されるのは、米国で早くて12月。両社と契約を結んでいる日本に届くのは来年1月の見込みです。パウエルFRB議長は17日、米経済の回復は着実なペースで続く公算が大きいとしながらも、「特に短期的にはコロナ感染率の上昇が著しいダウンサイドリスクだ」と指摘し、「懸念されるのは人々がパンデミック対策への信頼を失い、感染リスクを懸念する活動を控えることであり、すでにその兆候がみられる」と語っています。(ブルームバーグ)日本でも地方都市での感染拡大が顕著で、これは「第1波」や「第2波」では見られなかった特徴です。特に北海道での感染拡大は深刻な状況ですが、政府は今のところ「Go toキャンペーン」を止める意志はないようです。このままで行くと、今年の年末から来年のお正月は例年と大きく異なる「新生活様式」にならざるを得ないようです。
大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏は通商政策の3原則を示しています。その中でバイデン氏は、再生エネルギーやITなど先端分野を対象に3000億ドル(約31兆2000億円)を投じ、300万人の雇用を産み出すとしています。また貿易問題では台頭する中国を念頭におきながら「他の民主主義国家と連携する必要がある」とし、中国に対しては「懲罰的な貿易手段は採用しない」と明言しました。中国に対して制裁関税を武器に対決姿勢を前面に出したトランプ氏の貿易政策とは異なることを鮮明にした格好です。
トランプ氏の大統領選敗北に関する情報はその後入っていませんが、トランプ氏が2024年の大統領選に出馬することを「真剣に検討している」とCBSが報じています。ここは潔く敗北を認め、次期選挙の準備に傾注した方が賢いと思います。何しろ7100万人の支持者がいたことは紛れもない事実で、バイデン氏との差はわずか500万票余りだったわけですから・・・。
本日のドル円はやはり、104円割れの可能性に注目です。日経平均株価も今日は下げると思われ、株価の下げに素直にドル売りで反応する可能性が高いと予想します。レンジは103円70銭〜104円60銭程度といったところでしょうか。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 11/5 | FOMC声明文 | 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 | -------- |
| 11/5 | パウエル・FRB議長 | 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 | ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇 |
| 10/29 | ラガルド・ECB総裁 | 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 | ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。 |
| 10/21 | ブレイナード・FRB理事 | 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 | -------- |
| 10/18 | ゴーブ・英内閣府担当相 | (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 | -------- |
| 10/14 | クラリダ・FRB副議長 | 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 | -------- |
| 10/7 | FOMC議事録 | 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 | -------- |
| 10/6 | トランプ大統領 | (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 | ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。 |
| 10/6 | パウエル・FRB議長 | 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 | 株価は小幅に上昇。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



