今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円続落し103円台半ばに」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は104円を割り込み、103円66銭まで下落。コロナワクチンに関する朗報が続いたものの、感染が高止まりしていることでドル売りが進んだ。
  • ドル売りが進んだものの、対ユーロでは前日と同水準で推移。1.19台を回復できない展開が続く。
  • 株式市場は続落。朝方は3万ドルの大台に迫る場面もあったが、大台に乗せることは出来ず午後には失速。コロナ感染の高止まりが重石となりダウは344ドル下落。
  • 債券は小幅に反落。長期金利は0.87%台に。
  • 金は続落し、原油は3日続伸。
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10月住宅着工件数 → 153万件
10月建設許可件数 → 154.5万件
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ドル/円 103.66 〜 104.00
ユーロ/ドル 1.1849 〜 1.1877
ユーロ/円 122.96 〜 123.50
NYダウ −344.93 → 29,438.42ドル
GOLD −11.20 → 1,873.90ドル
WTI +0.39 → 41.82ドル
米10年国債 +0.013 → 0.870%

本日の注目イベント

  • 豪   豪10月雇用統計
  • トルコ トルコ中銀、政策金利発表
  • 欧   ユーロ圏9月経常収支
  • 欧   ラガルド・ECB総裁、欧州議会公聴会に出席
  • 欧   ラガルド・ECB総裁講演
  • 米   新規失業保険申請件数
  • 米   11月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   10月景気先行指標総合指数
  • 米   10月中古住宅販売件数

本日のコメント

ドル円は予想通り104円を割り込み、NYでは103円66銭近辺までドル安が進みました。節目の104円割れでは目立った抵抗もなく、NYでは一旦104円台に戻す場面もありましたが、その後大きく売り込まれています。ユーロドルでは思ったほどドル安が進まなかったことから、ユーロ円などクロス円は概ね下落しています。

ファイザー製薬が先週に続き、コロナワクチの治験最終分析で、95%の確率で有効性が確認されたと発表しましたが、今回の発表に対して米株式市場の反応はいま一でした。前回のファイザーとモデルナによる有効性の発表には株式市場は大きく買いで反応しましたが、今回は限定的で、むしろコロナの感染拡大が止まらないことで株価は大きく沈んでいます。ファイザーによれば、被験者のうち170人が新型コロナに感染し、そのうちワクチン接種を受けたのは8人で、162人は偽薬の接種を受けた被験者だったとしています。ワクチンは重症化を防ぐ効果も示し、重症患者10人のうち9人が偽薬グループだったと発表しています。またワクチンは65歳以上の高齢者の94%強で効果を示しています。ファイザーは数日以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する準備が整ったと述べています。

昨日の日本のコロナ感染者の数もやや衝撃的でしたが、NY市では市内の新型コロナウイルス検査陽性率が基準の3%に達したため、19日から公立学校の対面授業を中止することを発表しています。またニュージャージー州では1週間で入院患者が3割以上、人工呼吸器が必要な患者は2倍にそれぞれ増加しています。欧州でもイタリアでは1日当りの死者数が753人と、この7カ月余りで最多を記録しており、ドイツでは感染拡大を阻止する政策に反対する1万4000人規模のデモが発生し、警察隊と衝突しています。(ブルームバーグ)コロナワクチンの開発は着実に進んでいるものの、ロックダウンなどコロナ感染拡大阻止政策の実施による影響を懸念する声も高まっており、まさに時間との闘いになっています。

NY連銀のウイリアムズ総裁はインタビューで、「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」と指摘し、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」と語っています。また政府による財政支援の遅れに関しては、「この先数カ月間にわたり経済を減速させるだろう」と述べています。また議会における経済対策案の遅れについてJPモルガンのダイモンCEOはNYタイムズが主催した会議で、「最大の焦点は対策の規模を2兆2000億ドル(約230兆円)にするか、それとも1兆5000億ドルにするか、というものだ。実にふざけている」とコメントし、「妥協して前に進めばいいだけのことだ。これは大人気ない行動」と、議会の混乱を痛烈に批判しました。(ブルームバーグ)議会では今週、ペロシ下院議長が早期の合意を目指して共和党のマコネル上院院内総務に書簡を送り、協力するよう要請しています。

104円をあっさり割り込んだドル円は、次のターゲットは今月6日に付けた103円15−20銭となります。米株価が上がっても下がってもドル円が売られる展開が続いており、なかなか浮上するきっかけがつかめません。頼みの米長期金利も1%の手前で足踏み状態です。依然としてドルの上値は重く、下値目線を維持する必要がありますが、ここは想定内の動きと見ています。

本日のドル円は103円40銭〜104円30銭程度を予想します。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/18 ウイリアムズ・NY連銀総裁 「景気は一段と困難な局面を迎えると考える」、「われわれにとって重要なのは、金融政策での支援や他のプログラムを提供することで自分たちの責任を確実に果たしていくことであり、力強い経済回復を可能な限り支えるための金融環境を維持することが基本だ」 --------
11/5 FOMC声明文 「経済活動と雇用は回復が続いているが、今年初めの水準をなお大きく下回っている」 --------
11/5 パウエル・FRB議長 「少なくともいくらか財政による追加支援が得られれば、景気回復は力強さを増すと考えている」、「米国内で新型コロナウイルス感染症の新規感染例が増加している状況は特に気掛かりだ」 ドル安が進み、ドル円は103円49銭まで売られ、ユーロドルは1.1826まで上昇
10/29 ラガルド・ECB総裁 「ユーロ圏の景気回復は予想以上に急速に勢いを失いつつある」、「行動が必要であり、従って次回の会合で政策手段を再調整する必要があるとの点で、政策委員会は一致した」 ユーロドルは1.17台半ばから1.1650まで下落。
10/21 ブレイナード・FRB理事 「私自身の見通しへの最も顕著な下振れリスクは財政面で追加支援が実現しないことだ」 --------
10/18 ゴーブ・英内閣府担当相 (EUとの通商協議で)「私は合意を望んでいる。ぜひとも合意をまとめたいと考えている。扉はわずかだが開かれている」 --------
10/14 クラリダ・FRB副議長 「経済が一気に悪化した春からの立ち直りは力強かったが、新型コロナウイルス感染症によるリセッションから経済が完全に回復するまでの道のりは長いことを忘れてはならない」景気の回復までに1年を要する可能性があり、雇用の完全回復には「さらに長い時間」がかかるだろうとの認識を示す。 --------
10/7 FOMC議事録 「幾人かの参加者は、会合後の声明に合意内容の重要要素を組み込むのは適切だということで同意したが、現時点でフォワードガイダンスを強化したり、利回りにさらに下向きの圧力をかける大きな余地をフォワードガイダンスに与えたりする必要性はないように思われると主張する参加者もいた」 --------
10/6 トランプ大統領 (追加の経済対策について)「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国人の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」 ダウは一時400ドルを超える下げに、ドル円は小幅にドル安が進行。
10/6 パウエル・FRB議長 「政府の支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる。」「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」 株価は小幅に上昇。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和